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ニコニコ生放送「あなたが知らない食の世界 ~TPPで変わる?日本の食卓~」(2015年10月31日放送)全文書き起こし(3)

ニコニコニュース / 2015年11月6日 17時0分

ニコニコニュース

 「ニコニコドキュメンタリー」では2015年10月31日(土)20時から、アメリカの巨大食品会社の暗部に鋭く切り込んで話題となった「フード・インク」を、ニコニコ生放送で配信しました。

 本ニュースでは、生放送後におこなわれた作品をテーマにした解説番組「あなたが知らない食の世界 ~TPPで変わる?日本の食卓~」の内容を、全文書き起こして紹介します。

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※出演者=話者表記
松嶋初音 (司会)=松嶋
鈴木宣弘 (東京大学大学院教授)=鈴木
速水健朗 (ライター/編集者)=速水
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松嶋:それはきっとそうですよね。わかりました。『フード・インク』のフードシステムやモンサントが日本とどのような関係にあるのかっていうのについて考えていきたいと思うんですけれども。『フード・インク』の世界では、大量消費・大量生産のために効率化を極めた肉の生産というのが行われておりましたけれども、日本では肉の消費がどのように変わってきたのかと番組で調べてきましたのでご覧いただきたいと思います。(http://live.nicovideo.jp/watch/lv239257943?po=newsinfoseek&ref=news#55:24)こちらは1960年から現在までの日本人の1人当たりの1年間に何キロ肉を食べたのかというグラフです。1960年、バーッとなっておりまして、緑色が鶏肉、豚肉、牛肉っていう順になっているんですけれども、年々多くなってきているという感じですね。1960年、日本人は1年間に3.5キロ食べていました。それが2013年、1年間に30キロの肉を食べる、およそ10倍になっていますと。牛が1キロから6キロぐらい。豚肉が1キロから12キロ、鶏肉は1キロから12キロということで、軒並み増加しているという感じですね。当然増えた肉というのは、国内だけで作っているわけではないんですね。こちらは日本の食肉の自給量なんですけれども、牛は42%が国産ですね。豚は大体国産が51%。(http://live.nicovideo.jp/watch/lv239257943?po=newsinfoseek&ref=news#56:15)『フード・インク』でも登場しましたアメリカ産の牛肉・豚肉がその不足分を埋めるような形になっておりますので、このような形になっているという感じですね。牛肉は87トンの中のこのパーセンテージですね。豚肉は169万トンの中の、という感じですね。一方、番組冒頭でもクイズでお出ししたんですけれども、こちらの表はトウモロコシ・大豆の輸入量と、その国でどれぐらいの割合で遺伝子組み換えがつくられているかということなんですけれども、トウモロコシが国産、生のトウモロコシは別なんですけれども、国産は0トンですね。(http://live.nicovideo.jp/watch/lv239257943?po=newsinfoseek&ref=news#56:53)輸入が1503.6万トンという感じなんですけれども、かなり輸入量としてはこんな感じですね。かなりの量が輸入されてきています。米国、ブラジル、ウクライナ、その他という感じなんですけれども、シェアとしては先ほども説明しましたとおり、83.6%が米国産のものだという感じですね。こちらは遺伝子組み換えですね。もうほとんどが遺伝子組み換えのものですというのがわかります。タブレット的な何かは慣れていないんで(笑)。大豆も、なんと、これは私はちょっとびっくりだったんですけれども、自給率は6%で、国産の23万トンに対して輸入が282万トンということで、大豆も結構な割合で外国産というか。米国産のものが65%ということで、大豆って「そうでしたっけ?」っていう感じがするんですけど。

鈴木:そうですよね。これはもうアメリカから戦後すぐに、アメリカの大豆・トウモロコシを日本でもっと消費するようにという戦略のもとで、まず関税撤廃をするように言われたんですよね。それで、日本人の主食的な側面もある大豆ですよね。

松嶋:そうですよね。

鈴木:必ず我々が食べるものですよね。

松嶋:豆腐だとか、納豆だとかっていう。

鈴木:そうそう。だけど、これが面白いのは、日本人が遺伝子組み換えが心配だっていう話をしたら、2008年にアメリカの農務省の幹部の方が「何言っているんだ。あんたたちが世界で一番遺伝子組み換えの大豆・トウモロコシに依存しているじゃないか」と(笑)。

松嶋:ぐうの音も出ないやつですね(笑)。

鈴木:穀物協会の幹部の方はこう言ったんですよ。「大豆・トウモロコシは餌だから、人間が食べるものじゃないから遺伝子組み換えにしていいんだ」って。「小麦は我々が直接食べるから遺伝子組み換えにはまだしないんだよ」って。「じゃあ、我々は何だ。大豆をこんなに食べているぞ」という話ですよ。

(一同笑)

速水:騙された感がありますね(笑)。

鈴木:えらいことを言っているなっていう話ですよね。

松嶋:そうですね。

鈴木:ついでに言うと、今度TPPに絡めて、アメリカは日本人の食べる小麦も遺伝子組み換えにしたいと、次は米だということで、TPPに絡めて表示ができないようにして遺伝子組み換えかどうか分からなければ食べざるを得なくなるようにして、それで日本人が食べる小麦ももう遺伝子組み換えが準備されていますので。

松嶋:えー(笑)。

鈴木:実際にモンサントさんとか、巨大穀物商社さんが言っているのは、全農という、日本の農産物流通をやっている協同組合の子会社がアメリカのニューオリンズで遺伝子組み換えじゃない穀物を分別して、そういう農家と契約して日本に一生懸命遺伝子組み換えじゃないのを入れているんですよね。それがけしからんから、全農グレインを買収しようとしているんですよ。ところが、協同組合の子会社なので買収ができないと。それでアメリカからTPPに絡めて言われたのが、「農協解体だ」と、「全農を株式会社化しろ」と。そうすれば、親会社の全農もろともアメリカの。

松嶋:買収できちゃうという。

鈴木:巨大な会社が買収するという計画も今進んでいるんですよね。

松嶋:ますます日本の畜産というか農業っていうのは本当に大丈夫なのかなっていう心配があるんですけれども、成長促進剤は禁止だけど、でも海外で成長促進剤を打った牛だとかそういったものは日本に輸入していいですとか、あと日本では使わないものっていうのがアメリカ産として入ってきているとか、それはEUでも禁止だとか、オーストラリアでは二面外交をされているっていうところもあると思うんですけれども。大量消費をしている、大量生産をしている、このスタイルっていうのはもともとアメリカの伝統芸といっても間違いではないんですよね?

速水:これ自体は、もちろん一番大きいのは1930年代ぐらいから既にもう始まっているという意味で、もう80年ぐらい。それこそ自動車で大量生産を始めたのが1920年代だとすると、そこからモータリゼーションが始まり、そのタイミングでアメリカの全国にスーパーマーケットが誕生するんですよね。そこに送るためのモータリゼーションでトラックもつくられるわけですし、いわゆる需要というものが先にボーンと、スーパーマーケットであるとか、需要をつくるためのインフラができましたっていうときに、じゃあ食も大量生産できるよねっていうことで工場生産品になる。これはアントニオ・ネグリっていうイタリアの左翼思想家が言っていることなんですけど、ちょうどその当時ソビエトでは計画経済で、いわゆる工場製品のように農作物をつくり始めた。それこそ当時のソビエトでいうと、今のウクライナのあたりってものすごい農業、穀物地帯だったりする。さっき日本でも輸入のトウモロコシが多かったですけど、あの辺とかで大規模計画経済の農業をやるわけですよ。同じ時期にアメリカでは、そういうようないわゆる大量生産、アメリカ的な消費社会の誕生が同時にあって、これはもう右も左もっていうか、ソ連もアメリカも同時にやっぱりものすごく食の大量生産を始めた。これは悪いことだけじゃないんですよ。それがあることで、貧困層とか、おしなべてみんな食べられるようになった時代でもあるんですよね。ここからものすごく人口も増えるし、食が安くなるってことは最初のほうに言ったようにいいこともある。だけど、今その弊害が間違いなく起きていますよねっていう危機感とともに。けど一方で、そのカウンター勢力ももちろん出てくるわけで、あまりにも工業化された食に対するアンチが生まれてきたのって1970年代、アリス・ウォーターズっていうアメリカではものすごく有名なレストランの経営者の女性なんですけど、彼女は自分のレストランで出す野菜とかお肉とかを、サンフランシスコなんですけど、近所の農家と契約して、「うちは農薬とかを使わないものが欲しいから、そういうのを作ってくれ」って言い張って個人から始めたところから、オーガニックっていう流れはそこから生まれてくるんですよね。今言う地産地消みたいなものもそこに含まれているし、いわゆる大型農業、大規模工業製品としての食糧みたいなものに反発する動き。彼女はすごい名言を残していて、「食べる事というのは政治的な事である」っていうふうに言っていて、彼女は直接政治家になるわけではないんですけど、やっぱり食、近くで採れたものを、農薬を使わないで作ったものを食べるんだっていうことを選択肢として出してきた。それをする事で、大規模に工業化した農業っていうものに対する対抗っていうのを少しずつ始めたら、今結構そっちが大きい産業になった。例えば日本でいうと、僕は必ずしも有機農法だけが素晴らしいよって言うつもりはないですけど、統計によって違うんですけど、有機農法って全体の農作物の中の0.3%とかかな、0.6%とか言われているのかな、ぐらいしかないんですけど、アメリカではもうそれの何倍も、いわゆる全体における有機農法ってもう1つの産業として重要な、無視できない規模になっているんですよ。面白いのは、もう3、4年前でしたっけ?ニューヨークで「オキュパイ・ウォール・ストリート」っていう、いわゆる格差反対、「自分たちは99%である」っていうデモ運動が起こった時に、そこに対して支持している全国のアメリカの有機農法の農家から食糧支援が来たんですよ。やっぱり彼らは非常に自分たちの政治的な、いわゆる平等社会を実現しようとか、一部の金持ちだけ、それこそモンサントとかも含めて独占企業みたいなものに対して反発するときに、やっぱり彼らが支持するっていうことは非常に政治的な意味を持って有機農法をやっているみたいな。日本では全然そういう状況ではないんですけど、食にまつわる問題意識を持っている人たちが立ち上がり、一つの新しい市場を作るっていう流れはできているっていうことですね。

松嶋:そういう需要がもとになって、例えばスーパーとか、自動車とかが発展してきましたけど、それと同じく、需要があればやっぱりそういったオーガニックですとか、安全性のあるものっていうのがある意味もうちょっと大きく成長してくるっていうことも。

速水:日本だとまだ難しいのは、オーガニックって言葉が持っている、例えば化粧品のジャンルでいうと、オーガニック化粧品って高いものじゃないですか。

松嶋:そうですね。

速水:めちゃくちゃ高いじゃないですか。

松嶋:はい。

速水:なので、一部の富裕層のみに許されている贅沢になっているところがありますよね。

松嶋:それはすごくありますよね。

速水:そうすると、本来食は安く提供されたほうがいいっていうところとは別に、富裕層向けのマーケットになってしまう。これは実はアリス・ウォーターズも同じことを経験して、そうじゃなくするためにはどうすればいいんだっていうようなことをずっと試行錯誤してやってきたっていう歴史があったり、日本だとまだちょっとね。

松嶋:言葉の持つイメージというのがやっぱりとても強くて、「オーガニック志向だ」って言うと、ちょっと意識が高い系の人というか(笑)。

速水:VERY妻な感じがどうしてもしてしまいますよね(笑)。

松嶋:そう(笑)。「お金を持っているんですね」という感じがしちゃったりとか。

速水:「富ヶ谷に住んでいるんですね」みたいな感じがどうしてもしちゃう。

松嶋:そうなんですよね。私はオーガニック系の化粧品を使うと基本的に肌が拒絶するタイプの、化学薬品ばっちこいなタイプの肌なので、300円ぐらいのもののほうがしっくりくるんですよね(笑)。

(一同笑)

速水:エコノミーでいいですね(笑)。

松嶋:ちょっと背伸びしたこともあるんですけども。ちょっとアンケートを採ってみたいと思うんですけれども、こちらです。ちょっと見てみましょうか。今までの話の流れなんですけれども、例えばどっちを買うかというアンケートを採りたいと思います。アンケートはこちらです、どん。皆さんがスーパーとかに行きましたと。そのときにお肉だとか、そういったものを買いますといったときに、国産はちょっと高いですよね。高い国産のものを買うのか、安い外国産のもの、牛肉とかで考えていただければと思うんですけれども、「安い国産」って書いている方もいらっしゃるんですけれども、私もそれが一番いいなとは思いますけど(笑)。どっちを買いますかと。最近は努力している安い国産も出てきてはいるんですよね。

速水:「安い国産」、「安い国産」って、そりゃあね(笑)。

松嶋:そうなんですけど(笑)。

速水:あればそうだけど。

松嶋:こうなってしまったという形で、もしそうなったときどっちを買うかという感じですけれども。結果が出ましたかね。結果を見てみましょう。結果はこちらです、どん。割れたって感じですけれども、「高い国産」っていうのが55.8%でやや多いという感じですよね。買えるのであれば、高い国産を選びたいというところが本音というか。

速水:今の時点で高い、安いといっても、そんなに倍違うってわけじゃないじゃないですか。

松嶋:そうですね。

速水:けど、これから先、TPPが進むともっと格差が広がる可能性があるわけですよね。そのときどこまで高い国産が過半数を維持できるかっていうのはまた違ってくるでしょうね。

松嶋:本当そうですね。例えば、国産はグラム200円ぐらいだけど、例えば外国産が50円とか60円とかだったら、「どっちを買うか」って言われたときに(笑)。

速水:4倍、5倍になっていくと。

松嶋:もう「あっ」って言って、取っちゃいそうな気はするんですよね。心の葛藤はあるかなっていう感じはするんですけど。

鈴木:でも、このままだと高い国産がどんどん縮小して、もう選ぶ余地がなくなるかもしれません(笑)。

松嶋:怖い話をしますね(笑)。

速水:市場が縮小するってことは、もう本当に高いブランドの国産牛しか出ないような状況、しかも少数。

鈴木:非常に少数の方の...。

速水:となると、もう富裕層しか買えないことになってしまう。

鈴木:そう。そういうものに国産が位置づけられてという(笑)。

松嶋:なるほど。

鈴木:そうすると、国産のほうが安全だと思っている人でも、やはりそれはもう選ぶ余地がないと。

速水:選べなくなる。TPPに対する議論としては、いわゆるブランド化して、「国産ブランドを世界に売り出すチャンスなんだから、ブランド化しろ」っていう議論もありますけど、ブランド化するっていうのはそういうことでもあるってことですよね。

鈴木:そうですね。

松嶋:ちなみに、例えば今の話の流れですと、外国産は危ないというか、この『フード・インク』からも考えられることなんですけど、もし海外産のものが安全だとしたらどうなのかなという感じがするんですけれども、それについてはどうですか。

鈴木:「海外のものは安全じゃないから国産にしよう」という議論をしてしまうと、結局「安全になったらどうするの?」という事なんで、そこはもう一つの安全っていうことがあると思うんです。質の安全の話を今しているけど、もう一つは量を確保するっていう安全保障ですね。食糧っていうのはまさに命に直結するものだから、いざという時に、例えば2008年の食糧危機みたいなのが起きた時に、日本でもお米が作れていなかったら、あの時にはお米の輸出規制が起きて、例えばハイチやフィリピンではお金を出してもお米が買えなくなって死者が出ているんですね。だから、そういう事が起こり得るっていうのが、やはり食糧の安全保障、量の確保はある程度国産で確保していなきゃいけないっていう。あと、例えばメキシコなんかも、メキシコはトウモロコシが主食ですけども、トルティーヤとかね。アメリカからの自由化要求で関税を撤廃しまして、アメリカから輸入すればいいんだと言われて、トウモロコシ農家がメキシコでどんどん潰れました。ところが、さっきの2008年、2009年の時には、アメリカは今度は「トウモロコシをバイオ燃料にする」って言い始めて、どんどんつり上げたわけですよ。結局、もうアメリカの安いトウモロコシに依存していればいいと思っていたら、これがもう買えなくなっちゃったわけですね。そうやってアメリカのそういう食糧戦略に振り回されているというような状況になると大変だなと。アメリカはまさに言っているんですよ。ウィスコンシン大学の教授が農家のお子さんたちの多い授業でこう言ったっていうんですよ。日本が標的なんです。「日本人が直接食べる食糧だけじゃなくて、畜産の餌穀物が重要だ。これを全部アメリカから供給すれば、これで日本人を完全にコントロールできる。これがうまくいけば、これを世界に広げていくのが我々アメリカの世界戦略なんだから、そのために皆さん頑張って作るんだぞ」って言っているわけです。日本は戦後、そのとおりに進められてきたわけですよ。TPPでそれが今完結編という感じになっているという事から考えると、やはり食糧を握られてしまうということの、量的な面での安全保障でね。

速水:だって、僕らは給食で、お若い人はもういわゆる米飯給食って。

松嶋:言うほど若くないです(笑)。

速水:米飯給食だったでしょう?

松嶋:はい。

速水:けど、日本で給食制度が始まったときって、もう完全に小麦、パンだったんですよ。僕は41ですけど、僕が小学校の頃から月1回ぐらいで、70年代末から80年代にかけてちょっとずつ米飯給食が始まるんですけど、基本的にはアメリカが当時、戦後、小麦を援助してくれていたんですよね。そこで給食制度ってつくったんですけど、子どもの時代からパンを食っていれば大人になってもパンを食うだろうっていう、いわゆる長期的に見た。アメリカは当時余剰小麦がいっぱいあったんで、これで30年、40年は安泰だなってことを含めての農業政策っていうのを、これは日本だけでなくてヨーロッパにもやっていたわけです。

鈴木:私はそれで教育された世代なので、まさに余剰小麦のまずいパンと脱脂粉乳ね。

速水:脱脂粉乳は、僕もさすがに食べたことがないですね(笑)。

松嶋:私もちょっと名前だけ(笑)。

鈴木:鼻をつまんで飲んでいましたけどね。あれじゃかえって嫌いになっちゃうんじゃないかなと思いましたけどね(笑)。

速水:確かに。みんな脱脂粉乳の悪口を言いますよね(笑)。

松嶋:なるほど(笑)。給食とか、子どものときから実はそういうことが植えつけられるという、それは最近私がちょっと興味がある水産系のサーモンの話もちょっと近いなということを感じたりするんですけど。なるほど。では、話をちょっと移動してきまして、TPPの話になっていきたいと思うんですけれども、今までの流れで、実はこのTPPの話はかなり重要な出来事が起こりつつあるんだなということが皆さんも、私も感じましたけれども、今月発表されましたこのTPP合意ということで、環太平洋パートナーシップ協定なんですけれども、TPPについてちょっとおさらいをさせていただきたいと思います。(http://live.nicovideo.jp/watch/lv239257943?po=newsinfoseek&ref=news#1:14:42)うまくできました。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)とは、環太平洋諸国における経済連携協定ですよと。参加国は日本、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどを含め12カ国です。関税とかサービスなどの自由化を進めまして、知的財産など幅広い分野でルール構築を目指していきましょうということで、今年10月に大筋合意ですというようなニュースも出ましたけれども、この自由化のレベルがかなり、極めて高いんではないかという事ですとか、この中でのGDPは世界の約40%ということで、日本もアメリカもカナダもオーストラリアも結構なものを持っているということですね。合意内容がどうなのかと、重要になってくるのはここですね。(http://live.nicovideo.jp/watch/lv239257943?po=newsinfoseek&ref=news#1:15:25)農林水産については81%関税を撤廃しましょうということで、先ほど牛肉がグラムいくらになったら、豚肉がグラムいくらになったらっていう話もしましたけれども、牛肉というのが今まで38.5%関税がありましたけれども、16年目には9%に、ごりごりに安くなるという感じですね。

鈴木:そういうことですね。

松嶋:豚肉も1キログラム482円というのが10年目にしては50円に、鶏肉は8.5%、11.9%というのが、これは2個書いてある。11年目に撤廃していきましょうと、11.9%から8.5%にしましょうってことですかね?乳製品も国による制度ですとか、高関税を維持しましょう、米は関税維持だけれども、無関税輸入枠を設けましょうと。野菜は6年目までに大半が撤廃されていきますよという感じなんですけれども、何だかすごい事が起こりそうな感じなんですけれども(笑)。

鈴木:そうですね。やっぱり大変ですよ。特に牛肉・豚肉、いろいろ話題になっていますけれども、その関税があそこまで下がると国内生産は激減する可能性があるわけです。

松嶋:本当にすごく差が生まれてしまうということですよね。

鈴木:そうしますと、アメリカの牛肉はエストロゲンとか成長ホルモンが、北海道のお医者さんが調べたら日本の600倍入っていたとか、それからラクトパミンは人間に直接の中毒症状も起こすということで、ロシアや中国もそんなアメリカの牛肉・豚肉は食べたくないので輸入禁止していると。でも日本ではそこは全くフリーなわけだから、今でも自給率が既に4割、5割ですが、さらに自給率が下がっていくと。そうすると、我々はそういうものを選ぶしかないと。それから、牛乳についてもモンサントさんが開発した遺伝子組み換えの牛成長ホルモンが1994年からアメリカでは注射されていまして、それがアメリカでも問題になってきて、発ガン性があるっていうことで、今ではスターバックスさん、ウォルマートさんもそういうふうな牛乳は使っていないよということを表示して売るようになっているんですが、今でも日本は輸入はオッケーなものだから、日本ではやっぱり禁止ホルモンなんだけど、アメリカでもそういうふうに問題になっている乳製品を禁止されている日本ではみんな知らずに今でも食べていると。だから、ハーゲンダッツのアイスクリームをおいしいって食べている方は...、あれは大丈夫です。

(一同笑)

松嶋:良かった。好きなんです。特売のときはすごい買うんです。

鈴木:日本の牛乳で作っています(笑)。アメリカから直接輸入している物については、そういう可能性もあるという事で、またそういう乳製品もどんどん増えると。これが自由化の1つの側面だということですね。やっぱり食の安全からすると、そういう情報がもうちょっと共有されると消費者の行動も変わってくるのかなという気がしますけどね。

松嶋:これは話が行ってこいになってしまうんですけれども、例えば「そういう成長ホルモンを打ってないぞ」というふうにしていたとしても、例えば国産のものが安全みたいなのっていうのも、例えば国産の牛とか豚とかが食べている飼料っていうのは外国産のもので結局危ないんじゃないかというか、「安心できないよね」っていうコメントもあったりするんですけど(笑)。

鈴木:そうそう。要するに、遺伝子組み換えのトウモロコシをやっぱり食べているわけだから、そこが問題だといえば、日本の物も結局どうなのっていうところまでいっちゃうわけですね。

松嶋:そうですよね。血となり肉となりというか、ミルクなんてほんとに直接的な物だなという感じもしてしまいますし。

鈴木:そう、だからそこは難しいんです。

・[ニコニコニュース]「あなたが知らない食の世界 ~TPPで変わる?日本の食卓~」全文書き起こし(1)~(4)
http://search.nicovideo.jp/news/tag/20151031_あなたが知らない食の世界_~TPPで変わる?日本の食卓~?sort=created_asc

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]あなたが知らない食の世界 ~TPPで変わる?日本の食卓~ - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv239257943?po=newsinfoseek&ref=news
・ニコニコドキュメンタリー - 公式サイト
http://documentary.nicovideo.jp/

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