伊藤匠叡王、タイトル獲得後初の対局は黒星 将棋JT杯開幕戦は稲葉陽八段の勝ち

伊藤匠叡王（2024年2月4日撮影）

「第45回将棋日本シリーズJTプロ公式戦（JT杯）」開幕戦、伊藤匠叡王（21）対稲葉陽八段（35）戦が29日、仙台市「夢メッセみやぎ」で公開対局として行われた。

対局は144手で後手の稲葉が激戦を制した。8月3日に福岡市で行われる2回戦で永瀬拓矢九段（31）と対戦する。叡王獲得後、初の対局としてJT杯に初めて出場した伊藤の勝利はならなかった。

勝った稲葉は、最近多用している振り飛車を採用。三間飛車にした。「早い段階で全然考えてない将棋になった。うまく駒がさばけて良くなった」と振り返った。伊藤さんに粘られたが、長い中盤から抜け出した。「勝てて良かった」とホッとした様子だった。

一方の伊藤は、「かなり早い段階から激しい展開になりました。飛車が成り込んで指しやすいかと思いましたが、方針を間違えて駒損になって難しい展開になってしまった」と残念そうだった。