米誌の人気モデルが椎骨動脈損傷で急死 カイロプラクティックが原因で2016年に起きた事故を振り返る
ニコニコニュース / 2023年3月29日 11時40分
今回紹介する動画は、ゆっくりするところさんが投稿した『【2016年アメリカ】トップセクシーモデルが突然他界 彼女はカイロプラクティックに通っていたが…『ケイティ・メイ事件』【ゆっくり解説】』。
米プレイボーイ誌のモデルだったケイティ・メイさんの突然死について、音声読み上げソフトを使用して解説しています。
■人気モデルが謎の頭痛を発症して急死
魔理沙:
今回紹介するのは、アメリカのトップモデルが意外な亡くなり方をし、全米に大きな衝撃を与えた事故だ。
今回はあまりショッキングな表現は含まれていないものの、死亡事故の一例となっているので、あらかじめ注意して視聴してくれ。
霊夢:
う……死亡事故っていうのは怖いけど……なんか気になるし、おっけーおっけーするわ。
魔理沙:
ヨシヨシ、それじゃ早速本題に入るぜ。北アメリカ大陸に広がる広大な国、「アメリカ合衆国」。
ここアメリカでは、都市圏を中心に様々な書籍が発行されており、その中でも雑誌類は古くから非常に国民に人気があった。その中の1つである、男性向け総合誌「プレイボーイ」は、1950年代から2020年まで発行され、創刊号にはあの有名な、マリリンモンローが表紙を飾っていた。
霊夢:
へぇ~、プレイボーイって私でも名前は聞いたことあるし、ロゴもみたことあるから相当有名なんでしょうね。
魔理沙:
2016年。そんな人気雑誌、プレイボーイをはじめとした、数々の雑誌で活躍していたトップモデル、「ケイティ・メイ」。彼女は1981年、ペンシルバニア州ピッツバーグで教師である両親の間に、4人兄弟の末っ子として生を受けた。
彼女は小さいころから勤勉で明るい性格をしており、高校を卒業した後は、オハイオ大学に入学。そこで小売販売の理学学士号を取得し、その後起業、廃業などを経験し、2014年に彼女はオンラインマガジンの記者からスカウトを受け、写真モデルとしての活動を始める。
これはオンライン限定の雑誌だったが、彼女のその美貌とプロポーションは、たちまち世の男性たちを魅了し、口コミで徐々に人気が広がっていき、それから2年もたたないうちに、彼女はSNSで200万人近くのフォロワー数を持つ、インフルエンサーとなっていった。
霊夢:
200万人……すご……!!
魔理沙:
ケイティは各雑誌で引っ張りだこの人気モデルとなり、プレイボーイをはじめとした男性向けの雑誌から、スポーツ雑誌などにも載るようになり、当時もっとも勢いのあるモデルとして知られるようになった。
彼女には2016年の時点で、7歳になる一人娘がいたが、シングルマザーとしての一面も持っており、そのギャップから人気はさらに過熱したと言われている。
霊夢:
へぇ~、なんかかっこいいママね。
魔理沙:
この年のはじめごろ。彼女は雑誌掲載用の写真撮影中に、カメラマンの要求にこたえ、首をひねったポーズをとっていたんだが、その時に首の痛みを覚えた。
しかし、「我慢できないほどではない」と考え、ケイティは撮影を続けたがこの日就寝した後も、首の痛みは治まるどころか、どんどん悪化していき、翌朝になっても改善されていなかった。
霊夢:
首とか腰は痛めると怖いわよ……。
魔理沙:
……そうだな。ケイティは首の事をすぐにマネージャーに相談した。SNSのフォロワーたちにも、「首が痛いんだけど、どうしたらいいかな? 」と同時に相談。彼女のつぶやきを見たフォロワーは、医療機関を受診するように勧めたり、湿布を貼って安静にするように勧めた。
一方で、マネージャーは「カイロプラクティックを受けてみては?」と提案。
霊夢:
カイロプラクティックってきいたことあるわね。
魔理沙:
ああ。日本にも多いからな。カイロプラクティックというのは、1985年にアメリカで生まれたもので、投薬や手術をせず、脊椎や体の各部位のゆがみを矯正することで、痛みの軽減や自然治癒力の向上を目指すものとされている。
霊夢:
マッサージってことね。
魔理沙:
いや、マッサージと似てはいるんだが実は違う。マッサージは皮膚表面を押す、揉む、さするなどの刺激を加えることで、血液などの循環を促し、筋肉のこりをほぐすものだ。
霊夢:
へぇ、そんな違いがあったんだ。
魔理沙:
カイロプラクティックの発祥地であるここアメリカでは、国家資格として法制化されており、専門の大学で4,200時間以上のカリキュラムを終了した者にのみ、「ドクターオブカイロプラクティック」という学位が与えられ、さらに州ごとに定められたライセンスを取得した者だけが、患者に施術することができる。
ケイティはマネージャーの勧めで、家の近くで開業していたカイロプラクターの下を訪れ、事情を話して施術を受けることになった。
ケイティを担当したカイロプラクターは、彼女の症状を確認し、体のゆがみ具合などを見ると、首を旋回させるようにして施術を行った。これでこの日の施術は終了。
ケイティはそれほどこの施術に効果を感じてはいなかったものの、「続ければ効果が出るだろう」と考えていた。しかし、首の痛みは依然として改善されなかった。
霊夢:
すぐには効果が出ないのかしらね……。
魔理沙:
仕事中に首はまだ痛む。疲れもたまっていたため、彼女は少しの間休業し、回復に専念することにした。その間、ケイティは前回と同じように、あのカイロプラクターの施術を受けた。
今回も首を旋回させたり、体のゆがみを直すための処置を約30分間受けた。しかし、首の痛みはむしろ増すばかり。それどころか、頭痛まで起きるようになっていた。
霊夢:
えぇぇぇ……ちゃんとした病院にいったほうがいいんじゃないの……。
魔理沙:
そうだな……だがケイティは医療機関を受診せず、カイロプラクティックの施術を受け続けた。
そして、2月1日。カイロプラクターに、頭痛がすることや首の痛みが改善されていないことを話すと、この日は「さらに念入りに施術を行いましょう」ということになり、首を引っ張って伸ばし、間隔の詰まってしまった骨の矯正をはかる処置を受けた。
しかし、この念入りの施術によって、最悪の事態が起きてしまう。
霊夢:
ドキドキ……。
魔理沙:
施術後に帰宅し、約8時間が経過したころ。ケイティは突然の凄まじい頭痛に襲われ、手足がしびれてその場にたっていることさえできない状態になってしまった。しかも、うまく言葉を発することもできない。
霊夢:
なななな、何が起きてるのよ。
魔理沙:
意識が遠のく中、ケイティは携帯電話でマネージャーに連絡をし、その場に倒れこんだ。マネージャーはすぐに駆け付け、ケイティを近くの病院に運んだ。
意識がもうろうとして、呂律も回らない状態の彼女は、すぐに医師の診察を受け、「椎骨動脈解離」と診断された。
霊夢:
聞いたことない病名だけど……。
魔理沙:
人間には、首の骨に沿って走る、椎骨動脈という血管がある。これは脳に血液を送るために重要な血管なんだが、ケイティはこの血管を損傷していた。
この血管は三重構造になっており、血管の壁に裂け目が生じて、そこに血液が流れ込んでしまうと、血流が悪くなり、血栓ができてそれが脳に詰まり、脳梗塞を起こす恐ろしい病気が、この椎骨動脈解離だった。
霊夢:
の、脳梗塞を起こしてたから、うまくしゃべれなかったんだ……。
魔理沙:
ああ。病院に運ばれた彼女は、すぐに損傷した動脈を修復する手術を受け、血流の改善が図られたが、術後も意識は戻らないままだった。
霊夢:
脳って、一度ダメージを受けたらもう戻らないって聞くもんね……。
魔理沙:
ああ。そして、彼女はそのまま脳死状態となり、2度と目を覚ますことはなかった。
霊夢:
う、うわぁ……。
魔理沙:
彼女の故郷、ピッツバーグに暮らす両親は、医師から娘が突然脳死状態となったという、残酷な宣告を受けることとなり連絡を受けた兄弟や友人たちが駆け付け、彼女の事を見守る中、家族はもうケイティが回復する見込みはないと説明を受け、生命維持装置を外すことに同意。
首の痛みを訴えてから、わずか9日足らず……。アメリカのトップモデルシングルマザーは、34歳という若さで急死した。
霊夢:
なんでこんなことになるのよ……。
魔理沙:
ケイティがこの世を去った後、検死が行われた。その検死報告書には、「カイロプラクティックによる施術」が原因として挙げられていた。
霊夢:
え、治すための施術だったのに……?
魔理沙:
実は彼女の首を繰り返しひねったり、引っ張って伸ばすなどの施術によって、ケイティの椎骨動脈が裂け、それが原因で命を落としていたと断定された。
霊夢:
そんな……。
魔理沙:
この結果を受け、両親とケイティの娘の父親である男性は、施術を行っていたカイロプラクターに対し、訴訟を起こした。遺族らは「彼女の症状を聞いたあと、病院で適切な検査を受けるよう、促すべきだった」と主張。
また、検死によってカイロプラクティックが原因であると判明していることなどを指摘。
さらに、このカイロプラクターはケイティの治療記録を、彼女の死後4日が経過してから提出していたことを疑問視し「ケイティの容体が急変したことに、自身の治療が影響していることに気が付き、カルテに後から何らかの手を加えていたのではないか? 」とも指摘した。
カイロプラクターはこれを否定したが、その後2022年1月に、カイロプラクターが25万ドルの和解金を支払うことで和解。不正行為などは認められなかったという。
霊夢:
結構長く争ってたのね……。
魔理沙:
ああ。この訴訟には彼女の娘も参加していたらしいしな。このトップモデルが急死、しかもアメリカで広く認知されている、カイロプラクティックが原因とされたこの事件は、各種マスコミが取り上げ、大ニュースとなった。
霊夢:
もともと雑誌のモデルさんだったもんね……。
魔理沙:
ああ。彼女の死後、この件についてわが国でも様々な意見や指摘、カイロプラクティックをはじめとする、医療類似行為に対しての批判の声が高まった。
霊夢:
確かにそういう声もあがりそうね……。
魔理沙:
この動画では、カイロプラクティックをはじめとするその他の医療類似行為に対して、効果の有無を語るつもりはない。
ただし、カイロプラクティック療法については、従来よりその有効性や、危険性が明らかでなかったため、厚生労働省では、「脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究」のための研究会を設け、検討を行い、報告書が取りまとめられた。
しかし、この報告では、カイロプラクティック療法による医学的効果について、科学的評価はいまだ定まっておらず、今後も検討が必要だという認識になっているという。
また厚生労働省では、カイロプラクティックには様々な手技があり、中には危険なものも含まれているとされ、とりわけ頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があると認識されている。
霊夢:
やっぱり首とか脊椎関係って、慎重にならないといけないのね……。
魔理沙:
さらに、アメリカでは国家資格が必要だと先述したが、わが国ではカイロプラクティックの施術に必須の資格は存在せずセミナーや専門学校などで安全な施術を学ぶ場所はあるものの、無資格でほとんど知識のない自称医師が患者に危険な施術を行い、負傷するなどの事故が発生するケースも少なくないため、政府や自治体は注意喚起を行っている。
霊夢:
そういえば、ちょっと怪しいクリニックって、いろんなところにあるわよね……。
魔理沙:
病院などとは違い、そういったクリニックは開業するのに医師資格はいらないし、カイロプラクティックの場合は施術師も特別な資格は必要ないため、中には悪質なところも出てきてしまうんだろうな。日本にもカイロプラクターを養成する場所もあるが、半日のセミナーを受け、翌日から開業できるという実態があり、問題視されている。
霊夢:
そんな簡単に……。
魔理沙:
これは極端な例だがな。ちなみに現在、日本ではカイロプラクティックの法的資格制度が確立されていないため、玉石混合状態となっているが日本カイロプラクティック登録機構、協会では、WHO基準のカイロプラクター登録制度を実施し、厚生労働省へ名簿を提出しているそうだ。
繰り返しになるが、こういった医療類似行為は、その効果に個人差があると言われているし、科学的に効果が証明されていないものも多くあるので、受けるかどうかは個人の判断になるが、少しでもおかしいと思ったり、体の異変を感じたら、すぐに医療機関を受診したほうがいいだろう。
霊夢:
そうね……ケイティももう少し早く病院に行っていれば……。
魔理沙:
おっと、少し長くなってしまったが、今回の紹介はこの辺で終わりにしておくぜ。
解説をノーカットでご覧になりたい方はぜひ動画をご視聴ください。
『【2016年アメリカ】トップセクシーモデルが突然他界 彼女はカイロプラクティックに通っていたが…『ケイティ・メイ事件』【ゆっくり解説】』
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