「満員電車のトラブルを自分たちで解決できれば日本が変わる」 漫画家・しりあがり寿<インタビュー「3.11」第8回>

ニコニコニュース / 2012年3月9日 11時44分

漫画家のしりあがり寿さん

 『真夜中の弥次さん喜多さん』『流星課長』などの作品で知られる漫画家・しりあがり寿さんは、その独特の作画や言い回しのギャグ漫画で親しまれ、時事問題に鋭く切り込むことでも有名だ。文化庁主催の「メディア芸術祭」では、独自の視点で震災や原発を描いた『あの日からのマンガ』で2011年度マンガ部門・優秀賞を受賞している。

 東日本大震災が起きた「あの日」からまもなく1年が経とうとしている今、こうした震災をテーマに描いた漫画の裏側に作者のどんな思いがあったのか、改めて聞いてみた。すると、そこには作品や震災に向きあう、しりあがり寿さんならでは考えや葛藤があった。そして、しりあがり寿さんが「日本が変わる」復興のキーワードとして挙げたのは、驚いたことに私たちが普段目にする「満員電車」だった。

・東日本大震災 3.11 特集
http://ch.nicovideo.jp/channel/311

(聞き手:大塚千春)

■被災地ボランティア「ムズムズするなら、とにかく行ったほうがいい」

――しりあがり寿さんの作品『地球防衛家のヒトビト』には、登場人物が「被災地でボランティアをする」様子が描かれていますが、こうした表現の背景には何があるのでしょうか?

 これは自らの体験をもとに書きました。描いてあることは本当にあったことばかりですよ。というより、現実にあったことしか描けなかったね。

 もともと僕はボランティアとか縁のない性格で・・・。よくないとは思うんだけど、照れちゃってダメというか・・・。でも、「地球防衛家のヒトビト」に登場するキャラクターって、正義心の強い人なわけです。だから、ボランティアについて描かないわけにはいかないし、そのためには自分が行かないわけにはいかない、と思って。

 それで、どうしたら被災地へボランティアに行けるかと考えたんだけど、たまたま高校時代の友人が岩手でボランティア活動をやっていて、連絡をしてみたら「何の手伝いもできなくてもいいから、とにかく来て、いろいろ見て伝えてくれるだけでいい」と言ってくれたんですよ。

――被災地でのボランティア活動はいかがでしたか?

 (2011年)4月に太平洋沿岸で津波被害の大きかった大槌町(岩手県)に行って、避難所訪問・絵描き教室・避難所の掃除などをしました。もちろん、まだ新幹線も動いてない時期でしたし、ちょっと不安だったんです。

 ただ、ちょうど僕が行く前の週かな、静岡に住んでいる義理の弟が、岩手までボランティアに行ったというのもありまして。道路も通ったばかりの時期だったかな・・・「静岡おでん」100人分を持って。勇気づけられましたね。

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