「原発作業員の現実をもっと知るべき」 フォトジャーナリスト、小原一真さん<「どうする?原発」インタビュー第11回>

ニコニコニュース / 2012年9月11日 17時0分

原発作業員を撮り続けるフォトジャーナリスト、小原一真さん

 3.11から1年半。福島第一原子力発電所では、大勢の人たちが厳しい環境下で作業を続けている。しかし、私たちの生活を支えてくれているはずの彼らの素顔は、まったく見えない。そんな原発作業員のポートレートを撮影している若きフォトジャーナリストがいる。小原一真さん、26歳。被災地を取材している中、福島第一原発の作業員と出会い、撮影を始めた。小原さんのカメラのレンズには、何が写っているのだろうか――

・特集「どうする?原発」
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■高線量の部屋で休憩する作業員

 昨年8月、小原さんは作業員にまじり、福島第一原発へ入った。ジャーナリストであれば心惹かれるであろう、原発内部の取材が目的ではない。「作業員の人たちがどんな状況で働いているのか。彼らに近い体験をしたい」。その一心だった。作業員の人が休憩を取る「免震重要棟」に入ってすぐ、線量計がたてるアラート音に驚いた。

「線量の高いところなんだと思いました。部屋には16マイクロシーベルトとか、18マイクロシーベルトとか貼り紙がしてある。そういうところで、作業員はマスク外して、食事をしたり、仮眠を取ったりしている。それが衝撃だった」

 この日は6時間の滞在だったが、作業員を取り巻く過酷な環境は十分に体感できた。小原さんが作業員に初めて出会ったのは、2011年7月、震災後の福島に初めて取材で訪れた時だった。震災前から原発の取材はしていたが、そこで働く人にまで、意識が向いていなかったという。

「その人は、福島の被災者でした。当時、緊急時避難準備区域に住んでいました。避難するか、残るか、宙ぶらりんの状態に置かれていた。でも彼は、幼くして亡くしたお嬢さんのお墓のそばにいるため、福島に残る決断をした。しかし、仕事を失ってしまったために、やむを得ず広野火力発電所の復旧作業や福島第一原発の収束の作業をしている人でした」

 被害者なのに、加害者のもとで働く。そんな状況が、福島第一原発では起きていた。

「被害者感情としてありえないですよね。彼には、そういうものに対する怒りがありました。それから、一番印象的だったのは、『僕は作業員の人たちを英雄だと思う』と言っていたこと。見方はいろいろあるでしょうけれど、彼らの仕事が、今の自分たちの生活、日本を支えているのは間違いない。レスキュー隊や自衛隊が表彰されて、作業員が表彰されないのはおかしい。ずっと現場にいるのに、自分たちは隠されているというフラストレーションが彼にはありました」

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