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「ツタンカーメン」の額の蛇は攻撃用課金アイテムだった!? 古代エジプトの「死者の書」から亡骸と共に埋葬された品々の意味を紐解く

ニコニコニュース / 2024年11月14日 18時10分

 今回紹介するのは、ニコニコ動画に投稿された『ゆっくり歴史よもやま話 古代エジプト死者の旅(副葬品)』という二点星さんの動画です。


 投稿者の二点星さんは、歴史に関する様々な解説動画を投稿しています。
 今回ご紹介する動画は、古代エジプトで信じられていた死後の世界「ドゥアト」について記した書物「死者の書」から、当時の死生観や文化、ドゥアトで起きる事柄を解説するシリーズの1つです。

 取り上げるのは、死者と共に埋葬された数々の「副葬品」たちです。
 古代エジプトでは死者はドゥアトで「イアルの野」と呼ばれる理想郷を探して、危険な試練が待ち受ける不毛の荒野を旅すると考えられていたそうです。
 現在でも棺に様々な物を入れて火葬、埋葬する文化がありますが、古代エジプトではドゥアトでの危険な旅を乗り越えるためのアイテムとして墓に収められたとのこと。

 投稿者の二点星さんはその価値観を、動画シリーズ内でユーモアを交えて「課金アイテム」と表現されています。
 今回の動画では「オススメの初期装備」として、副葬品を9つ紹介しています。

 1つ目は「ウシャブティ」です。「答えるもの」と言う意味を持つ陶器などで出来た人形です。
 道具を渡すと簡単な仕事をしてくれるそうですが見ていないとサボり、指示できるのは1年に1回だそうです。

 2つ目は「アンク」です。様々なご利益のある縁起物だそうです。
 アンクを持っているとドゥアトで倒れたとき1度だけ再起できるとされており、ある意味、死者蘇生の効果があります。

 もともとはファラオの特権だったのですが、時代が進むにつれて広く使われるようになったようです。

 3つ目は「ティト」です。「イシスの結び目」と言う別名を持つ、魔術的な加護が得られるお守りです。
 具体的なモチーフや起源、効果についてはよく分からないとのこと。

 「イシス」は冥界の神オシリスの妻であり、魔術を司る者、万物の名を知る者とされる女神です。
 妹であるネフティスと共に冥界の死者を守護する神として信仰されていたそうです。

 4つ目は「ジェド柱」です。別名「オシリスの背骨」と呼ばれる天が落ちないように支える4つの柱をかたどったお守りです。
 死者の背骨の代わりになるとされており、これがなければ立つことさえできないそうです。

 木材を輸入に頼っていた古代エジプトでは、大きな柱は富と権力の象徴だったとのこと。
 柱を大事な物として捉える価値観は、当時の生活から根付いたもののようです。

 5つ目は「ウジャトの目」または「ホルスの目」です。「ラーの目」とも呼ばれる魔除けです。
 ホルスが父の仇であるセトとの闘いで目を失いますが、神々の助力で目を取り戻すことができたという神話から再生や魔除けを意味する縁起物になったそうです。

 ただし「名前や由来、ご利益がころころ変わるためこの目に関しては古代エジプト人もざっくりと認識していたようだ」とのことです。

 6つ目は「バステト像」です。とても可愛いですね。

 ご利益についての解説はありません。

 7つ目は「セネト」です。「通過」の意味を持つ2人用のボードゲームです。
 紀元前3500年には既に存在しており、人類のボードゲームの起源とも言われるそうです。

 古代エジプトでは、釣りや狩りといったレジャーが盛んだったそうで盤上遊戯はその中でも上流階級のたしなみだったそうです。
 死後の世界でもレクリエーションが必要なタイミングもあるのでしょう。

 8つ目は「スカラベのお守り」です。
 古代エジプトで神聖な臓器とされていた心臓はミイラを作るときにも体内に残し、胸の上にこのお守りを置いたそうです。

 古代エジプトではフンで球体を作る虫であるスカラベ(フンコロガシ)は太陽と結びつけて考えられていたそうです。
 お守りのほかに、スカラベのミイラを遺体の耳に突っ込むこともあったようです。

 最後となる9つ目は「ウラエウスのお守り」です。ウラエウスは王家を守護する蛇女神たちの総称・尊称でツタンカーメンの黄金マスクにも、額の位置にあしらわれています。

 ウラエウスが放つ炎と毒は、打ち消すことも防ぐこともできないとされており、このお守りは貴重な攻撃用アイテムとして主に王家の者たちと共に埋葬されたそうです。

 様々な「課金アイテム」を見ると、死後の世界「ドゥアト」での旅路は副葬品の質で大きく難易度が変わることが想像できます。

 動画では、それは古代エジプトの身分制度とも関係していたのではないかと考察されています。
 「貴族の方が副葬品に課金でき、死後に有利になる。当時としては現実的で当たり前の理屈であり、王ともなれば豪華絢爛な最強装備が基本」とのこと。

 当時の文化や生活、宗教観や死生観に触れることができる興味深い動画でした。

 興味がわいた方は、下記リンクの動画や同シリーズの他の動画もお楽しみください。

 視聴者のコメント

まるでローグライクゲームじゃん
遊戯王で見た
やっぱり死者蘇生じゃねーか!!
原西「立ってられへん」
丸太は持ったか!?


▼動画はこちらから視聴できます▼

『ゆっくり歴史よもやま話 古代エジプト死者の旅(副葬品)』
https://www.nicovideo.jp/watch/sm44138427

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