『百姓貴族』漫画家・荒川弘「農家の実態、笑い飛ばして」
ニコニコニュース / 2012年2月24日 12時0分
『鋼の錬金術師』、『銀の匙 Silver Spoon』などで知られる漫画家・荒川弘さんは、身長168cmの記者よりも、さらに背が高かった。農家の実態を笑いを交えて描いた作品『百姓貴族』で、牛乳を飲めば身長は「伸びる(荒川調べ)」と述べているだけはある。
東日本大震災と福島第1原発事故の発生以降、特に注目が集まる野菜や牛乳。畜産農家の娘として育ち、農業や農産物をテーマにした作品を描き続ける荒川さんに、今この状況をどのように見ているのだろうか。2012年2月25日の『百姓貴族』2巻発売を前に話を聞いた。
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■震災のあった昨年は「気づき」の年だった
――『百姓貴族』や農業高校を舞台にした『銀の匙』で、農業を扱ってきた荒川さんから見て、東日本大震災以降の1年はどのような年でしたか。
私は今、関東に住んでいるので特に強く感じたのですが、首都圏に住む人が、食料面で東北地方に頼っていたということが表に出てきた年でした。東京都って食料自給率が1~2%なんですが、震災以降は誰もが産地や流通ルートを意識するようになって、良いところも悪いところも出てきた感じがします。電力にしてもそうです。そういう「気づき」の年だったのではないでしょうか。
――農家で育った荒川さんとしては「今さら感」があったのではないですか?
「農家以外の人は知らなくても仕方ないよなぁ」と思って見ていました。『百姓貴族』を描いているのも、別段、拡声器を持って農家の実態を訴えなければならないとか、そういうことを考えていたわけではないんです。ただ、笑い飛ばしてもらえればいいと思って描いています。
――その『百姓貴族』ですが、「百姓」という言葉を用いたのはなぜですか?
「このタイトルで、よく(出版社の)OKが出ましたね」と、言われます。メディアには暗黙の了解があって「百姓」という言葉を避けているようです。ただ、百姓が自ら百姓だと言う分には問題がないらしいとわかって。ほかにゴロが良くてかつ内容を的確に表現できる言葉が見つからなかったので『百姓貴族』としました。
「貴族」の部分は、野菜や農作物については湯水のように手に入る。でも金はないという。ある一部分においてリッチという意味です。「ご飯がなければパンを食べればいいじゃない」という、浮世離れしたような感覚ですね。タイトルについてはいろんなところで聞かれるので、今度発売される2巻のカバーをめくった表紙にも描いています。
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