角川歴彦前会長、拘留中に体調悪化も治療認められず 拘置所の医師から「死なないと出られない」
日刊スポーツ / 2024年6月27日 14時18分
東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、贈賄容疑で22年9月に東京地検特捜部に逮捕・起訴された、出版大手KADOKAWAの角川歴彦前会長(80)が27日、裁判で無罪を主張するほど身体拘束が長引く「人質司法」は憲法違反だとして、国に2億2000万円の損害倍賞を求める国賠訴訟を起こした。
角川前会長は、逮捕・起訴された当時、79歳という高齢で不整脈等の持病があり、2カ月後に手術も控えており、主治医からも「最悪の場合、命に至る可能性もある」と言われていたという。その中、226日間も勾留されたが、弁護団長の村山浩昭弁護士は「接見中に2度、意識を失っている」と明らかにした。
角川前会長は連日、長時間にわたって取り調べを受ける中で15キロやせて失神、昏倒(こんとう)、動悸(どうき)、高熱、新型コロナウイルスに感染。病院での治療を希望したが許可されず、拘置所内では対症療法しか施されなかったと主張した。その上で、訴状の中で拘置所の医師から「角川さん、あなたは生きている間にはここから出られませんよ。死なないと出られないんです」と言われたと触れた。同氏は「私には皆さんに話さなければいけない義務がある」と訴えた。
村山弁護士は今年4月27日に、角川前会長が東京拘置所から保釈された際、車いすに乗っていたことに触れ「保釈の時…車いすですよ。接見中に意識を失っても、満足に手当を受けさせてもらえず、最終的に車いすで拘置所を出るまで追い込まれた。命の危機に追い込まれたと言っても過言ではない」と訴えた。
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