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奈緒が怖い 風間俊介がエグい 「先生の白い嘘」が突きつける男女間の不条理

日刊スポーツ / 2024年7月1日 7時0分

(C)2024「先生の白い嘘」製作委員会 (C)鳥飼茜/講談社

放送中の朝ドラ「虎に翼」は、男女格差が歴然としてしていた時代を改めて印象づけているが、時は移っても越えられない「性差」はある。

「先生の白い嘘」(7月5日公開)は、そんな不条理を突きつける。

高校教師の美鈴(奈緒)は、教壇からの上から目線でひそかに自尊心を満たしている。一方で、セフレ関係にある早藤(風間俊介)の暴力的な扱いを甘んじて受け入れている。

そんなある日、親友の美奈子(三吉彩花)から婚約者を紹介したいと呼び出される。その相手はなんと早藤だった。

以後も早藤との関係は続く。そんな時、美鈴は、悩み相談に訪れた生徒の新妻(HiHi Jets猪狩蒼弥)に逆に本音をぶちまけることで救われた気になる。そして、毅然(きぜん)としていた美鈴の意外な本音を聞いた新妻は彼女に引かれていく。

絡み合った4人の思いは、予想外の方向へ。

原作コミックの作者、鳥飼茜さんの現実逃避を許さない姿勢を、「弱虫ペダル」(20年)の三木康一郎監督がしっかりと投影している。

原作者、監督の思いを受けとめた4人のメインキャストにはヒリヒリした空気が漂っている。

メタルフレームのメガネの奥の奈緒の目は、微動だにしない。感情を押し殺した怖さがある。

風間はエグい。演技を楽しんでいるようなこの人は、その成り切りぶりで、男の一番嫌なところをえぐり出すように表現している。目を背けたくなる。単なるこの男の趣向の問題じゃないか、と思いたくなるのだが、いつの間にか「性差」の何かを突きつけられる。物語をかき回しながら進めていく文字通りのキーマンだ。

最初はおっとりと見せる三吉がのぞかせるしたたかさは、男性が感じる女性の一番怖いところかもしれない。

そして、ひとり純な心をのぞかせる猪狩のほっこりとした雰囲気が救いになっている。

4人の見事なバランスで、怖いもの見たさのように目が離せない。【相原斎】

(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)

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