蝶花楼桃花 落語界初、31日連続「ネタおろし」 怖いけど「やり遂げます」
日刊スポーツ / 2024年6月20日 8時13分
<情報最前線:エンタメ 舞台>
落語家蝶花楼桃花が、31日間連続でネタおろしする独演会「桃花 三十一夜」(7月1~31日、東京・池袋演芸場)を行う。
落語界初と言っていい挑戦のきっかけ、意気込みを語った。真打ち昇進して2年、今だからこそ感じる思い、人気番組レギュラーに取り沙汰される心境も聞いた。【小林千穂】
■ギリギリのところを
ネタおろしとは、その落語家が覚えた演目を初めて高座で披露すること。31日間毎日が初演という、とんでもない挑戦になる。
「いろんな人に大丈夫? って。(池袋演芸場の)支配人にもびっくりされましたし、落語協会にも『31日間連続!?』と3回くらい聞き返されました(笑い)。私も聞いたことがないです。落語界初? 確実にそうだと思います」
22年3月に真打ち昇進し、寄席にもっと人を呼びたいと思ったという。仕事帰りでも来やすいように、夜席終了後、午後9時開演の興行となる。夜に興行を打つだけでなく、31日間連続ネタおろしの会になったのは、師匠春風亭小朝の影響が大きい。
「師匠が若手の時、30日連続独演会をやったと聞きました。博品館劇場で大ネタをかけて。師匠からつらかったという言葉を聞いたのは、この会のことだけです。いろんなことをやってきた師匠が言うくらいなので、よっぽど大変だったんだろうと思ったことが頭にあったんでしょうね。私は何かに挑戦する時は、できるかできないか、ギリギリのところをやりたいと決めていたんです。自分に負荷をかけました」
ギリギリを狙える自信があるからこそなのか、プレッシャーと闘っているのか、あるいは両方か。
「なんとかやってやるという気持ちです。やり遂げます。怖さもありますが、真打ちになって5年、10年たってからではもっと怖くなると思います。若手の今、真打ちになりたての今だからこそです。頑張って一生懸命やりますが、過酷な状況に自分から突っ込んだバカな姿も見てほしいというのもあります。スベろうが失敗しようが、それも含め、ドキュメンタリーとして見ていただければ」
意欲的な姿勢は意識してのもの。強い言葉で語る。
「やりたい、できるかもって思ったことはやる、って決めました。真打ちになってまだ早いから…とか言ってると、あっという間に時がたっちゃう。数年間は欲張ってみたいです。もう少したったらじっくり噺(はなし)に取り組んだり、ライフワークになるような噺と向き合ったりしたいです」
■自分のものにしたい
31のネタは小朝のネタあり、古典あり、新作ありと幅広い。
「実は、師匠に噺を習ったことがないんです。こんな噺をやってみなさいと課題を出してもらったことはありますが。いい機会だと思って、師匠のネタをくださいと言ったら、5席、吹き込んでくれました。師匠が得意にしているネタを頂戴してうれしいです」
古典と新作は半々のラインアップになる。古典では、上方落語の至宝、人間国宝の故桂米朝さんが得意にした「地獄八景亡者戯」もある。米朝さんの長男桂米團治に教わったという。
「あこがれの噺です。こんな機会じゃないとできないと思って、米團治師匠に習いに大阪へ行きました。新作だと、弁財亭和泉姉さんにひとついただいたり、(三遊亭)白鳥師匠、(林家)彦いち師匠…新作の名手の先輩に頂戴しました」
覚える大変さはあるが、前向きにとらえている。
「覚えやすいもの、頭に入りにくいもの、向き不向きなど、すでに勉強になっていて、収穫です。(持ちネタが)31席増えるわけですから、今後自分のものにしていきたいです」
■笑点オファー、来てないです(笑)
桃花といえば、日本テレビ系「笑点」の大喜利新メンバーに取り沙汰されることが多い。取材で聞かれることもたびたびで、勘弁してほしい、と思っているのではと思って聞いてみると、意外にも「名前が挙がるのはめちゃくちゃありがたいです!」。否定しても、明かせないだけでしょうと言われたり、家族にも「こっそり教えて」と言われたこともあると楽しんでいる様子。さらに「オファーが来たら受けますけど、来てないだけです! 断ってると言われますが、そんなわけないです」と笑った。
◆蝶花楼桃花(ちょうかろう・ももか)5月13日、東京都生まれ。06年に春風亭小朝に入門、07年6月に前座に。前座名「ぽっぽ」。11年に二つ目に昇進し「ぴっかり☆」に改名。22年に真打ち昇進し「蝶花楼桃花」に改める。出演者が女性だけの興行「桃組」開催など、企画力抜群。出ばやしは小朝作曲の仙桃。特技は寄席の伝統芸玉すだれ。任侠(にんきょう)映画、純喫茶めぐりが趣味。落語家を志す前はミュージカル専門学校に通っていた。女優として舞台「ふるあめりかに袖はぬらさじ」に出演。
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