現役の漫画家が答える 「人気漫画の映画化が成功する4パターン」って?
ニコニコニュース / 2017年1月27日 11時0分
2017年は『銀魂』『ジョジョの奇妙な冒険』『鋼の錬金術師』といった、超人気タイトルの上映が決定。過去には大ヒットを記録した作品も多く存在するにもかかわらず、情報が解禁されるたびに、原作ファンからは映画化に対するネガティブな声が相次いだ。
1月18日配信の『山田玲司のニコ論壇時評』では、現役の漫画家・山田玲司氏が『実写化が失敗する3つの理由』に続き、『映画化で成功する4パータン』を解説。「語らせたら朝まで止まらないような人に、映画を任せるべきなんだよ」と持論を展開した。
■関連記事
現役漫画家が答える「人気漫画を実写映画化すると失敗する3つの理由」って?
すべての写真付きでニュースを読む
成功例その1~幸福な庵野型
山田:
漫画の実写化にはだいたいこんなパターンに分かれがちみたいなのがあって、1個目が「幸福な庵野型」です。ヒデの話をしてるけど......。
乙君:
ヒデっていうのは、庵野さんね。庵野監督ですね。
山田:
ヒデ、ゴジラすごい詳しいから。
一同:
(笑)
山田:
あいつ愛してるから、ゴジラを。だから、あいつにゴジラを任せたら、そこら辺のつまらないゴジラじゃないよなって。
どういうことかというと、原作のものすごいファン。原作に育てられた人っているんだよ。そういう人が、一端のクリエイターになったときに、「俺病」を抱えてても面白いものになっちゃう。
乙君:
ああ、リスペクトが半端ないから。
山田:
しかも、詳しいんだよ。円谷も知ってるし、その時代も知ってるし、最初の『ゴジラ』が何を言わんとしていたかってのも、全部本質的に掴んでて、語らせたら朝まで止まらないような人に、映画を任せるべきなんだよ。
それが、『シン・ゴジラ』の成功なんだよ。これが、平成ガメラとか、ライダーシリーズなんかにも起こっていると思う。作り手がそもそものファンですっていうのがいいなっていう。
成功例その2~職人型
山田:
次が「職人型」。まさにこれが片渕監督がやったことで、『魔女の宅急便』で、降ろされたみたいな歴史から、今回のタイミングまで、日の目を見なかった人ですけど、実はこの人は、自分というものを出すことよりも、何を見せるべきか? っていうことをちゃんと考えてたって人。
この片渕チューニングのおかげで、あの作品は成功したっていうのはあるんで、これは中々大きくて、こういう職人たちって、大人の仕事だよね。これは、何かっていうと、作家を尊敬しているんだよ。やっぱり、そして作品を愛しているって、これ当たり前のことなんだけど、意外とできない。
成功例その3~三池型
山田:
で、後もう1個、ご存知「三池崇史型」。これは、三池さん本人に聞いたんだけど、「俺みたいな奴らばかりじゃダメだよね。」って、言ってましたから(笑)。
一同:
(笑)
山田:
これ、どういうことかというと、三池崇史に任せると、予算内と期間内に、ある程度のクオリティのものを絶対に作ることができるから、この人だったら、『ヤッターマン』任せても大丈夫! みたいな。
乙君:
すごいよね。作品の幅が。
山田:
そうなんだよ。だから、『CASSHERN』もね。三池崇史がやったら、当たってたかもしれないよ? 当たってたかどうかは、わからないな。ただ、その一定のクオリティを作らせるためのこの人は、ビジネスモデルの職人監督で、だけどこの人は実はアート気質というか、表現者としての能力もあるんだよ。だけど、めちゃめちゃ大人なんで、このタイミングじゃないと俺は出さないってタイミングじゃないと、三池崇史を出してこないんだよね。
だから、この人がやってることは、二種類に別れてて、お客のため、クライアントのためにやる仕事と、あとは、俺のためにやる仕事のふたつに分けてるっていうか、まあ、とにかくヤバイ。でも、これが業界を支えているようじゃダメなんだよ。やっぱり。なんでかというと、ビジネスとしての映画業界を支えている人なんで、作家であるかどうか微妙だし、原作のことを愛しているか? というと、これまた微妙っていうか。
乙君:
節操なさすぎますからね。
成功例その4?~進撃型
山田:
で、やっぱり、話題になった「進撃の巨人型」っていうのがあって、これは、いろいろな人が口を出しすぎたパターンだと。
乙君:
成功例の話でしょ?
山田:
あ、すみません。これは、成功したかどうかは、私は知りませんけれども......。
一同:
(笑)
山田:
それは、みんなの心のなかに、聞いてもらえればわかりますけど、僕が判断することではないので。ただ、『進撃の巨人』の一連の話を見ていて思ったんだけど、「ああ、そうか、もうちょっとシンプルにしたら良かったんじゃないのかな?」っていうね。
原作者がやっていた世界観、イメージみたいなモノを本当にそんなにいじらないでやることが、本来のファンに対する何かだったんじゃないかなって、これ進撃祭りに大人が乗り過ぎたんだよね。
乙君:
成功例じゃないんじゃ(笑)。まあいいや。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]『東京タラレバ娘は大丈夫か!?〜漫画の実写化ガッカリ問題と平成の終わりと5246世紀の謎!!』山田玲司のニコ論壇時評 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv285247939?po=newsinfoseek&ref=news
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
酷評された実写化映画…作者はどう思ってた?「改変を自ら提案」「どこを削るのか見たい」
マグミクス / 2024年11月27日 20時10分
-
『シン・仮面ライダー』庵野秀明、念願だった各話フォーマット版 大河で多忙の柄本佑も追撮参加「3日間だけもらった」
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月15日 22時5分
-
「踊る大捜査線」をずっと作っていればよかった 『室井慎次』本広監督が抱いていた後悔
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月10日 8時3分
-
山崎貴監督『ゴジラ-1.0』乗り越えるものを ゴジラ新作への決意に声援「貴、がんばれー!」
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月3日 19時59分
-
米アカデミー賞受賞「ゴジラ-1.0」金曜ロードショーで今夜地上波初放送! あらすじ・キャストまとめ&ネタバレ含む3ショットインタビューも
映画.com / 2024年11月1日 21時0分
ランキング
-
1「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」の既知の不具合まとめ【2024年11月27日現在】
ITmedia PC USER / 2024年11月27日 17時50分
-
2「車が憎い」 “科捜研”や“朝ドラ”出演俳優、交通事故で死去 「忘れないでください」落語家の兄が悲痛のコメント
ねとらぼ / 2024年11月27日 17時8分
-
3携帯ショップで働きたい人が減っている――現役店員が語る“理由”とは?
ITmedia Mobile / 2024年11月27日 17時5分
-
4許せるバグもあれば許せないバグもある!?ゲームにつきものの「バグ」をめぐる議論で白熱するゲーマーたち
Game*Spark / 2024年11月27日 11時33分
-
5「天才発見」「涙出てきた」 ダイソー商品で“あの平成女児アイテム”が作れる……!? 目からウロコの“神アイデア”に「思いつく人ほんますごい」
ねとらぼ / 2024年11月27日 7時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください