ニコニコ生放送「これでキマリ!世界のマリファナ事情~解禁の流れはどこへ向かう?~」(2015年9月20日放送)全文書き起こし(2)

ニコニコニュース / 2015年10月18日 12時30分

ニコニコニュース

 9月の「ニコニコドキュメンタリー」は、アメリカ在住の映画評論家・町山智浩氏が選んだ、超大国アメリカの裏側がわかる過激なドキュメンタリー作品を特集。その第3段「スーパー・ハイ・ミー~30日間吸いまくり人体実験~」が2015年9月20日(土)20時から、ニコニコ生放送で配信されました。

 本ニュースでは、生放送後におこなわれた作品をテーマにしたトーク番組の内容を、以下の通り全文書き起こして紹介します。

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※出演者=話者表記
モーリー・ロバートソン (ミュージシャン/ジャーナリスト)=モーリー
武田邦彦 (中部大学総合工学研究所特任教授)=武田
長吉秀夫 (作家)=長吉
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武田(続き):そういう社会正義というのは、ものの社会に及ぼす影響とそれに対する罪というのがバランスしていなければいけないと、この議論は大麻の課税法のときからずっとありまして、大麻を吸ったから何が起こるんだと。それで、どういう被害を社会に与えるからその人を罰しなきゃいけないのかと、論理はなんですかと聞かれるわけですよ。そうすると、「いや、大麻はみんなが悪いって言っていますから」、こういうふうになって重罪なんですね。そこのところを少し弱くしようとしているのが今のヨーロッパじゃないかと。

モーリー:なるほど。戦後、終戦直後の1950年代、アメリカのバブルが始まったころ、戦後の好景気にわいていた時期に、アメリカ中の各小中学校で学習映画を子どもたちに見せてまわって、その中で有名なのが『リーファー・マッドネス』という、大麻を吸った結果、殺人や自殺をしたり大変だぞっていう、子どもを怖がらせるプロパガンダを政府が。

武田:そうそう。あれは白黒でした?

モーリー:白黒。

武田:あれは1910年代につくられた映画なんですけど、あれをやっているのは俳優なんですよ。飲んだ患者さんじゃなくて俳優がやっているんです。だから、つくり話ですね(笑)。

モーリー:ということは、要は、ある種政府主導でコンセンサスというか、国民の合意を無理に突っ込んでねじ込んでいった感じで、それに対する議論が起きてもいけない雰囲気をつくって。あと、50年代にちょっと言いましたのは、ソ連とのアメリカの緊張関係がある中で、赤狩りが1950年にありましたよね。そのブームの一種の魔女狩りのような雰囲気の中で、大麻も一緒に、共産党の工作員が若者を堕落させるために流通させているんじゃないか疑惑を。

武田:もう一つは人種差別がありまして、もともと大麻を地下で吸っていたのは、ヒスパニック系の人たち。

モーリー:メキシコからの労働者とか。

武田:そうそう。それに対するアメリカ市民の反発があって、「彼らは煙のにおいがする、地下で吸っている」と、「あれはやっぱやめさせなきゃ」っていうのもあったんです。いろいろなアメリカのそういう規制っていうのは、第一次世界大戦の前はドイツに対するビールの憎みとか、それからメキシコ系のたばこのにおいとか、それから赤狩りとか、こういったものの中で法律ができてきていますから。言われるとおり、そこら辺をよく日本人は理解しないと。

モーリー:つまり、もともと大麻取締法の原型になったアメリカの法律が、その当時吹き荒れたさまざまな政治の嵐の結実したものだったと。しかも1930年とか、20年時点ですから、特に科学的に重いものがあるわけではないと。

武田:そうです。

モーリー:なるほど。では、オランダに続いて、その他のヨーロッパ諸国の大麻事情もちょっと見てみましょう。結構解禁されています。スペインでは、個人で鉢植え5個までの大麻栽培は許可されています。公共の場での使用・所持は行政処分により罰せられます。なるほど。スターバックスでやっちゃダメ。ベルギー、3グラムまでの所持は個人使用目的として許可。公共の秩序を乱す行為が伴う場合は罰せられる。でも、これは公共の秩序を乱さないで、ベルギーチョコを食べながら大麻を吸っている分には大丈夫っていうぐらいなのかな。スイス、10グラム以下、結構大きいですね。こっちのリミットの3倍強ですね。10グラム以下の所持は罰金刑となるが犯罪歴には残らない。犯罪歴に残らない、就職もオッケー。今の国会の前に行っている大学生の皆さんはスイスに行ってください。ベルギーでなくスイスです。就職騒動があったけど。チェコ、5株までの大麻栽培、20本までの大麻たばこの携帯を許可。これは結構大判振る舞いかな。旧東欧、ソ連系ですね。大麻入りのアイスなども販売されているそうです。すごいですね。これはやっぱりオランダの影響を受けているのかな。

長吉:基本的にはオランダの影響を受けていますよね。スペインはすごくよくて、組合をつくって、みんなで何人か集まって、おばあさんとか、植えられない人たちは種を頼んで、得意な人が全部栽培をして分け与えたりということがもう法律的にもオッケーになっているっていうことなんですね。

モーリー:やっぱり皆さんも相当に興味を持って、「気持ちのよくなるアイスクリームだそうだ」とかって書き込んでいますけれども。

長吉:あと、基本的にはチェコはそうですけど、東側は基本的にはそんなにもともと厳しくないんですよ。

モーリー:そうなんですか?

長吉:ええ、厳しくなかったんです。

モーリー:共産圏だったころから?

長吉:ええ。これはアメリカがしかけたことですから。

モーリー:そうなんだ。そして、こういうとても基礎的なことをここまでお話ししてきたんですけども、いよいよドキュメンタリー映画『スーパー・ハイ・ミー』。

武田:これは全然、2割ぐらい関係するけど、日本にはあまり大麻との関係では関係ないんですよ。たぶんこれがパネルに出てきたのは、(http://live.nicovideo.jp/watch/lv234565160?po=newsinfoseek&ref=news#31:10)これを企画した人があまり大麻を勉強していないんですね。

(一同笑)

モーリー:やったことがないんでしょうね。

武田:やったこともない、見たこともないし。

モーリー:見たこともやったこともないのに、ドキュメンタリーを。

武田:ヨーロッパでは、大麻っていうのは主に吸うんですよ。だから、吸うのもいいんですよ。もちろんそれもいいんだけど、日本の大麻の使用のほとんどは産業用、衣服なんです。日本の赤ちゃんの服は昔全部大麻でした。蚊帳も大麻、下駄の鼻緒も大麻。漁網も大麻。大麻っていうのは、日本では産業用の資材として使うのがほとんどなんです。だから、ヨーロッパになりますと、産業用資材として使わないので、したがって、こういう話が出てくるんですけど、日本人が考えるときはこんなことを考えなくたっていいんですよ。

モーリー:なるほど。

武田:別に吸ったっていいですよ。法律を変えて吸ってもいいけども、別にそんな危険なものじゃないからいいんだけど、日本の大麻の主たる問題は産業用として使えるかどうかなんですよ。それが一番大きいんです。だから、視点がちょっと違うんですよ。

モーリー:なるほど。

武田:だけど、きょうはアメリカの話ですからね。このシリーズは「なんとかのアメリカ」でしょう。

モーリー:そうですね。「とんでもアメリカ」シリーズですね。

武田:「とんでもアメリカ」だから。これはアメリカの話として。日本人はちょっと関係ない。

(一同笑)

モーリー:わかりました。ただ、最終的に、結論に先に飛んでしまうと、要は今のオバマ政権で黙認という形で州法と連邦法の矛盾を解消しようという方向に向かっていますよね。結局、決め手になったのはコロラドが最初でしたけれども、リーマンショック以降の財政難の中で、もう州税が鬼のようにすごくできてくるわけですけど、つまり、経済が最終的な決め手であったという点では、今後日本で産業大麻の解禁を検討する場合、やっぱり経済的なモチベーションが主たるものに。

武田:いや、大麻っていうのは、日本人の特殊なインタラクションがあって、日本人が大麻をなんで使うかっていったら、日本人は精神をちょっと穏やかにするために全部使ったわけですね。ですから、日本人っていうのは麻というものに対して非常にノスタルジックなんですよ。それはもちろん戦後の人はわかりませんけどね。

モーリー:70年前を覚えていないとね(笑)。

武田:覚えていないとね。

モーリー:今、90歳の人(笑)。

武田:ですから、そういうことで、日本文化の1つとして大麻というものを産業用に使うかっていう問題は、日本人としては非常に大きな問題です。

モーリー:なるほど。日本の模様の中にも、六角形の、あれは麻の模様ですよね。

武田:そうです。あらゆるところに麻は生えていますし、今でも自生しています。みんなわかんないから、ただ自生しているんで。アパートの中でなんかつくっているけど、「そんなアパートなんかでつくるんだったら、僕が教えてあげるから」って言いたくなっちゃう。「あそこにあるよ」って(笑)。

モーリー:なるほど(笑)。

武田:だって、日本は大麻が山ほど自生していますから。それを全部取り締まるのは難しいんじゃないかと思うんですよ。

モーリー:もう勝手に生えてくるから、生えてくるほうが燃やすほうより早いみたいな。

武田:そうそう(笑)。

モーリー:なるほど。全部集めて燃やしたら、近くにいた人たちは煙でぶっ飛んでしまったみたいなことにもなりかねない。

(一同笑)

モーリー:ということで、『スーパー・ハイ・ミー』に1回戻ります。医療大麻というキーワード、メディカル・マリファナというふうに英語では言っているんですけど、メディカル・カンナビス、この医療大麻っていうのが96年、カリフォルニアで解禁されるわけです。医療目的によるマリファナ販売・所持合法化について、カリフォルニアの住民提案215号って、これはプロポジションって英語で言うんですけれども、要するに、州法を州民投票で、直接投票で変えましょうという考え方なんですね。その215号が住民提案により賛成55.5で、ちょっと半分を上回った状態で採決されています。

 この法律に基づいて、『スーパー・ハイ・ミー』作中で主演のダグ・ベンソン氏は大麻を購入・所持することができたわけなんですよね。医療目的とうたいながらも、作中では健康そうな人がリウマチとかではなく、お気軽に大麻を購入しているように見受けられたんですけども、実際のところ、このアメリカの事情っていうのは、武田さんどうなんでしょうか?

武田:白人と日本人と違いますからね。アメリカではどうだっていうんで、ちょっとあれを見ていたら、これにコメントを書いているのは日本人じゃないかと思うんだけど。

(一同笑)

モーリー:日本人です。たぶん日本語なんで日本人です。

武田:日本人がアメリカのことを参考にしているんですよ。これは参考にしちゃいけないよっていうの。

モーリー:ダメなんだ?

武田:だって、白人と黄色人種は効き方が違う。薬なんだから、同じく効かない。

モーリー:僕のように足して2で割った人は、どうやって効くんでしょう?僕は母親が日本人なんですけど。

武田:それは非常に難しいですね。自分で実験しないと。

モーリー:実験、ちょっとコロラドに行ってくる。

武田:そう(笑)。

モーリー:なるほど。

武田:皆さんのやつをさっきから見ていたら、ちょっと番組に誘導されて間違っているなと。

モーリー:本当ですか?

武田:つまり、あくまでも日本のことを言っているんじゃないから。「ヤバいアメリカ」だから。だから、これを「アメリカがこうだから、日本はこうだよ」って言っちゃいけないわけよ。これはあくまでもアメリカの話。

モーリー:わかりました。じゃあ、アメリカのドキュメントということで(笑)。ここで20代の宮城県の男性からメールが入りました。

 「私は特定疾患クローン病で闘病中の者です。クローン病は現状、不治の病であり、発症原因から治療方法まで不明な点が多くあります。しかし、大麻に含まれる酩酊成分とは別の成分が治療に有効であり、医療大麻が合法化された国やアメリカの地域では、大麻そのもの、あるいは、大麻から抽出した成分を利用した製品での治療が行われており、食事制限なども特にないと聞きます。現状、私が治療に使用している注射薬は1本約7万円という高額なもの。この現状を打破する意味でも、クローン病も含めた大麻の有効な病気に対する治療法という意味でも、医療大麻の解禁は死活問題です。グアムで合法化の動きがあり、日本人患者の受け入れについて動きがあるといいますが、移動費や滞在費の問題により利用できる患者は限られると推測されます。一刻も早く非合法な嗜好品大麻を撲滅し、品質のよい医療大麻による、現状より安い治療費の選択肢が選べる日が来ることを望みます」とあるんですが。長吉さん、どうでしょう?

長吉:いや、そのとおりだと思いますね。基本的にはそんなことを国が禁止する必要はなくて、いいものを個人が自由に使えるってことが理想ですから、医療として大麻を使用するっていうことは実際にクローン病の人たちとかっていうのは、すごく目に見えて効果がありますから、ほかのところでもいろんな疾病に必要ですから。

武田:医療用大麻っていう言葉自身がおかしい。

長吉:そうそう、おかしい。

モーリー:おかしい?

武田:だって、医療っていうのは、役に立つやつは毒でもなんでも使うんだから。モルヒネでもなんでも。それなのに、医療用大麻なんて言うからややこしくなるんですよ。大体、医療用大麻って言ったって、大麻がみんな効くわけじゃなくて、大麻の中で特定の大麻のこの成分が効くんだから。医療用大麻なんて言葉をマスコミが使っちゃいけませんね。

モーリー:なるほど。単純にTHCとか。

長吉:大麻草ですよね。

武田:違う。薬はその人の病気が楽になるんなら使いましょうってことですよ。だって、医者っていうのは禁止された薬剤をいくらでも使えるんですから。大麻だけ別にするって、そんな理屈はありませんよ。その人はかわいそうに。日本のそういうゆがんだ行政の影響を受けて、薬の規制も厚生省、大麻の規制も厚生省ですけど、厚生省の縦割り行政でこうなっているだけなんですよ。だって、薬っていうのは、全部大麻より厳しい薬効があるんだから。それを医者が使うわけですよ、医者の権限として。医者が大麻を使えないっていうのは一体何かと思っちゃう。

長吉:だから、やっぱり厚生労働省が医療用として大麻を認めるとすると、それは薬になっちゃうわけですよ。そうではなくて、アロエとか、そういうものと一緒なものなんで。ハーブなんです。大麻というのは植物なんです。それを医療用に使うということです。嗜好用に使うっていうのも一緒です。

モーリー:実際にクローン病を患っている成田賢壱さんという人が、僕もインタビューをしたことがあるのですが、今はアメリカ在住で、自身で向こうで大麻治療をしていると。そして、自分もそれを結構強気に発信しているのですが、そういう人の声というのはやっぱりマスコミではあまり報道されませんよね。

長吉:されないですよね。でも、実際にそういう人たちはいっぱいいますし、成田さんのこともよく知っていますけれども。MSとか、筋肉がかたくなってきてしまう、あるいは、リウマチとか、そういう人たちも実際に吸うと治るんですよ。それはもうどこかでお金を出して買うのではなくて、その人たちが自由に育てて、それを吸えばいいだけの話なんです。だから、そういう意味では医療用大麻というのはないのかもしれないですね。

武田:だから、医療用大麻なんていう言葉が出てくるのは、日本のテレビの地上波は、ニコニコ生放送と違ってタブーを放送しないからですよ。タブーでもなんでもない。別になんでもないのに放送しないから、なんとなく「大麻っていうのは麻薬だろう」とか誤解が蔓延してしまうだけで、ある意味で地上波がつくり出した幻ですからね。

長吉:アメリカは大麻をディスペンサリーで売っていますよね。あんなことなんて必要ないんです。わざわざ僕らがお金を出して、ディスペンサリーに行って医療用大麻として買う必要もないんです。そうじゃなくて、僕らが育てるか、普通にそんなところに金をかけて税収が上がるような仕組みに参加する必要はなくて、年寄りでも、「おばあちゃん、これ1鉢やってあげるよ」って言って、隣の人が植えてあげればいいだけなんです。吸えばいいんです。食べればいいんです。

モーリー:長吉さん、もしその方法論に徹していたら、アメリカでもたぶん解禁されなかったような気がします(笑)。お金が欲しくて通したわけだから。事情として、政治的な立ち回りで。

長吉:もちろん。

モーリー:活動家は40年間、人道的な見地、人権の見地から散々言ったけど、言ってはつぶされまくっていたわけですよね。

長吉:でも、実際にスペインは、それで、組合でつくって吸っていますよね。

モーリー:なるほど、そうなんだ。

武田:人道的立場から政治が動くような時代にいきたいものですね。

モーリー:なりたいですよね(笑)。

武田:お金で動く世の中じゃなくてね。アメリカがたとえそうでも、日本はやっぱり誠実さとかで生きる日本になりたいものですよ。

モーリー:誠実さで(笑)。

武田:そう。あなた、諦めていない?世の中は全部金で動くって。

モーリー:金だって。

武田:僕は諦めていませんよ。

モーリー:諦めていないんですか?

武田:はい。世の中は誠実さで動くと、日本だけはそうだと言い続けております。

モーリー:すごい。大麻の解禁も日本は誠実な討論で動かせると。

武田:もちろんですよ。そうじゃなかったら、日本人は価値がないじゃないですか。日本人はそれが価値だからね。

モーリー:なるほど(笑)。

武田:誠実さが価値ですから。金儲けはちょっとアメリカ人に負けるかもしんないけど、プロ野球だって、アメリカのプロ野球の選手が稼ぐのはすごいからね。

(一同笑)

モーリー:わかりました。それでは、今医療というのに触れたんですけど、次に、より核心的に、嗜好品としての大麻に切り込んでいこうと思います。またフリップを用意しました。(http://live.nicovideo.jp/watch/lv234565160?po=newsinfoseek&ref=news#41:47)ここ数年で、ウルグアイ、アメリカのコロラド州、ワシントン州など、相次いで大麻の利用が完全に合法化されております。タイムラインを見ますと、2013年の12月、本当にごく最近ですよね。まだ2年たっていない。ウルグアイ、これはムヒカ大統領という人が、しかも、彼はもともと左翼ゲリラでテロリストだった人なんですよ。その人が社会派の大統領になって、Gパン大統領、世界で一番貧しい大統領が解禁してしまった。2014年の1月、アメリカはコロラド州が合法化、そして、7月ワシントン州、ことし15年の2月はアラスカです。そして、さらに同じ2月にワシントンDCでも、ホワイトハウスのすぐ近くまで合法化されました。

 これを民主党政権なんですけど、オバマ政権、共和党が嫌がらせして妨害しようとして、DCへの財源を遮断するっていう動きに出たんですよ、政治的な動きとして。「こんなものを合法化するのは許せない」と。だから、議会でワシントンDCの今年度予算を提出するっていう意地悪、嫌がらせをしたんですよ。DCが訴えて勝った。結局、流通しています。そして、ことしの7月、まだ2カ月前ですね。アメリカのオレゴン州でも合法化されているというわけなんですね。

 今述べましたように、ヨーロッパ諸国では合法ではなく非犯罪という、ちょっと微妙なバランス。そして、アメリカのこういった州では、場合によっては医療目的に限り合法ということだったんですけれども、ことしに入って続々と完全合法化した場合は嗜好品としても認められていると。長吉さん、この完全合法化に向かった州なんですけれども、どういう背景とか、どういう意図でこういう法律は決まったんでしょう?

長吉:基本的には、さっき言った税収ですよね。

モーリー:お金が決め手。真心じゃなくてお金。

長吉:お金が決め手。真心じゃなくてお金。嗜好用とか、医療用とかっていいますが、医療用がオッケーになったら嗜好用で禁止する必要はないわけですよ。だって、危険じゃないんだもん。

モーリー:それに、医療用っていうのも、ほぼさっきの『スーパー・ハイ・ミー』に出てきましたけども、「頭が痛いんだ、偏頭痛だ」って自己申告すればお医者さんがゆるく書いてくれて、そこから先はざるだから、基本的に嗜好ですよね。

長吉:うん、嗜好です。嗜好ですというか、要するに。

モーリー:ライフスタイル。

長吉:そう。ライフスタイルであり、予防医学みたいなものなのかもわからないですけどね。

モーリー:なるほど。

武田:嗜好ってことになると、今度は医療と違ってもっと民族性が出てくるんですよ。

モーリー:民族性?

武田:そう。嗜好っていうのは民族によって大きく違います。だから、民族が違うのに、嗜好が、アメリカが合法化されたから日本がどうのっていうのは、それはダメなの。日本は日本の嗜好でいかないと。それで、その一例がアヘンです。アヘンは隣の中国はアヘン戦争があったぐらいアヘンが蔓延したんですよ。

モーリー:しましたね。

武田:もちろん、アヘンは中国ばかりじゃなくて、隣の日本にもどんどん来たんだけど、日本人はアヘンが嫌いなんですよ。吸わないんですよ。それで日本には入ってこなかった。イギリスががんがん売ってきても、日本は入らない。中国はどんどん買う。だから、中国では戦争が起こったぐらい。

モーリー:アヘン戦争。

武田:ところが、日本人はアヘンを吸わない。なぜかっていったら、日本人は落ち込む民族だから、落ち込む麻薬は吸わないんですよ。それで、日本人が使用する麻薬は、全部ハイになる麻薬。

モーリー:覚醒剤とか。

武田:違う。お酒、たばこ、コーヒーですよ。これは全部麻薬だからね。これは麻薬に決まっているじゃないですか。精神撹乱作用。

モーリー:依存性もある。

武田:依存性もあるし。

モーリー:毒性もある。

武田:毒性もある。お酒とたばことコーヒーだけが、日本人の麻薬なんです。ほかの麻薬は次々入ってくるんですよ。大麻もそうだし、大麻は麻薬じゃないけど、弱いんだけど。それから、ヘロインも入ってくる、アヘンはがんがん入ってくるんですよ。全然吸わない。なんでかっていったら、もともと落ち込むので苦労しているのに、ますます落ち込んじゃうんですよ。だから、日本人は気持ち悪いから吸わないの。それで、このお酒とたばことコーヒーってやつは、コーヒーは後からですけど、たばこは日本で歴史的に、2000年で2回規制されているんですよ。やっぱりみんなが吸いたいから。

 ところが、アヘンの規制も大麻の規制もないんですよ。だから、これはやっぱり民族が、落ち込む民族とチアな民族とで違うんですよ。これは麻薬の世界地図ってあるんですよ。世界地図はその民族の気分と麻薬の使用の種類が決まるんです。だから、アメリカ人はややハイなんですよ。だから、マリファナとか、ヘロインとか、あれがないと抑えられないところがあるの。南米はもっとそうなんです。南米の人は少し気分が落ち着く麻薬を使わないと仕事にならない。すぐ外に行って裸で踊りたくなっちゃう。だから、麻薬っていうのはそういう生活とか民族とつながっているもので。

モーリー:なるほど。

武田:世界と比較しちゃいけないんですよ。白人中心って、白人は白人なんだから。中国人は中国人だし。

モーリー:日本人はコーヒー、お酒、たばこという麻薬に、大麻は加わりますか?

武田:加わりません。

モーリー:加わらない?

武田:だけど、大麻を好きな人もいるんですよ。大麻っていうのは、お酒、たばこ、コーヒーよりか麻薬性としては弱いからね。だから、別に大麻を解放したって、わずか1万人に1人ぐらいは吸うかもしれないけど、全然社会的な影響はないですよ。

モーリー:薬局に置いといても、全然品物が動かないと。

武田:いや、品物が動かないっていうか、マニアは買いに来る。ただ、数は少ない。酒は7割の人が飲む。だけど、酒とかたばこに比べて、大麻のほうがずっと麻薬の薬効は低いから。だけども、吸いたい人はいますからね。分布はありますから、白人的な人っていつでもいるから。その人たちが吸うだけですから、社会的な影響はないですよ。

モーリー:なるほど。

武田:あとは、大麻を日本が吸い出したのは、大麻取締法ができてからなんですよ。

長吉:そのとおりです。

武田:違う?

長吉:基本的にはそうですね。社会的に吸い始めたのは。

モーリー:つまり「禁止したということはおもしろそうだな」っていって吸ったってことですか?

長吉:そういうことです。ただ、その前に木こりが吸っていたりとか、麻酔いという言葉があったりとかっていうことはありました。実際に国産のものっていうのはTHCが低かったので、ただ、吸えばそれなりだったり、あと、虫除けになるので、全部おがらを、バッツの部分を最後いろりで燃やすんですね。その間にみんな盆踊りとかに行くんですけど、モクモクになってハイになって、月夜の晩で踊ったとかっていうような話もあるらしいですね。

モーリー:欧米ではクラブカルチャーといって、大麻に限らず、いろんな薬を体内に入れて上がった状態で踊りまくるっていうのがあるんですけど、日本は歴史的にそれをずっとやっていた?

長吉:やっていたんだけど、基本的にたばこの代わりとか。

(つづく)

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・ニコニコドキュメンタリー - 公式サイト
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