記者の取材活動が萎縮する!? 政府が準備する「秘密保全法制」とは

ニコニコニュース / 2012年4月16日 18時14分

西山太吉氏

 「秘密保全法制と情報公開」について考えるシンポジウム(主催:日本弁護士会連合会)が、2012年4月13日に開かれた。シンポジウムには、沖縄返還の密約をめぐる外務省機密漏えい事件を描いたドラマ『運命の人』(TBSテレビ)の主人公のモデルで、元毎日新聞記者の西山太吉氏らが登壇し、政府が国会への提出を急いでいる「秘密保全法制に関する法案」(秘密保全法案)の背景や、その危険性について語った。

 外交や軍事などに関する"国家機密"の漏えいに対する罰則強化を骨子とする秘密保全法案。2011年8月に開かれた「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」が取りまとめた報告書を受け、政府は国会への提出を準備している。

 外交や軍事に関する機密情報の保護は、国家の安全保障の観点から欠かすことはできない。しかし一方で、秘密保全法制の整備によって、1971年の沖縄返還協定の"密約"のような情報が「特別秘密」の指定を名目に秘匿され、マスメディアなどの取材活動を萎縮させてしまい、ひいては国民の「知る権利」が侵害される可能性がある。

■"日本の機密情報"は"アメリカの機密情報"

 シンポジウムでは、かつて沖縄返還の密約をめぐる外務省機密漏えい事件で有罪となった西山氏は、政府がいま秘密保全法制の整備を急ぐ背景について、

「今まで数十年間"機密"と言われてきた内容は、99%と言ってもいいぐらい、日米同盟に関する機密事項だ。(政権交代後に日米同盟を見直す)チャレンジが失敗し、外務・防衛官僚が復権し、日米同盟に関するキャリー(運用)の仕方が完全に元の鞘に戻った。それと同時に、機密保全の問題が頭をもたげてきた」

と分析。西山氏はさらに、「アメリカの要請を受けて陸上自衛隊につくられた中央即応集団は、在日米軍のキャンプ座間の傘下に入っている」「航空自衛隊総隊指令部は、横田の在日米軍第6軍司令部と一緒になっている」とした上で、

「アメリカの機密と日本の機密には境界線がない(ということだ)。軍事機密も外交機密も、日本の自衛隊と在日米軍との間には境界がない。日米軍事同盟の実態は、完全な共同体に近い。機密というものは、"自衛隊の機密"は"アメリカの機密"であり、"アメリカの機密"は"日本の機密"になる」

と述べ、秘密保全法案の制定を政府が目指す背景には、アメリカの軍事・外交戦略に日本政府が協力・従属している構図が関係しているとする見解を述べた。

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