【SLG編・第1回】コーエー『信長の野望』は歴史の特異点なのか? まず人類がゲームで戦争をシミュレーションしてきた歴史を省みよう【ゲーム語りの基礎教養】

ニコニコニュース / 2017年10月27日 19時30分

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 シミュレーションとは、実際に行うことが困難な事象について仮想のモデルを作り、操作できるようにした模擬実験のことだ。そして、シミュレーション"ゲーム"(以下SLG)とは、それに娯楽性を持たせ、人が楽しめるようにしたコンピュータゲームの一ジャンルである――。

 さて、今回から本連載は、このSLGというジャンルの歴史を解説していく。
 しかし、上記のような「定義」を見ても分かるように、SLGはアクションやアドベンチャー、RPGのように「大きなひとつの塊」として扱われがちだ。「最も好きなゲームのジャンル」といったアンケートでも、「SLG」の一言でまとめられる光景を、しばしば見る。

 だが、冷静に考えれば、これは正気を疑う事態と言うしかない。

 たとえば「三國志」シリーズ【※1】は歴史SLG、「シムシティ」シリーズ【※2】は都市経営SLG、そしてパチンコ台の実機を再現する「パチ夫くん」シリーズ【※3】はパチンコSLGとも呼ばれる。このバラバラな集まりを、「パチ夫くん」と「三國志」を......一緒のものとして扱うだって?

※1 「三國志」シリーズ 1985年に光栄(当時)がPC用として発売した歴史シミュレーションゲーム『三國志』および、以後発売しているシリーズの総称。プレイヤーは、古代中国の後漢末~三国時代の君主の中から1人を選び、天下統一を目指す。のちに武将としてプレイできるシリーズ作も登場。
※2「シムシティ」シリーズ......『バンゲリング・ベイ』を作ったウィル・ライトが、1989年にリリースした都市開発シミュレーションゲームおよび、続くゲームシリーズの総称。プレイヤーは市長となり、道路や線路、発電所などを設置し、町を発展させていく。ウィル・ライトはこのゲームのためにマクシス社を創業。マクシス社はのちにエレクトロニック・アーツ社に買収されており、現在、シリーズはエレクトロニック・アーツ社から発売されている。
※3「パチ夫くん」シリーズ ココナッツジャパンエンターテイメントが発売していたパチンコゲームのシリーズ。基本的にはパチンコをシミュレートしているが、アクションやパズルなど、さまざまな要素が強く、ゲーム然としていたことが特徴。1作目は1987年発売のファミコン用『目指せパチプロ パチ夫くん』。

 そう、シミュレート=「模倣する」対象となる「現実」がこの世の全てを含んでしまうため、SLGの捉え方も広範で散漫になるのは避けにくいのである。
 そこで、本連載SLG編の第一回では、議論を歴史的に整理していくことから始めたい。出発点に位置づけるのは、「元祖SLG」というべき「ウォー(戦争)ゲーム」【※】だ。

※紙などで作ったマップと駒を用いて、実際に歴史上で起きた戦争あるいは架空の戦争をテーマに、プレイヤー同士が対戦して遊ぶゲーム。

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