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【ひふみんEYE】藤井聡太7冠「負けて強くなって戻ってこい」 変調は「大局観の誤り」

日刊スポーツ / 2024年6月20日 20時57分

伊藤匠新叡王(左)と感想戦に臨む藤井聡太7冠(撮影・江口和貴)

<ひふみんEYE>

藤井聡太叡王(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=21)が初めてタイトルを失った。

20日、甲府市「常磐ホテル」で行われた将棋の第9期叡王戦5番勝負第5局で、同学年の伊藤匠七段(21)に敗れた。午前9時から始まった対局はリードを奪いながら決め手を欠き、午後6時32分、156手で逆転負けした。対戦成績2勝3敗となり、叡王を失った。藤井は7冠に後退。タイトル連続獲得が「22」で止まり、8冠保持は「254日天下」で終わった。

   ◇   ◇   ◇

藤井聡太7冠は、どうして先手5一飛と打たなかったのでしょう。不可解です。先手7一飛(109手目)で先手5一飛だったら、以下先手5四金から勝ち筋で防衛でした。この後、敵陣に打った飛車を7六まで引いて成ったのは「大局観の誤り」。簡単な寄せの手順で分かるはずなんでしょうけど、変調でした。ここから勝ちを逃しました。

対する伊藤新叡王は着実に寄せました。先手7一飛の直後の後手9三角が、本局の分岐点。逆転しました。さらに120手目の後手7五桂で勝勢としました。この手で勝率90%です。128手目の後手7八金が決め手。自玉の詰みなしと読み切っているあたりはさすがです。

まだまだ細かい課題はありますが、研究の深さや本局の反撃に転じてからの的確さ、好手のバランスの良さが強みでしょう。2人には、同じ1970年(昭45)生まれの羽生善治九段と森内俊之九段のような、新たな同年代のライバル関係になっていってほしいものです。

藤井7冠は、いつもこんなミスをするわけではありません。このままズルズル6冠、5冠と後退せず、立ち直してくるでしょう。「負けて強くなって戻ってこい」と言いたいです。

(加藤一二三・九段)

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