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角川歴彦前会長“人質司法違憲訴訟”国連にも報告「文明化された民主主義国にそんな社会ない」

日刊スポーツ / 2024年6月27日 17時58分

「人質司法」は憲法違反だとして、公共訴訟を起こした角川歴彦氏(撮影・村上幸将)

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、贈賄容疑で22年9月に東京地検特捜部に逮捕・起訴された、出版大手KADOKAWAの角川歴彦前会長(80)が27日、国に2億2000万円の損害倍賞を求める国家賠償請求訴訟を起こした。裁判で無罪を主張するほど身体拘束が長引く「人質司法」は憲法違反だと主張している。

角川前会長が都内で開いた会見で、弁護団の海渡雄一弁護士は、この日国連の恣意(しい)的拘禁ワーキンググループに今回の件をメールで送ったことを明らかにした。「恣意(しい)的拘禁ワーキンググループは、日本政府に答弁を求めます。もしかして、答弁に応じて我々に質問が来るかもしれない。この裁判より早く、年内に見解が出るかも知れない」と説明した。

その上で「人質司法」と呼ばれる、今の日本の状況が、いかに世界と乖離(かいり)しているかを、各国の状況と比較して訴えた。同弁護士は「欧州、米国、お隣の韓国でもそうですけど…重大事件で逮捕された人は、翌日には身柄を釈放されて自分の意見を、その場で言う。トランプさんなんかは1番、良い例かも知れませんが、それが普通のことなんです」と、各国の状況を説明。一方で「日本の場合は、そうじゃなくて、逮捕されて認めた人は数日で保釈されるけれども、認めない人は200何日とか、ずっと出られないわけです。世界中…少なくとも、文明化された民主主義国にあっては、そんな社会はないんですよ。それくらい、僕らが暮らすこの国は、世界のスタンダードから異なっていることを、多くの日本国民に知ってもらいたい、自分もそういう目に遭うかも知れないと考えるきっかけになれば」と訴えた。

また、今回の国家賠償請求保障を提起した目的の1つに、刑務所における医療の改善もあると強調した。角川氏は22年9月に東京地検特捜部に逮捕・起訴された当時、79歳という高齢で不整脈等の持病があり、2カ月後に手術も控えており、主治医からも「最悪の場合、命に至る可能性もある」と言われていたという。その中、226日間も勾留されたが、拘置所の医師から「角川さん、あなたは生きている間にはここから出られませんよ。死なないと出られないんです」と言われたと訴状で触れた。角川前会長は「拘置所の中で、大学病院の出張所なりを作って、手術を(必要なら)大学病院で手術を受けさせるのが医療における最低限の人権なんだと思う。それ1つ、見ても拘置所の中で医療が無視されている」と訴えた。

そのことを受け、海渡弁護士は「外部の医療機関の出張所を拘置所、刑務所の中に作るべきで、重篤な症状が起きた時には、外の病院に鍵がかかる刑務所の区画を作って、そこに移す。刑務所長の判断を介さず、医師の判断だけで外に移ることができると提案している」と日弁連の提言を説明。その上で「それが英国、フランス…多くの国で実現している、国際人権スタンダードに沿った刑務所医療。ただ、この数十年、日弁連も主張しているが、まだ実現しない。『人質司法』と、もうひとつ解決しなければならない重大問題」と首を傾げた。

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