伊藤匠叡王、賞金の使い道は… 師匠・宮田八段から「絶対ダメ」と言われた鉄のおきて

初戴冠から一夜明け、花束を受け取った伊藤匠叡王（撮影・江口和貴）

将棋の第9期叡王戦を制した伊藤匠叡王（21）が激闘から一夜明けた21日、会見に応じた。今シリーズは4連覇とタイトル連続獲得23期を目指した藤井聡太8冠（竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖＝21）に挑戦。最終第5局（20日、甲府市「常磐ホテル」）までもつれ込む熱戦の末、3勝2敗でうれしい初タイトルをもぎ取った。21歳8カ月での獲得は、将棋界で8番目に若い。

伊藤と師匠の宮田利男八段（71）は、「名人、竜王を獲得したら賞金は山分け」と約束しているという。「叡王の賞金についてはまだしていないですけど。師匠と直接会ってお話ししたいと思います」とほほ笑んだ。

3年前、新人王戦を制して公式棋戦初優勝を果たした。師匠から表彰式でこう言われた。「伊藤、良かったね。同い年の4冠王（当時藤井は竜王・王位・叡王・棋聖）とのタイトル戦、必ず来ます。そうだよね？　宮田門下は酒とギャンブルは25歳まで絶対ダメ！」。

一門の「鉄のおきて」について、「自分としては現時点では関心がないというのが正直なところです」と淡々としていた。小3の全国大会準決勝で藤井に勝ち、「藤井を泣かせた男」と呼ばれた伊藤は「藤井から初めてタイトルを奪った男」となった。今後も「将棋道」に突き進む。