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狂言師野村萬斎の怪演ぶりが際立っていたTBS系日曜劇場「アンチヒーロー」

日刊スポーツ / 2024年6月17日 7時0分

野村萬斎(2022年12月撮影)

TBS系ドラマの日曜劇場「アンチヒーロー」が16日、最終回を迎えました。

長谷川博己演じる明墨弁護士を主人公にした作品ですが、明墨とことごとく対立する東京地検の悪徳検事正の伊達原役の野村萬斎の怪演ぶりが際立っていました。

萬斎のすごいところは、怒りのために感情が激して早口となり、声のトーンが乱高下しても、そのせりふはあくまで明瞭で、聞き取れないということはありません。滑舌の良さの原点は、萬斎が4歳で初舞台を踏んでから、狂言師として50年以上も活動してきたゆえでしょう。

日曜劇場で40%を超える大ヒット作となった「半沢直樹」では、堺雅人演じる主人公の半沢と敵対する大和田常務役の香川照之こと市川中車、おネエ口調のエリート国税官黒崎役の片岡愛之助、大和田の腹心である伊佐山役の市川猿之助など歌舞伎俳優僚が活躍していましたが、今回は歌舞伎よりも歴史が古い狂言のトップランナーである萬斎の存在感がひときわ光っていました。狂言は何の装置もない素の舞台で、2、3人の登場人物により、会話と所作だけで見せる演劇です。「アンチヒーロー」では萬斎の多様に変化する表情のすご味に注目が集まりましたが、余計なものをそぎ落とし、せりふと表情の変化だけで役のキャラクターに成り切る伝統芸能の強みと言っていいでしょう。クランクアップ後に「自由に楽しませていただきました」とコメントした萬斎の次回作が楽しみになりました。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

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