江戸時代の夏は何を食べてたの? うどん・鰻・西瓜etc…夏を乗り切る“江戸っ子グルメ”が美味そうな件
ニコニコニュース / 2022年7月28日 21時0分
今回紹介するのは、僧兵さんが投稿した『幽々子様の江戸グルメ【夏】』という動画。
音声読み上げソフトを使用して、同人ゲーム『東方Project』の西行寺幽々子のキャラクターが、暑い夏をしのぐ江戸っ子の夏のグルメについて解説を行います。
投稿者メッセージ(動画説明文より)
夜中に作っていると拷問だなこりゃ
風邪を引いた医者が食べて寝たら治ったといわれる「うどん」
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幽々子:
江戸っ子たちはどんなものを食べて夏の暑さを乗り切っていたのでしょうか?
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幽々子:
当初は、「うんどん」や「あつむぎ」と呼ばれ、やがて「うどん」と呼ばれるようになりました。家光の頃に刊行された『料理物語』には、うどんの作り方が詳しく載っていますが、作り方は現代のものと大差ありません。
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(画像はAmazonより)
幽々子:
江戸中期には、そばの文化圏である信州や甲州出身者が増え、江戸っ子の口に合う濃口醤油の普及で蕎麦が増えてきますが、大抵のうどん屋はうどんとそばの両方を扱っていました。蕎麦が主流になってもうどんは残り、風邪を引いた医者が、熱々のうどんを食べて寝て治したという句も残っています。
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風邪を引いたらうどんを食べていたことに、「現代とかわらんな。うちも熱出したときは鍋焼きうどん」といったコメントが寄せられました。
栄養とスタミナが豊富な「ドジョウ」と「ウナギ」
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幽々子:
江戸周辺はもともと湿地帯を埋め立てた土地のため、あちこちに川やため池、沼があり、メダカやドジョウが泳いでいます。ドジョウは美味な上に栄養も豊富で、夏バテや貧血に良いと言われており、酒を和らげるとされ、悪酔い防止にも食べられていました。旬の初夏になると、ドジョウをそのまま入れた鰌汁(どじょうじる)や骨を抜いて醤油で煮付けた丸煮が江戸初期から食べられています。天保になると横山町の柳川という店で、頭と骨を取ったドジョウとごぼうを煮て玉子でとじた柳川鍋が登場します。柳川鍋は上方でも作られるほど人気となり、幕末ではドジョウ人気が高まり、鰻(うなぎ)と並ぶほどの人気食材となりました。
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幽々子:
『本朝食鑑』という本には虚損(性的不能)を補い、倦怠感を治すと書かれています。精がつき、しかも美味ときます。
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(画像はAmazonより)
幽々子:
江戸では、背開きでさばいた鰻を竹串に刺し頭と尾を落として白焼きにしたあと、蒸してからタレをつけながら焼きます。一度蒸すことで余計な脂を落とし、ふっくらとした口当たりになります。背開きにする理由として、切腹を連想するとされますが、それを気にするような上級武士は庶民のうなぎ屋で食べることは出来ません。
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幽々子:
関東と関西の違いは開き方だけではなく、関西では焼いた鰻を蒸しません。頭を落とすのも焼いた後になります。蒸さないため、脂が残り身も江戸より固めです。そのため、上方で好まれる茶漬けにはよく合いました。
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幽々子:
鰻をタレに付ける際には塗るのではなく、タレの入った壺に鰻をくぐらせます。これにより脂やアミノ酸が混ざり、コクが出ます。このタレのアミノ酸が高温の炭火に焼かれると、メラノイジンという物質が生成され、食欲を呼び起こす、あの香りが出てくるのです。ただ、鰻の蒲焼は冷めると途端に不味くなり、江戸中期に日本橋の芝居屋の主の今助という人がご飯と鰻を一緒の丼に入れさせました。
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幽々子:
これが周囲にも評判となり、どこの鰻屋でも、丼うなぎ飯を出すようになりました。これが、うな重やうな丼の始まりでした。なお、割り箸もうなぎ飯発祥の文化です。鰻は箸がどうしても汚れるので、文政の頃、清潔な箸という触れ込みで誕生しました。
関東と関西の食の違いに、「なるほど」「うなぎ裂きの地域差、多様さには唖然とする」「だから関西はひつまぶしなのか」といったコメントが寄せられました。
庶民の夏の人気商品 「西瓜」
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幽々子:
すなわち、西から入ってきた瓜だから西瓜と書きます。元禄の『本朝食鑑』に、西瓜は水分が多いため水瓜とも書くとあります。実際、西瓜の水分は89.6%もあります。
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幽々子:
また、西瓜は値段が安く、品質の差も少なく庶民の夏の人気商品で、夏になると西瓜の行商人がよくやってきました。今も昔も、西瓜は冷やすのが定番で、井戸で冷やそうとしてドボンと井戸に落としてしまう事故はよくありました。
スイカの約9割が水分ということで、「英語だとウォーターメロンなのはそれが元なのか」といったコメントが寄せられました。
ビタミンB1が豊富な「むぎ湯」
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幽々子:
宵っ張りで夜遊びの好きな江戸っ子に人気があったのかむぎ湯です。川端の涼しい所にむぎ湯を売る屋台があり、大抵は浴衣を着た艶やかな女性が売っているため人気に拍車がかかります。
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幽々子:
江戸の人は生水への警戒心が非常に強く、夏でも温かい飲み物やむぎ湯のように一度沸騰させてから冷ましたものしか飲みません。むぎ湯は、当時の人は知ってか知らずか、白米だと不足しがちなビタミンB1が豊富で、夏バテに効くと言われていました。
江戸時代は現代のように冷えた麦茶としてではなく、むぎ湯として飲んでいたようです。「そもそも、麦茶もホットで飲めるしな」といったコメントが寄せられました。
江戸っ子が夏の暑さをしのぐ納涼法は?
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幽々子:
花火大会は江戸時代発祥のイベントで、盆踊りは鎌倉や室町発祥と言われていますが、最盛期を迎えたのは江戸時代でした。まぁ、盆踊りは死者を送る行事のはずが、幕末にはただの乱交パーティーにまで落ちて、明治になると禁止されましたけどね。食も栄養学なんてなかった時代に、経験から夏の暑さをしのぐために栄養のある食べ物で体力をつけていました。エアコンも冷蔵庫も製氷機なんて無くても、手に入るもので何とかなっていました。ちょっと暑くなると、すぐクーラーをつけてアイスや冷たいジュースを飲む現代人を江戸っ子が見たら笑うかもしれません。
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幽々子:
健康のためにも、たまには江戸っ子の逞しさを手本にしてみてはいかがでしょうか?
「江戸っ子が現代人を見たら笑うかもしれない」という幽々子のコメントに対して、「むしろ自ら楽しみにくるだろう、江戸っ子とはそういうものだ」「江戸っ子なら「お、こいつはいいや」と言いそうな気もする」など、様々なコメントが殺到しました。
解説をノーカットで聞きたい方はぜひ動画をご視聴ください。
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