元検事正逮捕「外圧では」若狭勝氏が指摘 鹿児島県警不祥事と比較「5年たっての逮捕あり得ず」
日刊スポーツ / 2024年6月27日 13時44分
衆院議員や東京地検特捜部副部長を務めた弁護士の若狭勝氏は27日、TBS系「ひるおび」(月~金曜午前10時25分)に出演し、大阪高検が25日に、準強制性交の疑いで元大阪地検検事正の弁護士北川健太郎容疑者(64)を逮捕した問題の深刻さについて「大スキャンダルだ」と指摘した。
北川容疑者は2018年2月から2019年11月まで、大阪地検トップの検事正を務めた。逮捕容疑について大阪高検は「被害者のプライバシー保護」を理由に明かしていないが、検事正当時、自身の官舎で部下の女性に性的暴行をした疑いを指摘する報道もある。高検は容疑内容や認否など、具体的なことについて公にしていない。
若狭氏は、全国に50ある地方検察庁のトップでもある検事正経験者の今回の逮捕劇について「大スキャンダルだ。主要閣僚が現職中の罪で逮捕されたというくらい重い」と指摘。一方、この問題が表面化した際に、大阪高検が会見を開かなかったことについて「なかなか言えないところがあるのだろう。ちょっとでも何か言うと、記者に質問されていろんな問題が噴き出てしまう恐れを感じて、今の時点では何も言わない選択を決めたと思う」と述べた。「逆に言うと、これは断言するが、(退官から)5年前後がたってこの事件で逮捕するというのは、まずあり得ない。そこに何からに事情があることを考えるべきだ」と指摘。「事情を言うといろんな問題が噴き出るので、具体的なことが言及しないという決定ではないか」と、推測した。
その上で、時間を経ての逮捕となった背景について「この間、事件が放置されていた印象。私は『外圧』だと思う」と分析した。「鹿児島県警本部長がストーカー事件を捜査をせずにもみ消そうとしたということを当時の鹿児島県警の生活安全部長が訴え、逮捕された」と最近、鹿児島県警で明らかになった一連の不祥事に触れた。そして「恐らく今回の事件も、水面下では被害者の訴えなどがあり、ずるずる来ていたのだと思う。そこにきて、鹿児島県警のような話が出てきた。これで何もしないと逆に、同じように事件をもみ消そうとしたのではないか、というような見方が出てしまう。それで勢い、逮捕ということになった可能性はあると思う」と述べ、鹿児島県警のスキャンダルが影響したのではないかとの見方を示した。
「(検察)経験者として、5年たって逮捕するというのはあり得ない」と繰り返し、今回の逮捕劇の異例さをあらためて強調した。
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