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村上春樹氏、自身の小説初アニメ化「めくらやなぎと眠る女」は「ラブホテルがすごくリアル」

日刊スポーツ / 2024年6月15日 22時41分

早大大隈記念講堂で対談した村上春樹氏(左)とアニメーション映画「めくらやなぎと眠る女」のピエール・フォルデス監督(撮影・村上幸将)

作家の村上春樹氏(75)が15日、母校の早大大隈記念講堂で、自身の短編小説を原作にしたフランス、ルクセンブルク、カナダ、オランダ合作の長編アニメーション映画「めくらやなぎと眠る女」(7月26日公開)のピエール・フォルデス監督と対談した。その中で、劇中に登場する北海道のラブホテルが「すごくリアルだった」と絶賛した。

「めくらやなぎと眠る女」は、音楽家でアニメーション作家のフォルデス監督が、村上氏の81年「かいつぶり」、86年「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、95年「めくらやなぎと、眠る女」、99年「かえるくん、東京を救う」「UFOが釧路に降りる」、02年「バースデイ・ガール」の、6つの短編を翻案した作品。

映画の舞台は、2011年(平23)3月11日の東日本大震災発生直後の東京。小村(声=磯村勇斗)は妻のキョウコ(声=玄理)に突然、失踪された上、勤務する銀行では融資課の業務を外注に回すと、早期退職の提案まで受けた。ぼうぜんとしつつも1週間の有給休暇を取り、同僚から依頼され、妹に中身の知れない小箱を届けるために北海道・釧路へと向かう。

劇中で、小村が釧路で宿泊先としてラブホテルをあてがわれ、部屋までついてきた同僚の妹の友人シマオ(声=木竜麻生)が「会話をしたい、ビールを飲みたい」などと言い、部屋に居残るシーンがある。村上氏が「北海道のラブホテルが、すごくリアルだった」と絶賛すると、フォルデス監督は「ラブホテル、私は行ったことがないので、行ってみなきゃいけないと思います。ラブホテルの写真はいろいろ見た。自分のバージョンのものを作ったんです。北斎の有名な絵が掛かっています」などと言い、胸を張った。

村上氏は対談の最後で「僕は1968年(昭43)に早稲田大学に入りまして、文学部の映画演劇科に入りましたが、映画が本当にやりたかったんですけど、小説家になって良かったです」と言い、観客を笑わせた。小説家になって良かった理由については「小説家の方が楽だからです。通勤がないし、会議もないし(映画を作る)資本も集めなくていいしね。本当に楽ですね」と言い、観客から拍手を受けた。

◆「めくらやなぎと眠る女」 2011年の東京。東日本大震災から5日後、刻々と被害を伝えるテレビのニュースを見続けたキョウコは、置き手紙を残して小村の元から姿を消した。妻の突然の失踪にぼうぜんとする小村は、図らずも中身の知れない小箱を女性に届けるために北海道へ向かうことになる。同じ頃のある晩、小村の同僚の片桐が家に帰ると、そこには2メートルもの巨大な「かえるくん」が待ち受けていた。かえるくんは迫りくる次の地震から東京を救うため、控えめで臆病な片桐に助けを求めるのだった。めくらやなぎ、巨大なミミズ、謎の小箱、どこまでも続く暗い廊下…大地震の余波は遠い記憶や夢へと姿を変えて、小村とキョウコ、そして片桐の心に忍び込む。人生に行き詰まった彼らは本当の自分を取り戻すことができるのだろうか。

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