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漫画『鬼滅の刃』に登場した、ある行為の俗称『産屋敷ボンバー』を解説【ニコニコ大百科出張所】

ニコニコニュース / 2024年7月25日 14時0分

 ニコニコ大百科は、サイバー攻撃の影響によりサービスを一時停止していましたが、7月9日より読み取り専用として仮復旧しました。
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 ニコニコ大百科では、このような状況を受けて、ニコニコニュースオリジナルにて「ニコニコ大百科出張所」を開設しました。
 「ニコニコ大百科出張所」は、記事作成ができないニコニコ大百科に代わり、編集者の皆様から記事を募集し、ニコニコニュースオリジナルにて公開する取り組みです。

 以降は、「ニコニコ大百科出張所」にご寄稿いただいた楠野小川さんによる「産屋敷ボンバー」という単語の解説記事となります。

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文/楠野小川


産屋敷ボンバー(ウブヤシキボンバー)

産屋敷ボンバーとは、漫画『鬼滅の刃』に登場した、ある行為の俗称である(作中で公式にこう呼ばれているわけではない)。

概要

ネタバレ閲覧の権を他人に握らせるな!!
この項目は、単行本16巻、アニメ柱稽古編のネタバレ成分を含んでいます。
閲覧の際は自己責任で猪突猛進!!猪突猛進!!














単行本では16巻の138話、アニメでは「柱稽古編」の8話に登場。

主人公の竈門炭治郎が所属する、鬼を討伐する「鬼殺隊」の最高管理者の「産屋敷耀哉」が起こした行動。鬼の首領である「鬼舞辻無惨」が自宅に単独で侵入して対峙し話を終えた後、自邸全体と妻・子供2人(産屋敷あまね・ひなき・にちか)を巻き込んで自爆攻撃を行ったことからこの名前が付いた。

ちなみに妻・子供は爆発に巻き込まれることを(描写からするとおそらくは)了承済みで、さらに言えば耀哉のもとに自分から残ろうとしていた(17巻144話)。爆発に巻き込まれて4人とも亡くなったほか、無惨も重傷を負っている。

爆発の背景

耀哉は驚異的なカリスマ性を備えており、多くの強い剣士を鬼の殲滅のために従え、先祖代々続く「鬼殺隊」を組織している。しかし本人に刀を握って戦える力はなく、無惨と会った際には既に病のために寝床で血を吐いている状態だった。ちなみに産屋敷家の歴代当主は呪いのために寿命が短くなっており、耀哉ももう命は長くないことを自覚している。

耀哉は無惨を殺した場合は全ての鬼が滅ぶと察しており、自分が死ねば鬼殺隊の士気が上がると予想していた。そして、数日前に無惨が自分のもとに来ることも産屋敷家当主が代々持つ「先見の明」で察知しており、無惨をおびき寄せて後述の策にはめるため、自分自身と家族を囮として使い、この自爆に至ったと考えられる。

「何百何千という人間を殺しても私は許されている」と爆発前に耀哉に語りかけていた無惨も、これに対しては「産屋敷という男を人間にあてる物差しで測っていたがあの男は完全に常軌を逸している」「妻と子供は承知の上だったのか?」と常人のような感想を抱いている。ただ、これに関しては「妻と子供が最後まで夫・父親の元にいたい」という愛情を理解できないためと見る声もあり、そもそも何も罪を犯していない人間を無惨が多数殺害した結果、産屋敷家の現在の境遇・鬼殺隊が作られるきっかけを自分自身で作っているので、決して無惨側が常人というわけではない。

耀哉が完全に殺意を隠して接していたために、無惨も奇妙には感じていたが自爆まではその意図を察知できていなかった。護衛をつけず家族4人で待っていたのも、(意図していたかは不明だが)無惨の警戒を解く効果があったのかもしれない。

さらには歴代の当主も護衛をつけていなかったため、「どの当主も万が一の場合はこうした自爆攻撃をとる覚悟だったのでは?」という考察もある。

ちなみに柱(上位隊士)で最年長・最強の悲鳴嶼行冥のみがこの計画を事前に知っており、爆弾の点火を実行している。また、爆発という点から、元・音柱の宇髄天元も関わったのではとする説もあるが、作中に描写があるわけではない。

その後

無惨はしぶとい肉体の再生能力を持っているので、この自爆では死亡することはなかった。しかし、爆風とともに細かなまきびしが飛び出て刺さり、無惨の体の再生を遅らせた。さらには空中の細かな細胞片から棘が飛び出て動きを固定され、姿を術で隠していた珠世から体を人間に戻す薬を打たれてしまい、加えて悲鳴嶼の鉄球による攻撃を受ける。

ちなみに、これらも「浅草ニードル」「珠世ポイズン」「岩柱ハンマー」等の通称で呼ばれる場合がある。「浅草」は棘が出る技について、過去に浅草で偶然無惨に鬼にされてしまった通行人(浅草の人)の血鬼術であったことから。

その後の無惨は、産屋敷家襲撃の情報を知らされて駆け付け、同時に到着した柱たちに囲まれ攻撃を食らいそうになる。しかし直後に全ての鬼殺隊士の足元に障子が出現し、ところかまわず強制的に無限城(鬼の本拠地)に突き落とされ、「無限城編」に突入する。

同時に柱が到着したのは、悲鳴嶼によると耀哉の采配のためとされている。無限城に入ることや、(鬼が日光で焼け死ぬ)夜明けまでの持久戦になることまで想定済みであり、産屋敷邸の爆発だけで無惨が死なないことも十分事前に予想されていたと思われる。

ただし悲鳴嶼以外の柱は事を知らされていなかったため、おそらくは爆発についても当時は無惨の攻撃によるものと思っていた可能性が高い。

なお、産屋敷家の全員が亡くなったわけではなく、その後は事前に避難していた息子で8歳の輝利哉が当主となり、妹のかなた・くいなの補佐のもとで、無限城での戦いを指揮している。

語の初出・アニメ版の描写

「産屋敷ボンバー」自体は単行本16巻が発売された2019年7月ごろには既に語として存在しているようだ(参考)。

爆発については、元の漫画のコマでは2ページ分に大きく「ドン」と描かれていたが、アニメでは1分ほどに及んでゆっくりと床から炎が上がり、屋敷が爆風に飲まれていく精緻なアニメーションが映されたため、多くの視聴者の印象に残ったらしく、放送された直後の2024年7月1日ごろに「産屋敷ボンバー」がSNSのトレンド入りする事態になった。

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