日本維新の会・日本共産党の党代表者にユーザーが質問 投開票日直前特番 全文書き起こし(1/4)
ニコニコニュース / 2012年12月14日 19時35分
衆議院議員総選挙の投開票日(2012年12月16日)を目前にした13日夜、niconicoで主要政党の代表者がユーザーの質問に答える番組が生放送された。
ユーザーの質問に答えた党代表者は以下の通り。(番組出演順)
・日本維新の会 水戸将史・選挙対策委員長
・日本共産党 小池晃・政策委員長
・公明党 西田実仁・広報局長
・民主党 鈴木寛・政策調査会副会長
・自民党 林芳正・幹事長特別補佐
・日本未来の党 森ゆうこ・副代表
・社会民主党 福島みずほ・党首
・みんなの党 小野次郎・国会対策委員長代理
この記事では本番組のうち、「日本維新の会 水戸将史・選挙対策委員長」および「日本共産党 小池晃・政策委員長」出演部分の内容を全文書き起こして紹介する。(発言者敬称略、聞き手・角谷浩一)
■日本維新の会 水戸将史・選挙対策委員長
・[ニコニコ生放送]日本維新の会 水戸将史・選挙対策委員長の出演から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv118479358?po=newsinfoseek&ref=news#6:44
角谷:お一人目の方の準備が整いました。ご紹介しようと思います。日本維新の会の水戸将史さんです。こんばんは、よろしくお願いします。
水戸:こんばんは。よろしくお願いします。
角谷:お忙しい選挙戦の中、どうもありがとうございます。
水戸:どうもありがとうございます。
角谷:本当にご足労いただきました。
水戸:とんでもございません。
角谷:さて、いよいよ選挙戦は大詰めですけども、初めての選挙ということになりますね?
水戸:そうですね。
角谷:手応えはどんなもんでしょうか?
水戸:そうですね、既成政党に胸を借りるつもりで、今やっております。各候補者も新人ばかりでございますから、本当に無手勝流でやっておりましたけれど、やっと候補者らしくなってきたという形で、非常に尻上がりにエンジンがかかっておりますので。
角谷:現場で育っている感じですかね。
水戸:そうですよね。ですから鍛えられている感じですかね。
角谷:なるほど。
水戸:この最終盤に向けて、尻上がりに良くなってくると思いますけれど、そういう形で頑張っていきたいと思います。
角谷:今日は20分間ですけれども、前半を代表質問のような形で、共通のテーマについて、お話いただきます。で、後半にユーザーの質問に答えていただいて、残り3分くらい最後のアピールという形で配分させていただきます。よろしくお願いします。
水戸:わかりました。
角谷:さっそくですが、一番目は消費税ですけども、このことについては日本維新の会はどんなふうに考えていますか?
水戸:消費増税については、ある意味、やむを得ない部分もありますので、やっぱりこれからの社会保障の部分を考えるならば、財源確保は大切だろうということで、取り扱っていく必要はあるなと思っております。しかし、非常に景気に対するインパクトが強いものですから、いろんな景気情報はありますけれども、やっぱり景気の動向を気にしながら消費税の行方を探っていく必要があるなと。
別の視点から、我々は統治機構の話をしているので、消費税の地方税化を言っております。これはまた社会保障財源とはまた違ったやり方で進めていきたいと思っております。
角谷:消費税のタイミングもさることながら、その消費税の取り方、目的。目的税としての議論がこれから別にあるんだということですかね?
水戸:そうですね。我々はその議論の喚起をしていきたいと思っております。
角谷:さて、TPPですけども、これはどんなふうに考えますか?
水戸:TPPは基本的には、交渉参加には我々は積極的に行くべきだと。やっぱり相手の動向を見極めながら、最終的に本当に国益を損なうことだったら、やはり撤退ということも当然あり得ると思いますけど。最初の入り口から「ノー」ということは、我々はしないつもりでおります。
角谷:それは議論の中で進んでいくものであるというふう考えますね?
水戸:はい。
角谷:もう一つは震災復興の問題です。これは各党が政策を掲げていますけども、大きな争点になっているのどうか、ちょっとわからないところがあるものですから。
水戸:うーん。そうですねえ。
角谷:これに特化すると、どんな政策ができますか?
水戸:政府も今非常に一生懸命取り組んでいますので。もちろん、人的なものですとか、お金の問題があって、進まない部分もあるかもしれませんけれども、よくやっているなという気がします。ただ、被災者の生活支援について、特に住宅問題はですね、縦割り組織なものですから、なかなかうまく進んでいない。計画通りにいっていない部分もありますから、もう一度この被災者の支援、住宅の自立再建ということを念頭に置きながら、やっぱり枠組みを変えていく必要があるかなと思っています。
角谷:そうなると、これは来年度の予算の中で、復興予算に関しては、もう一回練り直しということになるんでしょうかね?
水戸:そうですね。結局、被災者の方々もやはり「自分の持ち家を持ちたい」とかね、「公営住宅に移りたい」とか、いろいろ考えがあると思うんですけど。政府の方でも、地方自治体の方でも、それをうまく捌ききれていない。これはやっぱり、支援法(被災地生活再建支援法)のあり方が、額の問題だとか、対象の問題をもう一度整理し直していく必要があるかなと思います。
角谷:はい。そして最後の質問ですけれども、原発の問題です。これについて、少し丁寧に説明していただきたい。
水戸:これはいろいろ聞かれるんですけれども、我が党と致しましては、まず今の暫定基準をちゃんとした、しっかりとした形に、やっぱり安全規制というものを確立するべきであるという中で、再稼働は認めていこうと。しかし、その後に来る使用済み核燃料の問題については、非常に今までの自民党政権以来ですね、おざなりになっていた問題でありますので。これをどうするんだと。これをどういう形で処理していくんだということのルール化をする。ちゃんとした形でシステム化をしながら、やっていく。そういうことをしていけば、自ずと原発は取らざるを得なくなってくるいうことになってきますので、我々は2030年代を一つの目途にしながら、「フェードアウト」という言い方をしております。
角谷:この原発の問題というのは、震災後初の衆議院選挙ということになりますから、国民全体の中では大変興味の高いテーマですけども。
水戸:そうですね。
角谷:プロセスではいろいろな考え方が各党から出ています。維新の会としてはですね、これは全体の議論で進めていくんでしょうか?それこそ何か法制化していくというふうな考え方なんでしょうか?
水戸:安全基準等はもちろん、ちゃんと制度化していく必要がありますし。また、それは法制なのか、いろんなやり方があるかと思いますけど、ちゃんとした形でロードマップを作って、わかり易く国民の方々に示していく必要がありますし。他方では、「原発を廃止した後、どうなっていくの?」と。電気料金の問題とか、代替エネルギーの問題などをちゃんとした形でやらないと、ただ単に闇雲に廃止をして、「後は野となれ山となれ」だったら、これはちょっと無責任だと思っています。
角谷:つまり、代替エネルギーの確保や運用の仕方の目処が立つことと、相殺的に比重が変わってくるということを考えていると?
水戸:そうですね。これが転換できるような環境整備を、ちゃんとわかり易く手順を踏んでやっていくということは、当たり前の話でありますから。それを我々自身は、そこにある程度、議論の論点を置いていきたいと思っています。
角谷:はい。(コメントの)書き込みはいろいろといただいているようですけども。まだ、手元に質問のメールがきてないもので、ちょっとしばらく書き込みをと言ってもですね......。「外国人参政権は?」というのが今書き込みでありましたけども、これはどういうふうにお考えになりますか?
水戸:これは基本的には認めるべきではないと。これはあまり議論にはなっていませんけども、私自身の意見もそうでありますし、おそらく政党を構成しているメンバーからしても、外国人参政権の問題はですね、やっぱりこれはしっかりとした中に置いて、日本の国益に適うんだったら、認めるべきじゃないという方向じゃないでしょうかね。
角谷:では、続いてですね、これもユーザーからいただいた質問ですけども。これは各党にきているので、全部の党に聞いていきたいと思います。「尖閣問題や北朝鮮の核ミサイル問題など、外交・安全保障面で難しい問題がありますが、こういった東アジア外交に関して、どんなふうにお考えか?」。
水戸:今ちょっと、韓国との関係もギクシャクしておりますんで、やっぱり関係修復は早期にやる必要があると。日米韓という三国の強力なパートナーシップはもう一度再構築していくことを前提として、そういう中で尖閣の問題もありますが、結局日本は実効支配をしていますので、あと国際司法裁判所に対して、中国が提訴するんだったら「提訴しろ」と。それに対して、「我々は受けて立つ用意があるよ」ということも含めて、中国にも、ちゃんとした形で物を申していくべきだと思っております。
ですから、集団的自衛権の問題等もありますので、それはやはりある程度、国民の方々に意識を共有できるように、国会でも議論して、ブレない逃げない姿勢で臨んでいく必要があると思っております。
角谷:集団的自衛権の問題については、各党いろいろ意見があるようですけども、一つは「改正すべきか」という考え方と「解釈論だ」という考え方がありますね。この件はどんなふうに考えますか?
水戸:我々は安全保障基本法というのを作っていこうと謳っていますので、基本的には、法的にちゃんとした形で担保していった方が、わかり易いと。法解釈は非常に今までも右往左往している部分もありますから。その時々の政権によって、これは変わっちゃいけませんので、やはり変えちゃいけないものというか、基本的なものとして法制化が一番良いんじゃないでしょうかね。
角谷:なるほどね。憲法を触るかどうかと。憲法を触らずに集団的自衛権は安全保障基本法という形で処理していくという考え方ですね。
水戸:そうですね。
角谷:わかりました。続いてですね、こちらは維新の会への質問です。「公約で最低賃金法の改正を謳っていますが、後の会見で石原代表がこれを否定するということがありました。結局どういう考え方なのか?」という質問です。
水戸:最低賃金法の問題はですね、いろんな議論が確かにあると思うんです。しかし一律な形よりも、ある程度弾力的で柔軟性をもった上での、需給の問題でありますので。やっぱり質の高い労働に対しては一定の賃金が必要ですし、単純労働的なものに関しては一律上げていくことよりも、ある程度マーケット(市場)に委ねていいのかなと。需給のバランスによって、価格形成が決まってくるという中に、この最低賃金法の問題もあって、それで我々自身も議論した方が、私はベターだと思っております。
角谷:なるほどね。これは一般論でね、維新の会がということではないんですけども、消費税の場合は全国一律ということになります。そういう意味では、税金を取られる意味では一律だけれども、賃金に関しては地域のマーケットということになってきますと、どうもそこで働いているものとしては、できればある一定の水準までということがあるでしょうし、例えば今東京でも時給千円を維持することはなかなか大変であるという現実があります。現実の部分、結果的には景気が上がれば事情が変わるんでしょうけれども、そのバランスだと思うんですけども。そこら辺で景気対策を含めると、どういうものが出てきますか?
水戸:最低賃金法の問題ですか?じゃなくて?いろんな部分ですか?
角谷:景気が上がることによって、状況が多分どんどん変わってくると思うんですけども、そこら辺はどんなふうにご覧になっていますか?
水戸:結局、デフレ脱却とよく言われるんですけども、どういう手立てがあるかという話です。残念ながら自民党さんは、大型公共投資に復活しようということですけども、我々は本当にこれは、ある意味無駄なことだと思っています。やはり、一定の競争原理で、新規参入の規制を緩和をすることによって、それに対する意欲というのですかね、競争を高めていこうという部分での環境を広げっていった方が良いということでありますもんですから。いろんな部分がありますよ。これは農業もそうでありますし、医療の分野とか、また住宅の分野もありますので、そういうことも含めて、程良い競争的なものは、もっと我々自身は土壌を広げていくべきだと思っております。
角谷:その部分のバランスについては、役所というよりは、政治が判断してくれるという考え方ですか?
水戸:そうですね。もちろん法改正も必要となってきますので。いろんな参入障壁とかですね、やっぱり規制が著しくあるという部分に関しては、それは政治的な面で解決していかなくてはいけないところがたくさんあると思いますね。
角谷:さて、こちらの質問は北海道の男性からいただきました。「日本維新の会に質問します。当初、太陽の党と日本の維新の会との政策には開きが見られ、今回の合流は選挙対策のための数合わせにしか見えません。選挙後、ゴタゴタして分裂するということにはなりませんか?」という質問ですけども。
水戸:選挙後のことは、それはそれとしてあれですけども(笑)。もちろん、政治家ですから、いろいろとそれぞれの思いがあってですね、政治をやってらっしゃることですんで、100%ということはありませんが。石原氏と橋下氏が合意を見たということは、国のあり方を基本的な形で変えていく必要があると、根本的に正していく必要があるということを、まずここを基本ラインとして据えて、あと枝葉の論理は、それはお互いの中で例えば多数決の論理で決めても良いだろうし。そういう中で、どちらかと言えば、旧「たちあがれ日本」系の方々は、非常に経験豊かでありますし、そういう人たちの指導もいただきながら、我々自身はある程度年齢的な部分で、若い世代を代表しての形で議論していって、お互いにまとまっていけば良いかなという感じですよね。
角谷:なるほどね。東京の男性からも同様の質問でして、「日本維新の会の政策は、選挙後の旧『たちあがれ日本』の議員の議席数に影響を受けますか?」ということですが(笑)。
水戸:あんまり先走って、いろいろと(笑)......。そういう温かい目で見守っていただくという、その証左かと思いますけども、いずれに致しましても、やっぱり今のままで良いのか、既成政党の概念で良いのかというと、先程も申し上げた通り、やっぱり時代に合わないことがありますので、我々自身は改革をしていくことも含めて、日本の国の政党のあり方を、憲法改正も視野に入れながらやっていく必要もあると思っておりますので、大丈夫だと思っていますよ。
角谷:なるほどね。そこの目的は元々同じじゃないかと。
水戸:そうなんです。
角谷:そういう意味では、政策というのを並べるだけじゃなくて、今までやってきたベテランの議員たちと、今回新しい人たちが当選してくると。つまり、新しい人たちと今までベテランで長くやってきた人たちとの融合が、どういうふうに見えるかというのはこれからの話ですからね。
水戸:そうですよね。
角谷:逆に、それを促すために、今一生懸命に頑張っているということになりますけども。
水戸:やっぱり頭でっかちではいけませんし、あんまり若手ばかりだと。うまく調和の取れた形で、バランスを身に付けていく必要があるかと思っていますね。
角谷:なるほど。わかりました。時間はすでに5分を切りましたけども、順番が1番目ですから、ちょっと質問がきてませんけども、最後、水戸さんの方から「日本維新の会として、どうしてもここはみなさんに訴えて、どうしてもここはちゃんと知ってもらいたい」というところをアピールしていただければと思います。
水戸:そうですね、維新の会はご存知の通りですね、やっぱり大阪を発祥の地として、成り立ってきた経緯があります。その心は、ご存知の通りですね、大阪府と大阪市という自治体の組織機構、また予算の無駄遣い等をなくしていこうとやってきた。これを全国展開していこうということでございまして、我々自身の心の基本になるのはですね、いろんな選挙の争点にあまりなってはいませんけども、国のあり方、統治のあり方等をですね、根本から変えていくということを視野に入れて、これを基本的なベースにしながら出来上がってきた経緯があります。
ですから、憲法改正の中でもですね、憲法96条がいわゆる改正要件なんですね。3分の2という非常に高いハードル(憲法改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議)があるものですから、これを2分の1にしていこうということを含めてですね。もちろん国民投票、国民の方々の意見を聞くことも必要ですけども。そういう中で、例えば政治的な面では、首相公選制をやっていこうと。それから衆議院と参議院を統合して、いわゆる一院制でやりながら、片方では総理大臣が国民の下で選ばれる、片方の議会も国民に選ばれると。これを二元代表制とよく言いますけども、こういう中で、いろいろな決めるべきものは決めていこう、意志決定を早くしていこうということは、政治的な面であります。
それから内閣、行政の中においても、今、「霞が関を解体していこう」ということで、民主党も言ってたものですね、なかなかできなかった。もちろん民主党の同じ轍は踏んじゃいけませんが、行政体の機構のあり方、例えば国家公務員の人事を一元化しようとかですね、あと公務員の採用に関しても、非常に戦略家で、多様な人を集めていこうと。あと、予算が非常に大きな問題でございまして、財務省主計局は非常に強力な組織でございますが、こういう中におきまして、やはり内閣府の方で予算の企画立案機能を持たせて、内閣予算局を作っていこうと。
そういう形で、内閣の設置について、省庁の設置についてはですね、今までは法律というものがあったんですが、これは総理大臣の下で省令でも良いじゃないかという形で、柔軟にフレキシブルに体制のあり方を変えられるようにしていく必要があるかなと思っております。それをまず視野に入れて、あと如何に地方の自立性を促していくか。先程も申し上げました通り、それにはやはり予算の配分が出てきますから。予算の配分というか、税金の配分ですね。そういうものに関して、今まで国が地方交付税とやっているものを廃止して、地方が一定のルールの下で、自らが配分できるような消費税の地方税化を進めていこうという形。
我々は、人の流れとか、お金の流れ等に関しては最低限は国がやると。しかし、ある程度のものは地方で地域で解決できるように、自己完結できるような、そういう体制を組むための統治機構を目指していきたいという形で、これからも主義・主張を曲げずに訴えていきたいと思います。
角谷:なるほど。統治機構という考え方も、ずっと同じ統治機構の中で慣れていると、何を変えたら良いのか、国民もなかなかわかりにくい。
水戸:そうですね。
角谷:それを上手に説明してくださることによって、「なるほど。こういうふうに国が変わるのか」ということが見えてくると思います。多分、今それを一番大きく訴えてらっしゃるんだと思いますけど、その部分がどういうふうに伝わるかということが、これからの有権者の心を掴めるかどうかということになるんでしょうね。今日はわざわざお忙しい中、どうもありがとうございました。
水戸:今後ともよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
角谷:今日は、日本維新の会の水戸将史さんにお出でいただいて、政策を伺いました。ありがとうございました。
■日本共産党 小池晃・政策委員長
・[ニコニコ生放送]日本共産党 小池晃・政策委員長の出演から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv118479358?po=newsinfoseek&ref=news#30:01
角谷:続いては、日本共産党の小池晃政策委員長です。こんばんは。よろしくお願いします。
小池:こんばんは。
角谷:お忙しい中、ご足労いただき、ありがとうございます。
小池:いえいえ。
角谷:さあ、選挙戦も終盤ですけども、共産党の手応えはいかがでしょうか?
小池:今度の選挙は、みんなじっくり考えているというのが特徴だと思っています。2005年の郵政選挙、小泉チルドレンで結局、貧困と格差が広がり、2009年政権交代で小沢チルドレン、小沢ガールズとなってね。やっぱり、「本当裏切られた」という思いが強くて、「今度はじっくり考えよう」という感じで。今日も神奈川県内4カ所で訴えてきたんですけども、本当によく立ち止まって聞く人がすごく多いんですよ。
角谷:なるほどね。
小池:みなさん本当に、自分の目で見て考えて、今度は間違えない、やっぱり政治を変えるにはどうしたら良いかを真剣に考えているという姿がありますね。だから、「政党を選んでください」と。今度は政策も大事なんだけども、政党の値打ちみたいなものが問われている選挙だと思っているので。共産党の90年の歴史と、ブレずにやってきたというこの姿を訴えていくと、なかなか手応えがありますよ。
角谷:なるほど。それは終盤になれば、みなさんそれぞれの今までの感覚から、いろいろ手応えというのがいろいろあるでしょうから......。
小池:今までにない感じはありますね。今度は。
角谷:なるほどね。わかりました。大詰めの選挙戦ですけども、なお、どうするか考えているユーザーのみなさんに向けて、「我党はこう考える」というのを伺いたいと思います。では、こちらが決めた質問を各党にお願いしております。まずは、消費税についてはどう考えますか?
小池:今デフレ不況なわけです。原因は、働く人の賃金が減っているわけですよね。そういう時に、消費税の増税は論外というふうに思います。社会保障の財源というのであれば、やるべきことは別にあって、私たちは消費税じゃない別の道でいこうと。「消費税の前にやるべきことがある」という政党はあるんですけども、そうすると順番が変わるだけなんです。やっぱり増税するんだったら富裕層だと。今、アメリカでもイタリアでもフランスでもドイツでも、名立たる企業の社長が「増税するなら富裕層」という声を上げているわけで。やっぱり、「そういう改革をやろうじゃないか」ということを呼び掛けていきたい。そういう点でも、消費税の増税は絶対やっちゃいかんと。
角谷:日本では、全体の何割ぐらいが富裕層なんでしょうか?
小池:よく(富裕層は)1%だと言われる。例えば課税所得で3000万円以上の最高税率が掛かるような人は1000人に1人です。だいたい0.1%です。それくらいの層のところに富が集中している構造に日本はなってきていると思っていますので、そこのところをしっかり取っていくというのをやりたいなと。
角谷:そうすることで、だいたい(全体が)賄えるんですか?
小池:社会保障、この間いろいろと年金が削られたり、医療崩壊みたいなことが言われていますけども、そこを修復するのは私たちはできると思っているんです。ただ、もっともっと社会保障を、例えば最低保障年金を作るとか、あるいは医療の窓口を無料にすることを私たちはやりたいと思っているんだけれど、そういう抜本的な改革を全部金持ちだけというわけにはいかないと思うんです。そこは国民全体で支えていくという。ただ、それをやる場合も、今みたいに賃金が減り続けていたらできないわけで。やっぱり、デフレの克服、まともな成長を実現する。これをやった土台に、そういう改革をやっていくということを展望しています。具体的な提案を私たちはしていますんで。
角谷:続いては、TPPでございますけども。これについてはどう思いますか?
小池:断固反対。
角谷:断固反対と。
小池:「参加をして、守るべきものは守る」と。あれはできないんですよ。そもそも、例外を認めないことを目的にして始まったシステムですし。「早く入ってルールを作る」と言うけれども、今参加している国はみんな輸出をしたがっている国ばかりですから、日本が入っていくということは、鴨がネギを背負って、煮えたぎった鍋に飛び込むようなものでね。これはもうあり得ない話だと。
私たちは別に「鎖国をしろ」と言っているわけじゃなくて、「経済主権を守りなさい」と。「食料主権を守りなさい」と。これは国の土台なわけだから。そういうことで言うと、TPPは交渉参加も断固反対という立場で頑張っていきたいと。
角谷:続いて、各党がテーマにしているんですけども、ここがどうも撫でるだけで、はっきりしない震災復興の問題。これはどう考えますか?
小池:とにかく遅すぎる。やる事なす事、すべて遅すぎる。今の決められた仕組みの上でも、もっと早く、仕事や、それから住宅の再建に手をつけなければいけないんだけれども。私たちが考えているのは、この東北の復興状況を見て、国のこういう災害対策が間違っていると。根本的に見直す必要があると思っています。例えば、個人財産を資するからといって、住宅支援金なんかを低く抑えるわけですよ。あるいは工場の再建とか、商店の再建にお金を出さないわけですよね。これはやっぱり間違っていて、災害で失われた財産をやっぱり国の責任でしっかりと支えていくというふうに、個人財産だっていうことで「やる・やめる」という考え方を転換する。
それから、いろんな規模とか競争力、あるいは期間によって線引をするということがある。例えば、医療の負担軽減は半年で終わりとなっていますけども、こういうふうに期限決めの線引きがあるということを一切やめて、元の生活に戻るまでは国が責任を持つんだということに災害対策を根本から切り替えるということをやっていく必要があると思っています。今の被災者に対する支援があるとともに、根本的な災害対策の見直しを提起しています。ぜひ、これをやりたい。
角谷:となると、この選挙後、来年度の予算を含めた議論の中で、それは......。
小池:ものすごく重要な課題になってきます。真っ先に、復興基本法(東日本大震災復興基本法)は改正する。あの流用の仕組みね。あれは民自公3党で談合して作ったわけですよ。私ども共産党以外はみんな賛成して作ったんだけれども。やっぱり、あれは法改正して、流用できない仕組みに変えないといけないと思っています。
角谷:それに続く問題点として、原発問題というのが出ています。これはどういうふうにお考えでしょうか?
小池:私たちは「即時原発ゼロ」ということを訴えていて、「現実的でないんではないか」という政党もありますけども、現実を見てほしいと。実際には、大飯原発(福井県おおい町)以外全部止まっているわけです。それで実際、今年の夏も、みんなの努力もあって、乗り切ったわけだし、実は「大飯原発を動かさなくても電気は足りていた」と関西電力が言っているわけだから、何でわざわざ動かすのかと。しかも、大飯原発の下には活断層があるという疑いが指摘されているわけですから。これも止めて、止まったまんまで、廃炉の作業に入っていくというのが、一番現実的だというふうに思っております。
最近、「電力料金が上がる」と盛んに言うんですけども、私ははっきり言って、電力会社の言うことほど信用できないことはないと、この間、痛感しています。例えば、「原発は安い」ってやってきたけどね、あの事故を起こして、これ程高くつくものはないと、はっきりしたわけですよ。それから、「火力発電は高い」というけれども、企業努力はまったくやっていませんから。天然ガスなんかもっと安く買えるはずだし、自然エネルギーだって、だんだん普及していけば、だんだん安くなっていくわけだから。やっぱり、この道(即時原発ゼロ)に向かって進んでいくということが必要だと。
福島では16万人の方が今も避難している。その方々の思いに応えるためにも、即時ゼロということで頑張りたいと思います。
角谷:続いてですね、これは各党共通に(ユーザーから)きている質問なんで伺います。「尖閣問題や北朝鮮の核ミサイル問題など、外交・安全保障面で難しい問題がいろいろあります。こういった東アジア外交ついての考え方は?」と。そういうわけで、共産党はどうなんでしょうか?
小池:私は、(これまでの政権は)外交をやってこなかったと思うんですね。尖閣についても、棚上げにしちゃったわけですよ。その後は「領土問題は存在しない」としか言わずに、まともな外交交渉を中国に対してやっていない。北朝鮮に対してもそうですよね。当時、拉致問題を国会で一番最初に指摘をしたのは共産党ですけども、ほとんどこういった問題に取り組んでこなかったというのが実態です。今、アメリカがアジアで軍拡をやり、中国も大軍拡をやっていますよね。北朝鮮も「人工衛星だ」と言っていますけども、あれは国連決議違反なわけです。
(日本は)本当はガツーンと物言わなければならない国だと思うんです。ところが日本の外交は安保(日米安全保障条約)があるんで、アメリカの顔色を窺いながら、何もかもをやっていくと。憲法9条を生かした外交になっていないと思うんですよね。これを宝の持ち腐れにしないで、安保を取り除いで、憲法9条の立場で、中国にも北朝鮮にも「軍拡路線をやめろ」と。それをやらなければ、私は日本の未来はないと思っています。本当の外交をやろうじゃないかということを私は訴えたいというふうに思っています。
角谷:はい。共産党への質問がきています。「共産党は90年の伝統を誇っているが、世論調査では選挙情勢は押し並べて低調である。これをどう捉えているか?」と。こういう質問です。
小池:世論調査では、まだ半分の人が決めていないわけで、私はこれで帰趨(きすう)が決まるとは思っていないんですね。だいたい、例えば、5月か6月にプロ野球の優勝予測したって意味がないんです。
角谷:なるほど(笑)。
小池:これからです。私たちは先程も言ったように、政党の値打ちがかかっている選挙、それが問われている選挙だと思っているし。次から次へと生まれては消えていく政党がある中で、やっぱり90年の歴史があって、ブレずに頑張ってきたということの値打ち。それから、街頭で訴えていて反応があるのは、政党助成金の問題なんです。他の政党は17年間で5550億円、政党助成金を受け取ってきていると。民主党は、党の財政のだいたい83%、自民党は72%、みんなの党は97%。「官から民へ」と言っているけれども、一番国営化しているんじゃないかと。
角谷:なるほど。
小池:そういう点で、「財政の面でも共産党は自立して、共産党を応援したいと思ってくださるみなさんの思いの込もったお金で仕事をして、頑張っているんです」と言うと、すごく反応が強いんですね。だから、今の数字のこともありましたけども、これから、そういう訴えを日本中でやっていって、グーッと伸ばしていくということで頑張っていきたいと思います。
角谷:「小池さんに質問です」というのがきています。「共産党は、自民、民主、公明に反対だけしているように見えるのですが、特にこれから被災地復興や、老朽化したインフラ、そしてこれから起こるだろう災害への防災についてどういうお考えなのでしょうか?公共事業をやって、一気に改善していく必要があるのではないでしょうか?利権問題については厳しく監視すれば良いんではないでしょうか?」というふうな質問ですけども。
小池:それは、おっしゃる通りだと思います。私たちは、「公共事業をただ闇雲に減らせ」という主張はしていません。それは政策ビジョンを見ていただければ、書いてあるんですけども、中身を変えようじゃないかと。やっぱり大型開発の無駄遣いについては厳しいですけども、ただ橋なんかは老朽化しているとか、この間、笹子トンネルの事故もありました。ああいうところに対する補修は徹底的にやっていかなければならないと思いますし。保育園と作るとか特別養護老人ホームを作るとか、生活密着型の公共事業は大いにやっていく必要があるし、それは実際には地域の建設業者の仕事になっていくわけですから、景気回復にも繋がるんでね。そこは「公共事業は悪だ」という立場ではありませんので、私もおっしゃる通りだと思うんで、ぜひそこは強めていきたいと思います。
角谷:続いて、「共産党の確かな野党という存在に大変期待しておりますが、では実際に政権を取った場合にどうこの国を変えていくのかよくわからない、もしくは見取り図がないように思いますが、ぜひこの件について教えてほしい」と。
小池:さっきも、「反対ばかりしている」という印象を持っていらっしゃる方だったんですけども、実際には国会の中なんかでは、だいたい6割くらいの法案に賛成という立場を取っているんですね。自民党、民主党、公明党なんかと一緒に、被災地の子どもたちを支援する法案を作ったりとか、そういうことをやっているわけですよ。そこはぜひ見ていただきたいなと思っています。
今お話にあったような今後のあり方について言うと、共産党が政権を獲って直ちにできることがいっぱいあると。例えば、対米追従じゃない、日本の独立した主張をしっかりと国際社会にしっかりしていくこと。尖閣問題、竹島問題、日本の領有権を正面から主張する外交交渉をやっていくこと。政権をとらせてもらったら、もうすぐにでもやりますよ。いくらでもいろんなことをやっていきたいなと思っていますけどね。
角谷:そこではですね、こういう質問がきています。「外交問題について、領土問題は話し合いによって解決できると言っていますが、一方的にこちら主張するだけでは石原さんと同じような気がします。ただ謝るだけでも足元を見られる気がします。外交交渉力だけで解決できると言い切る自信というものに、余程の切り札を持っていると思いますが、その根拠を教えてほしい」。こういう質問ですが。
小池:この間、共産党は野党外交をアジアの国々とやっているんですね。例えば、韓国の政治家たちとも、いろんな場で話し合いをしているんですね。で、韓国の政治家と会った時に、「竹島は日本の領土だ」とまず私たちが言うと、びっくりするんですね。「共産党もそう言うのか」と。ただその時、「同時に私たちは、韓国に対する植民地支配について、『これは間違っていた』ということを明確に言っている政党です」と言うと、「それだったら話し合いができる」と。「日本政府はそういうところを認めずに、ただ『竹島返せ』としか言わないから、議論にならないんだ」と。「そういう立場であれば、お互い事実を突き合わせた議論ができるんだ」っていうね。実際そういう体験をしていますから。
私たちであればこそできる、アジアとの関係は作っていけると。そこは大いに頑張りたいなと。私は、これは共産党が政権をとるとらないに関わらず、どんな政権の枠組みであっても、解決しなければいけないと思っていて、その中で共産党でしか果たせない役割ってあると思うんですよ。そういうことを私はやっていきたいなと思っています。
角谷:その枠組みについても、いろいろ質問があります。時間がないので簡単にお答えいただきます。一つは、「共産党と第三極との違いを教えてください」と。
小池:やっぱり、「昨日、今日と始まったもんではない」というのがありますね。筋金入りだと。あと、第三極ってくっついたり離れたりって平気でやっているけど、根本的な日本の政治、この60年間続いてきた自民党から民主党への根本には、日本経団連という最大の既得権益、アメリカという世界最大の既得権益に物が言えない政治だったと思うんですよね。その根本的な部分で、似たり寄ったりなのかなと。だから、離合集散ができるんじゃないかと。
典型的に思ったのは、「小異を捨てて大同につく」と言って、太陽の党と維新の会は一緒になった。消費税とか原発を「小異」と言って切り捨てるのは無責任だと思ったけれど、確かに大同についたんじゃないかなと。そういう日本の政治の、60年間の根本的な問題では、やっぱりあんまり変わらないじゃないかと。石原さんだって、元々は人民党だったわけだし、そこが第三極と言われるみなさんと共産党との決定的な違いだと私は思います。
角谷:ここでは、もう一つ、非常に的確な質問がきています。「今回掲げている政策は、基本的な部分で、日本未来の党、社民の各党と方向性が同じに思えるのですが、連立を組むお考えはないのでしょうか?もっと言うと、与党になって国を背負う覚悟はないのですか?」と。
小池:一致している問題はありますけども、違う問題もあるんですね。例えば、日本未来の党のみなさんは、安全保障基本法を作る、集団的自衛権の行使ということを言っている方もいます。だから、例えば、原発の問題とかですね、あるいは消費税増税反対だとか一致する課題はいろいろありますから、そこは選挙が終わった国会でいろんな共闘をやっていきたいというふうに思いますけど。こういう違いをそのままにしたまま、政権を一緒にやることは野合ですよ。それは今までやってきた政治の過ちを繰り返すことになるから、私たちは一点共闘で頑張っていきたいと思っています。
角谷:ほかに軍縮の話とか、憲法の問題。それから、「ネット選挙について、どうお考えですか?」という質問も。
小池:ああ、これは全面解禁しなきゃ駄目。
角谷:全面解禁?
小池:うん、もう当然、全面解禁しないと駄目。
角谷:タイミングとしては来年の参議院選挙までと。
小池:いやあ、すぐにでもやった方が良いですね。すぐにでもやった方良い。だって、おかしいですよ。これだけのネット社会で、一枚一枚シールでビラに貼るなんて、あんな馬鹿なことはもうやめなきゃ。もう雁字搦めですからね。
角谷:なるほど。わかりました。では、最後3分になりましたので、今度は小池さんの方から、ユーザーのみなさんに「我党はこれだけはどうしても言っておきたい」ということをお願い致します。
小池:私たちは、本当に今の日本の政治を変えたいと思うんですね。自民党から民主党に政権交代しても、これだけやっぱり何も変わらなかった。その政治を変えることができるのは、やっぱり共産党だということを訴えていきたい。私たちには勇気があると。それはどんな逆流も、迫害も跳ね返して頑張ってきたという政党ですし。私たちは力があります。国会の議席は少ないけれども、全国2万の支部があって、草の根で本当に様々な要求を取り上げて、みなさんよくご存知だと思うけれども、国政と結んで一つひとつ願いを実現していきました。
私たちは、なんと言っても歴史があります。90年の試されてきた歴史がある。こういう政党が伸びてこそ、日本の政治を真面目でまともなものに変えていくことができるんだと。その共産党が持っている値打ちを正面から訴えて、ぜひ比例代表で大きく伸ばしていただいて、議席を2倍にと。日本の政治に衝撃を与える結果を出したいと思っていますので、頑張っていきたいと思います。
角谷:今お話があったように、各党の中でも、「昨日、今日出来た党ではない」というお話がありました。今年、結党90年ということで、その中の歴史を踏まえると、戦後60年の政治の歩みの中で、「一番ここだ」というところは何がありますかね?
小池:戦争が終わって、日本の次の姿を作るというところで、やっぱりアメリカの下で進むという道を選んでしまったということが、今日の日本の社会の歪みの根本にあると思いますんで。そこから抜け出して、本当に自主自立の国づくりをする。本当の独立を勝ち取るということが、決定的に大事かなというふうに思いますんで。オスプレイの問題とかTPPの問題とか、現実問題としてはいろんな問題が起こっていますから。安保条約をやめて、アメリカとは対等平等の友好条約を結ぶという、日米新時代を作ろうという外交構想をぜひ展望していきたいなというふうに思います。
角谷:はい。丁度お時間になりました。日本共産党の小池晃政策委員長にお話を伺いました。どうもありがとうございました。
小池:よろしくお願い致します。ありがとうございました。
・[ニコニコニュース]各党代表者にユーザーが質問 全文書き起こし(2/4)
http://news.nicovideo.jp/watch/nw460992
◇関連サイト
・衆議院議員総選挙2012 - 特設ページ
http://ch.nicovideo.jp/channel/sousenkyo
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