俺がママになるのかよ!? 『天使の卵を割ったせいでママって呼ばれるおっさんの話』はシュールだけどハートフルな家族愛コメディ
ニコニコニュース / 2020年12月14日 10時50分
おもに鳥のヒナなどが、生まれて最初に見た動物を親だと認識する習性を“刷り込み”と言いますが……。
ニコニコ漫画のユーザーマンガ『天使の卵を割ったせいでママって呼ばれるおっさんの話』は、そんな“刷り込み”を発端とした家族愛(?)コメディ。
ハードボイルドなおっさんと純真無垢な鳥っぽい少女の出会いから始まる、心温まる物語をお楽しみください。
作者:樋口紀信(@susujinkou)
自殺願望持ちのおっさんと巨大な卵
何やら荷物を抱えて“いわく付きの森”を歩いていた中年男性。
彼がこの場を訪れた理由はひとつ、首を吊るため……だったのですが。
道中でこれほど巨大な卵を目にしてしまっては、足を止めざるを得ないというもの。
恐竜でもよみがえったのか、冗談みたいなサイズの卵を前に男性は「ナニコレ?」と立ちつくします。
「オブジェの不法投棄か?」と、思わず卵に触れてしまうおっさん。
するとそれをきっかけに亀裂がみるみる広がっていき、さらに中で何かがうごめきだす気配すらも。
うろたえるおっさんを尻目に卵は割れ、中から出てきたのは……まさかの女の子!
しかも生まれたてだというのに、なんという大きさなんだ。皆までは言いませんが。
驚愕の光景を前に、くわえタバコを落としてしまうおっさん。
対する女の子は、そんな彼をじっと見つめた後でうれしそうに「まま!」と叫ぶのでした。
あっ、これ……取り返しのつかないヤツでは……?
ママになったおっさんの後ろ暗い過去
“刷り込み”によるものか、卵から生まれた謎の少女に突如ママ認定されてしまったおっさん。
こんな状況を冷静に受け止めろというほうがムリな話で、彼は女の子を突き放してしまいます。
すると少女は「ままと一緒にいるのーー!!」と大絶叫。
じつは“刷り込み”というのは一度起こると消去が難しいらしく、彼女としてはおっさんが親であるという認識をそう簡単には変えられないようでした。
加えて意外とすぐ近くに民家があったというシュールな事情も重なり、虐待を疑われたおっさんは止む無く少女を連れて帰ることに……。
彼の家に着いてからも、まさに鳥並みに自由な振る舞いを見せる少女。
いきなりすっくと立ち上がったかと思えば、「まま、まんま!!」とご飯をねだるなど完全におっさんになついてしまったようです。
一方で、ある程度の知能も持ち合わせており、簡単な日本語なら理解できる模様。
食事も取ろうとせず未だに死ぬ気マンマンなおっさんに対しては、「なんでなんで?」と詰め寄ります。
こんな無垢な瞳を向けられたらさすがにバツが悪いというもの。おっさんは、自殺しようとした理由をポツポツと語り始めるのでした。
おっさんが死のうとするワケは、ズバリ「仕事に嫌気がさした」から。
しかも彼は悪い仕事に手を染めていたようで、なんとも恨めしそうにドス黒い感情を吐き出します。
「ままはまましかいないの」
どうやら「悪い仕事」に加担してしまったことを後悔している様子のおっさん。
内容について少女がどれだけ理解できているかは定かではありませんが、なおも彼は言葉を続けます。
知らないうちに悪事に巻き込まれ、気付いたときには後戻りできなかったという彼。
こんな人生なら生まれてこないほうが良かったとしつつ、少女に向かって「死ぬのは自分で決めたっていいんだぜ?」と自嘲気味に語ります。
恐らくは、どうせ彼女が言葉の意味を理解できないだろうと思って言ったセリフだったのでしょう。
しかし少女は、ここで予想だにしない行動を見せます。
なんといきなりおっさんにキス……ではなく、食事を口移し。やはりこの子は鳥類であったか。
ただ、その後の「私のままはまましかいないの」という言葉は、だれからも求められず生きてきた男の心を少なからず動かします。
このワンシーンをきっかけにして、徐々におっさんの態度には変化が。
相変わらず少女にペースをかき乱されっぱなしですが、どこかまんざらでもなさそうにも見えてくるではありませんか。
そして終いには、ふたりで仲良く(?)ソファーで添い寝をするといった展開にまでこぎつけるのでした。
その後もこんな調子で、本作の第1話はもう少しだけ続いていきます。作者によれば「続きはいつか描きたいです。」とのことですが、すでにふたりの今後が気になってしかたないという方も多いハズ。
第1話の結末が気になる方は、ぜひ視聴ページに足を運んでみてください。
(画像はニコニコ漫画『天使の卵を割ったせいでママって呼ばれるおっさんの話』より)
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