【叡王戦】藤井聡太叡王「全力尽くし熱戦に」伊藤匠七段「よい勝負をしたい」大一番控え決意表明

叡王戦第5局の前夜祭で花束を手にする伊藤匠七段（左）と藤井聡太叡王（右、日本将棋連盟提供）

藤井聡太叡王（竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖＝21）と挑戦者、伊藤匠七段（21）が2勝2敗で迎えた、将棋の第9期叡王戦5番勝負最終第5局が20日、山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われる。

注目の大一番を控えた両者は19日に現地入り。前日検分をこなし、前夜祭でファン、関係者ら約150人を前に決意表明した。

藤井がタイトル戦でフルセットになったのは2021年（令3）9月の叡王戦第5局以来。この時は豊島将之叡王（当時）を下して棋聖、王位に続く3冠となった。今シリーズは開幕戦を制した後、タイトル戦初の連敗。かど番で迎えた5月31日の第4局（千葉県柏市）で追いついた。「大きな対局になりますけど、全力を尽くして熱戦にしたいと思います」。叡王戦V4、8冠堅持、タイトル連続獲得23期を狙う。

対する伊藤は、昨年10～11月の竜王戦、今年2～3月の棋王戦と藤井に勝てなかったが、今回は違う。昨年10月11日に王座を奪取し、8冠全制覇を果たした藤井の天下を、254日で止められるか。「数々の名局が繰り広げられてきた場所でよい勝負をしたいです」。初タイトル獲得で下克上を果たし、将棋界の歴史を変える。