ドルオタが妄想だけで事件を解決!? 『妄想受信探偵カケル』は「考えるな感じろ!」な衝撃ミステリー
ニコニコニュース / 2020年9月12日 10時50分
今回ご紹介するのは、クールでハードボイルドで極めて電波な、ある探偵の物語です。
ニコニコユーザー漫画で連載中の『妄想受信探偵カケル』(作者:漫画制作チームHEADLINE)の主人公は、ヒトコトで表せば“自分を探偵だと思い込んでいる一般ドルオタ”なのですが……彼の妄想力と推理力はホンモノ!
いき過ぎた“推し”への愛が神がかり的な展開を生みまくる、驚愕&抱腹絶倒の新感覚ミステリーをお楽しみください。
人気アイドル・アイルをこよなく愛する男の正体とは
満員電車に揺られながら、スマホの画面を眺めていたスーツの男性。
彼はどうやら、人気アイドルグループ“りんかい7”の天王院アイルが出演する動画を鑑賞しているようでした。
「今月発売したあの曲、タイトルは覚えてくれたかなぁ?」と、無垢な笑顔を振りまく画面の中のアイル。
そんな姿を見つめる男性の前では、オッサンが卑劣にも痴漢行為に及んでおり……。
するとこのドルオタ男性が、鮮やかなアームロックを決めて痴漢を成敗!
さらに苦痛に顔を歪める痴漢男に対して、彼は意味深に「いちごがターゲット」と言い残すのでした。
いったいこの男性は何者なのか。痴漢騒動の後で、彼はとある喫茶店に足を運びます。
「ただいま」とのつぶやきを見る限り、この店が彼の自宅である模様。
続いて男が本棚に手をやると、なんと地下室につながる隠し階段が現れます。
地下室に下りた男を出迎えてくれたのは、壁一面を埋め尽くす勢いで貼られたアイルのポスター、写真、etc……!
そこでなぜか全裸になり「これで良かったんだよな、アイル」とひとりごちる彼こそ、妄想受信探偵カケル。
残念ながら本作の主人公その人でした。
カケルの“妄想受信探偵”たるゆえんとは
何がなんだかわかりませんが、とにかく強烈なインパクトを放ちながら我々読者の前に姿を現したカケル。
いろいろとツッコミどころはあるものの、最大の疑問点はなぜ彼が“妄想受信探偵”なのかでしょう。
アイルのポスターに向かって、カケルは「今回の指令はなかなか骨が折れたよ」と語りだします。
要するに彼は、新曲“いちごがターゲット”をキーワードと受け取って推理を展開し、先ほどの痴漢魔を懲らしめるにいたった模様。
そうして事件解決のカラクリを明かしたカケルは、アイルの等身大フィギュアの前にてなお一層の忠誠を誓うのでした。
カケルにとって、喫茶店のマスターという肩書きは世を忍ぶ仮の姿。
彼は人知れずアイルの暗号を受け取って解読し、指令を遂行することを使命とする探偵だったのです!
そして驚くことに、いま語られた彼の探偵業に関するすべてのことは……。
ことごとく、カケルの妄想なのでした! ……って、そんなのアリ!?
念のため強調しておくと、アイルと彼の関係値はあくまで“アイドルとファン”であってそれ以上でも以下でもありません。
それにもかかわらず、なぜかカケルの妄想100%の推理は彼を事件現場へと導いてしまうのです。これも愛のなせるワザなのか……!?
「そんなの妄想だ」
偶然か、はたまた必然なのか。
言ってしまえばアイルの発言等々を拡大解釈しているだけなのに、なぜか探偵として優れた手腕を発揮してしまうカケル。
しかしある日、不幸にもスキャンダルによりアイルが炎上してしまいます。
アイドル生命に関わる事態に追い込まれた“推し”を救うべく、必死にメッセージを探すカケル。
すると彼の目に、“キューティーピーチ”というキーワードが浮かび上がります。もちろん、単なる偶然でしかないのですが……。
カケルがその暗号を解読できぬまま、絶賛炎上中のアイルはライブ当日を迎えることに。
しかし、会場でカケルが目にしたのは、大量のブーイングをものともせず最大限のパフォーマンスを発揮せんとする彼女の姿でした。
アイルのアイドルとしての気高さに、いま一度ひざまずいて最大限の敬意を表したカケル。
そして彼は、愛すべき彼女の探偵として立ち上がるのでした……!
カケルが向かった先は、ライブでのブーイングを扇動したアイルアンチの住む家。
なんとこの男、またしても己の思い込みと妄想だけで事件の核心へと迫ってみせたのです。
突然わけのわからん男(カケル)に不法侵入され、驚いたアイルアンチはその場から逃走。
唐突に開幕したチェイス劇のなかで、彼はアンチ化するにいたった理由を吐露し始めます。
しかし、アンチの心情を「そんなの妄想だ」と切って捨てるカケル! ほかでもない貴様がそれを言うのか……。
そもそも今回の炎上の発端となったのは、アイルがSNSにアップした写真にタバコが写っていたことでした。
その事実についてカケルは、彼女の亡くなった父の墓前に捧げるためのものだったとの推理を展開。
実際のところはどうあれ、これほどまでに論理的思考と客観視を捨て去った探偵などいままでにいたでしょうか。
しかしながら、真実とはときに残酷なもの。もしカケルが真っ当な探偵であったなら、悲しいだけの事件で終わっていた可能性も大いにあったのです。
そう思うと、俄然この妄想と私情まみれの迷探偵が無性にカッコよく見えてくる気がしないでもなく……!
果たして、このアンチとのチェイス劇はどのような結末を迎えるのか!? 衝撃のクライマックスを、ぜひこちらのページよりチェックしてみてください。
(画像はニコニコ漫画『妄想受信探偵カケル』より)
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