名作ホラーゲーム『バイオハザード4』は何故ガンシューティングへモデルチェンジしたのか? システム変更の謎や“幻のバージョン”に迫る考察動画をご紹介
ニコニコニュース / 2020年11月5日 11時30分
『バイオハザード』。1996年の発売以来、初代PlayStationからさまざまなハードでシリーズ展開され、発売が迫るPlayStation 5でのリリースも発表されている人気のサバイバルホラーゲーム。
ナンバリング作品から外伝作品、最近ではリメイク作品と幅広い展開を行ってきた本シリーズはさまざまな変化を遂げてきた。
中でも特筆すべき変化はラジコン操作で謎解きや探索を行う従来のシステムから、いわゆるTPSのようなガンシューティングへフルモデルチェンジしたシリーズ第6作である『バイオハザード4』。
現在の『バイオハザード』の新たな基礎を築いたといっても過言ではない『バイオハザード4』には、ラジコン操作など従来のシステムを採用した幻のバージョンが存在したことをご存じだろうか?
今回紹介するのはゲーム夜話さん投稿の『【バイオ4】幻のバージョンとモデルチェンジの理由を考察【第86回前編-ゲーム夜話】』という動画。
この動画は『バイオハザード4』の開発中に生まれた従来のシステムを採用した幻のバージョン、通称『バイオハザード3.5』を捨て、本作が生まれるに至った経緯を考察するというものだ。
今回はシリーズ屈指の名作として挙げられることも多い本作の魅力と、幻のバージョンが生まれてしまった経緯について考察する動画をご紹介する。
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従来のシステムからフルモデルチェンジを果たした『バイオハザード4』
『バイオハザード4』といえば先述の通り、それ以前固定カメラのいわゆるラジコン操作のホラーアクションアドベンチャーゲームから、現在の基礎とも言えるガンシューティングへフルモデルチェンジした作品だ。
前作に位置する『バイオハザード0』まではゾンビを軸にした敵が登場していたが、『バイオハザード4』に登場するのは一見普通に人間に見える村人ばかり。
普通の人にしか見えない大勢の敵が押し寄せるという、それまでの『バイオハザード』とは全く違った雰囲気も特徴のひとつだ。
後のシリーズにも登場する画面に表示されたボタンに合わせてプレイヤーがアクションを起こすQTEをはじめ、チェーンソーを持った男や巨人、巨大な魚などパニックホラーな要素も多く取り入れられている。
それまでとはまるで違った作風ではあるものの、「バイオっぽさなくなったけど、システム的には一番面白かった」というコメントが寄せられていることからも見て取れる通り、プレイヤーからの評価や人気は非常に高い作品となっている。
開発中に生まれた幻のバージョン通称「バイオハザード3.5」
ガンシューティングへとフルモデルチェンジした『バイオハザード4』には、開発中に生まれた幻のバージョンが存在する。
それが従来のシステムを採用した固定カメラ型のアクションアドベンチャー版『バイオハザード4』、通称「バイオハザード3.5」だ。
さまざまなハードへ移植されている『バイオハザード4』だが、2005年に発売されたゲームキューブ版の初回特典には、開発途中で没になったバージョンとしてこの幻のバージョンの映像が収録されている。
映像を見てみると現在の『バイオハザード4』よりもオカルト的な演出が多く、小さな人形がレオンを襲う様子や動きだす甲冑、果ては絵画から現れる霊のような存在が確認できる。
また、プロモーションビデオでは「浸食・汚染・暴走」というキーワードが挙げられており、没バージョンは古典的なホラー演出を軸に浸食や汚染といった得体の知れない脅威がテーマになっていたようだ。
動画を見る限りでは「これはこれで面白そうだ」と思わせるクオリティの開発版は何故幻のバージョンとなったのだろうか?
受動的を捨てるため? 開発が満足しなかった幻の『バイオハザード4』
システムを引き継いでいるものの、ゾンビが現れないなどそれまでのシリーズとは違った展開になるはずだった幻の『バイオハザード4』は何故リリースされなかったのか? その謎を解き明かすカギは「受動的」と「能動的」というキーワードにあるようだ。
初代『バイオハザード』から3作目まではパニックホラー的な要素が強調されているという。初代ではでは途中からプレイヤーがゾンビに馴れることを想定しているかのように、ハンターの登場以降は転がる大岩や追いかけてくるサメが登場。
続編である『バイオハザード2』、『バイオハザード3』では出現するゾンビを増やした「数の恐怖」や圧倒的な脅威である「追跡者」から逃げることがテーマになっているなどスリルやパニックを駆り立てる方向性をスケールアップさせてきた。
没バージョンとなった『バイオハザード4』ではこれまでのパニックホラー的な方向性はやり尽くしたと感じたのか、それとも追跡者以上の刺激やインパクトを与えるアイデアはもはや存在しないと判断したのか、オカルト的な古典的ホラー演出を追求。
しかし、パニックホラーから古典的なホラー演出を追求した『バイオハザード4』も没になってしまった。
従来の『バイオハザード』と古典的なホラー演出を追求した没バージョン。考察によればこれらは根本的にはどれも“受動的”なゲームであるという共通点があるようだ。
まさにこの共通点こそが没になったカギであり、動画では『バイオハザード』の開発は主人公たちの身に迫る脅威に対し受け身的にリアクションが生じる受動的なスタンスにある種の行き詰まりを感じたのではないかと予想。
それにより状況に合わせて使用する武器や撃つ部位などを選択する“能動的”なガンアクションへ舵を切ったのではないかと考察されている。
リメイクを期待する声も多い『バイオハザード4』が何故ガンシューティングへとフルモデルチェンジするに至ったのかを考察する本動画。
動画では今回紹介したもの考察以外にも開発にかかわるものからプレイヤーが本作に夢中になるメカニズムまで、濃密な考察が行われているため、ぜひ動画をご覧いただきたい。
文/富士脇 水面
【バイオ4】幻のバージョンとモデルチェンジの理由を考察【第86回前編-ゲーム夜話】
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