1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能

関連動画の再生数3500万超! 「踊ってみたコラボ」の開拓者・みうめが振り返る「踊ってみた」人生

ニコニコニュース / 2017年9月21日 12時0分

ニコニコニュース

 GARNiDELiAの楽曲の【踊っちゃってみた】を投稿する「みうめ・メイリア・217」、女性踊り手9人で結成された「牛泥棒」、歌と踊りとお芝居をファンシーな世界観で表現していく7人組のパフォーマンスユニット「COJIRASE THE TRIP」――近年の「踊ってみた」カテゴリを彩る、これらの踊り手コラボユニットの全てに関わっているのが踊り手・みうめさんである。

 2011年1月に『【みうめ】ルカルカ★ナイトフィーバーをかっこよく踊ってみた』を初投稿するや、キレのある振付と女性らしいしなやかな動きが話題となり、瞬く間に人気踊り手の一人となる。その後も、個人の動画投稿のみならず、時には振り付けも自身で担当する踊り手コラボ動画の数々の投稿、さらにはニコニコ超パーティーVOCALOIDライブで初音ミク『メルト』の振り付けを担当するなどマルチな活躍で、みうめさんの「踊ってみた」の影響を語る新世代の踊り手も少なくない。

 そんなみうめさんのダンス・振付のルーツや、踊ってみた文化への想いはいったいどんなものなのだろうか? ニコニコ超パーティー2017「VOCALOIDライブ」のMMD(Miku Miku Dance)収録に臨む直前のみうめさんに、「踊ってみた動画を始めたきっかけ」「踊り手コラボへの想い」「踊ってみたの今後」など語ってもらった。

取材・文:我妻弘崇撮影:荒川れいこ編集:サイトウタカシ

ユーザーインタビュー関連記事:
ニコ生とライブ会場の一体感はどうやって作ってる? 超パーティーMC・百花繚乱にその極意を聞いてみた

すべての写真付きでニュースを読む

「踊ってみた」のルーツと"バランス厨"としてのこだわり

――みうめさんがダンスに関心を持ち始めたのはいつ頃からなのでしょうか?

みうめ:
 物心ついたときには踊ることが大好きでしたね。本格的に習い始めたのは、小学生のときに始めたクラシックバレエです。高学年になってからバレエと平行にストリートダンスも始めて、高校では友達と一緒にチームを組んで、自分で振付を作って踊るようにもなりました。

――キレのあるカッコいいダンスのイメージが強いみうめさんのルーツが、クラシックバレエとは意外です。

みうめ:
 なかなかクラシックバレエの癖が抜けなかったので、ヒップホップダンスなどを踊り始めた当初はすごい下手くそでした(笑)。でも、回ったりする際の軸だったり、しなやかな動きなど女性らしさを表現するダンスをするときは、クラシックバレエをやっていて良かったなと思います。

――学生時代に「チームを組んでいた」と仰っていましたが、その時に影響を受けたグループやJポップなどはありましたか?

みうめ:
 小学生のときはSPEEDさんが大好きでした。その影響もあってヒップポップなどに興味を持つようになったんですよね。ホンッッットにダンスが大好きで、小学校の卒業アルバムに「将来の夢はダンサー」って書いたくらいです(笑)。

――みうめさんが最初にニコニコ動画に「踊ってみた」を投稿したのは2011年です。なぜ投稿しようと思ったのでしょうか?

みうめ:
 当時、すでにガールズダンスユニットとして事務所に所属し、少しだけライブ活動のようなことをしていたんですね。そのグループを愛川こずえちゃん【※1】が応援してくれていて、「ワンマンライブのゲストで出てくれませんか?」というオファーをいただいて。その共演をきっかけに、私も「踊ってみた」の投稿をしてみたいと強く思うようになり、事務所の許可を得て初投稿したんですよ。

【※1】愛川こずえ:2008年8月の「踊ってみた」動画の投稿をきっかけに活動を開始したネットアイドル、踊り手。2009年、いとくとら、ミンカ・リーと共に踊り手によるユニットDANCEROIDを結成し、2012年の卒業まで在籍。現在はアイドルユニット、ILoVU(あいらびゅ)のリーダーを務める。

――愛川こずえさんの存在が大きかったんですね。

みうめ:
 ニコ動って気軽にみんなが楽しむ場だと思っていたので、自分のようなプロとして活動したいと考えている人間が投稿していいものなのか迷っていたんですよね。その背中を愛川こずえちゃんが押してくれた。実際に投稿してみると、コメントの賛否に一喜一憂したり、マイリストが増えていく様子を見たりするうちに、どんどんハマっちゃって......分かりやすく数字に表れるので、「なにくそーーッ!」って(笑)。目標をすごく立てやすかったこともハマった大きな一因ですね。

――動画撮影をするにあたって心がけていたことはありましたか?

みうめ:
 最初に撮ったときは、「思っていたより踊れていないように見えるなぁ」という印象でした。定点で撮影しているので、本当に全力で踊らないと臨場感が伝わらない。でも、動きすぎるとフレームアウトしてしまう...... 試行錯誤を重ねるうちにカメラのアングルなども分かってきて、協力してくれるみんなと衣装、背景、曲の振付などのバランスを考えて動画作りをするようになりました。

――ダンサーでもありディレクターでもある?

みうめ:
 そうです、そうです(笑)。私ってすごい"バランス厨"なんですよ。バランスをすごく大事にしたい人なので構図が気になってしまう。一人で踊っているときに限った話ではなくて、グループで踊るときもそうなんです。一緒に踊る相手によって、踊り方のニュアンスを変えてみたり、振付を作るときも踊る人の印象であったり、全体のトータルを考えて作業をしたくなるんです。「ノリとフィーリングでやろうぜ!」みたいことは少ないかなぁ。

――"バランス厨"(笑)

みうめ:
 アニメとか見ていても、キャラクターのバランスをすぐに考えてしまうんですよ(笑)。立ち位置とか性格とか、グループとして美しいかどうかが気になっちゃんですよね~! 

──ちなみに、みうめさんのプライベートの性格も"カチッ"としてらっしゃるんですか?

みうめ:
 もう全然です(笑)。踊っているときと比べると全然だら~っとしています。ズボラなところは多いと思いますし、すごくのんびり屋さんですね。踊っていないときはとにかくインドア派なので、『#コンパス』【※2】ばかりやっています(笑)。

【※2】 #コンパス 戦闘摂理解析システム : NHN PlayArt x niconicoによる共同ゲームプロジェクト。絵師、ボカロPがプロデュースするキャラクター達が活躍する対戦チームバトルゲーム

振付をする際はその人のキャラが"見えている"ことが大切

――キャラクターというお話が出ましたが、動画投稿主にも求められる重要な部分だと思います。その点に関しては、みうめさんはどう思われますか?

みうめ:
 キャラクター性があることで、応援してくれる人や楽しんでくれる人が増えますよね。それまでストリートシーンのダンスをしてきた私からすると、ダンスはテクニカルなものであり、アスリート性が求められると思っていました。ところが、ゴリゴリのダンスには興味がない人でも、キャラクター性が重視される「踊ってみた」を楽しむ人はたくさんいて、そういう人たちがダンスそのものに関心を持ってくれるようになるんだなって。双方のシーンを知っている私だからこそ、お互いの良さを活かした活動をしていきたいですね。

──みうめさん自身がキャラクター性を考えていく中で、何か参考にしたことなどはあるのでしょうか?

みうめ:
 私はキャラが弱いからなぁ(笑)。なので、踊りの見せ方を工夫するようにしました。
 投稿当初、一緒にユニットをやっていたメンバーに『@ほぉ~むカフェ』というメイドカフェの現役社長兼メイドのhitomiちゃんという子がいたのですが、とにかく魅力的な子で(笑)。ダンスの技術うんぬんではなくて、一緒にステージ立つとお客さんの視線を集めているのがhitomiちゃんだった。彼女を見て、「どうお客さんにアプローチすればいんだろう?」「どう踊ったらお客さんに楽しんでもらえるだろう?」ということをより考えるようになりましたね。

──「踊ってみた」を投稿していく中で、ターニングポイントとなるような出来事はありましたか?

みうめ:
 初めての公式イベントへの出演が『ニコニコダンスマスター2』でした。出演が決まったとはいえ、 ランキング1位を取ったこともないし、自分の中では人気のある踊り手だとは思えなくて。でも、出演後にものすごく反響があって、「ぇぇえ!? え? え!」みたいな(笑)。一人でスタートした「踊ってみた」がこういう縁に恵まれて、他の踊り手さんとコラボできたことで、「踊ってみた」をもっともっと盛り上げたいなって。もともと私は一人で踊るよりもグループで踊ることの方が好きだったこともあって、何か一緒にしたいなって。

──それで牛泥棒【※3】や【みうめ・MARiA・217】【※4】、COJIRASE THE TRIP【※5】などの活動に発展していくわけですね。

みうめ:
 一人でできることにはやっぱり限界がある。複数人数で踊って、迫力のあるパフォーマンスを魅せる方が面白いことできますし。あと、"バランス厨"ですからね、私は(笑)。

【※3】牛泥棒:みうめ、仮面ライアー217、のら、さっちゃそ、東と加藤、れいちぇる、小太郎、ぱん2のニコニコ動画で活躍する女性踊り手9人によるユニット。
【※4】【みうめ・MARiA・217】:GARNiDELiAのヴォーカルで、歌い手でもあるMARiAがアルバムリリース記念でみうめ、仮面ライアー217と共に「Girls」の「踊ってみた」動画をニコニコ動画に投稿したのを始まりとして、【みうめ・MARiA・217】名義でGARNiDELiAの楽曲の「踊ってみた」を年1本のペースで投稿し続けている。
【※5】COJIRASE THE TRIP:2015.9.25結成のニコ動、YouTubeで活動する男女混合7人による歌と踊りとお芝居をファンシーな世界観で表現していくパフォーマンスユニット。

──みうめさんが他の人の振付を担当するときや指導するときは、どんなところに留意しているのでしょうか?

みうめ:
 その人が持つ個性......例えば可愛らしさや格好良さ、どこを引き出してあげればその人が際立つかということを考えてから振付をイメージします。その土台ができてから、実際に音に合わせた振付の動きをひとつひとつ決めていくという感じなので、性格や個性が分からない人に対して振付を作るのは苦手かも(苦笑)。ニコ動の場合は、会ったことがなくても投稿した動画からその人のダンスの特徴やキャラクター性が見えるのでやりやすいんですよね。

──みうめさんにとっては、その人が"見えている"ことが大切なんですね。

みうめ:
 そうですね。イメージが沸きやすくなるというか。1年に1度、【みうめ・メイリア・217】の3人で【踊っちゃってみた】と題してダンスを投稿しているのですが、第4弾としてアップした『極楽浄土』も、とくPさん作曲のメロディが毎回とても想像力をかきたててくれるんです。MARiAの書く歌詞もすごいストレートでどんどんイメージ像を浮かんでくる。強気な女の子なのか、それとも愛らしい女の子なのか......それともちょっと強気なんだけど本当はか弱い部分があるとか、イメージが見えてくればくるほど振付が組み立てやすくなるんです。

──お話にも出た『極楽浄土』は、オリエンタルな楽曲と振付が海外でも大きな反響を呼びました。

みうめ:
 第3弾を投稿した後に、「次は"和"のダンスをしたいね!」って3人で盛り上がったんですよ。とくPさんの楽曲が素晴らしくて、私たちが考えていたイメージとピッタリはまって。とは言え、ここまで反響が大きくなるとは想定外! 「踊ってみた」を通じて、海外のイベントにも呼ばれるようになって、本当に感謝です。海外のファンの方々とコミュニケーションを取れるように、もっと語学なども勉強しないといけないんですけど、彼らが日本語を話せてしまうので、そこに甘えている自分を何とかしたいですね(苦笑)。

「【みうめ・メイリア・217】極楽浄土【踊っちゃってみた第4弾!!!】」より
http://www.nicovideo.jp/watch/sm28709238

「見ている人を楽しませたい」という気持ちは忘れずにいたい

──みうめさんはアイドルの振付なども参考にしているのでしょうか?

みうめ:
 AKB48さんの『大声ダイヤモンド』などは、細かい振付にも関わらず覚えたくなる要素に溢れていますよね。"真似して踊ってほしい"という意味ではアイドルさんの振付はとても参考になります。あと、Perfumeさんからはむちゃくちゃ影響を受けました。振付を担当されているMIKIKOさんは「天才!」って叫びたくなりますね! (笑)

──どういった部分にすご味を感じるのでしょう?

みうめ:
 私の考え方として、ダンスって言葉と同じで、単語と単語をつないで文章にするようなイメージなんですね。一動作だけ切り取ると、誰もが使っている振りだったりするんですけど、それをつなぎ合わせていくと新しい言語になっている。使いまわされている振りでも、MIKIKOさんの手にかかると新しいものに見えるんですよ。その見せ方が神だなぁって。

──今回、MMDに参加されていますが、テクノロジーの進化とともにダンスの幅も広がっていくと思います。今後、みうめさんがやってみたいことなどがあれば教えてください。

みうめ:
 私、MMDがすごい好きなんです。普段の姿でコテコテのアイドルっぽい動きを踊っていると、自分でもあまりしっくりこないんですけど、仮想世界のキャラクターの動きだって割り切ると、普段出せないキュートな部分を全力で表現できる(笑)。自分じゃない自分を作り出せるという意味で、MMDってすごいなって思うんですよね。ですから、今後はMMD的なキャラクターと一緒に踊って面白いものを作れたら最高です。生身の人間と3D、2Dのキャラクターが同じ空間でコラボしながら踊るようなことができたらなって。

──11.3には『ニコニコ超パーティー』が控えています。大きな会場で踊ることは、動画撮影とはまた違う意味があると思います。

みうめ:
 できる限りステージに立っているときは、来ている方と目線を合わせられるようにしたいんです。後ろにいる方には、目線は届かないかもしれないけど、体全体を使って「届け!」みたいな感じで踊るようにしています。いつもより腕が伸びているというか、ステージで踊るときは、自分の中の表現の仕方も変わってきます。皆さんのエネルギーが本当にすごいので、その分がんばろうと思えます。リアルイベントの超パーティーなどの反応があるからこそ、「手を抜いたらダメだ」って動画作りに緊張感が生まれる。最高の相乗効果だと思います。

──初投稿から約6年が経ちましたが、当初はみうめさん自身も、こんなに動画投稿が続くとは......

みうめ:
 思ってなかったです(笑)。私だけでなく、ニコ動をきっかけにいろいろな方が登場して、本当にニコ動ってすごいなぁって思います。一方で、ニコ動を踏み台じゃないですけど、一ツールとして利用してデビューしたいと考える人も増えたと思います。個人的な思いとしては、投稿している本人が楽しんでいないと長くは続かないと思うんですね。その人が楽しんでいるからこそ、見ているユーザーも楽しめるわけで、どこかビジネスライクに投稿していると痛い目にあうぞって思っちゃいますね(笑)。有名になるためではなく、視聴者を楽しませるためのツールとしての動画投稿サイトこそ、ニコ動の本質だと思うんです。いろいろな思いを持って投稿することはすごくいいことだと思うんですけど、やっぱり根底に「見ている人を楽しませたい」という気持ちは、絶対に必要だと思うんですよね。

歌ってみた・踊ってみた・ボカロなど、ニコニコのライブイベントが詰まった「ニコニコ超パーティー」、2017年11月3日(金・祝)に開催されます。百花繚乱さんが語った会場とニコ生の一体感、ぜひ体感ください!

▼チケット購入はこちら
http://choparty.jp/ticket/

◇関連サイト
・ニコニコ超パーティー公式サイト
http://choparty.jp/
・ニコニコ超パーティー公式サイト(チケット購入)
http://choparty.jp/ticket/
・ニコ生とライブ会場の一体感はどうやって作ってる? 超パーティーMC・百花繚乱にその極意を聞いてみた
http://originalnews.nico/42491
・編集:サイトウタカシ
https://twitter.com/suburbangraphic

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください