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【将棋】西山朋佳女流3冠、史上初の女性棋士誕生なるか「しっかり準備」プロ棋士編入試験を受験

日刊スポーツ / 2024年7月5日 5時0分

西山朋佳女流3冠(2023年10月14日撮影)

将棋の西山朋佳女流3冠(29)が4日、東京都渋谷区の将棋会館で指された朝日杯オープン戦1次予選で阿部光瑠七段(29)を破り、プロ棋士相手の直近の公式戦成績を13勝7敗とし、プロ棋士編入試験を受けるのに必要な「最近の公式戦で10勝以上、かつ勝率6割5分以上」の条件を満たし、受験資格を得た。午後の対局を終え、取材に応じた西山は受験の意思を表明。若手棋士との5番勝負で3勝すれば、史上初の女性の棋士が誕生する。

  ◇  ◇  ◇

柔和でおっとりした印象からは想像できない、強い思いが伝わってきた。午後の対局を終え、取材に応じた西山は「受験をさせていただこうと思います。受けるからにはできることをしっかりやって臨みたい」。はっきりした口調で決意を語った。

受験資格を得た午前の阿部戦後に日本将棋連盟に受験の意向を伝えていた。即断だった。1カ月以内に正式書類を提出することになる。資格獲得までの道程を「目の前の一局一局をしっかりと指そうという意識だった」と振り返り、即断の理由として「積極的な選択をしようかなと思った」と話した。

豪快な攻めの棋風から「剛腕」「暴れ馬」とも評される生粋の勝負師タイプだ。阿部戦では三間飛車を採用。敵陣をゴリゴリと崩し、受けなしの形に追い込み、投了させた。大一番でも動じずに、“剛腕ぶり”を発揮した。

若手棋士5人が「試験官」を務める棋士編入試験5番勝負に挑み、3勝すれば合格となる。「新人棋士は勢いがある。しっかり準備したい」と意気込んだ。

女性で受験資格を得たのは福間香奈(当時は里見香奈)女流5冠(32)に続いて2例目。福間は22年に編入試験を受けたが、3連敗で合格できなかった。

西山は中学2年時に、性別が関係のないプロの「棋士」を目指して養成機関の奨励会に進み、最高位の三段リーグまで昇ったが、四段にはなれず退会。21年4月、女流棋士に転向した。史上初の女性棋士を目指すことに「女性初というのはそんなに意識はしていない」。大阪生まれの「暴れ馬」が一暴れする。

◆西山の今後は? 棋士編入試験は、プロになったばかりの四段5人が「試験官」となり、月1人のペースで順に対局。9月に始まる見通し。順に新人棋士の高橋佑二郎四段(24)、山川泰熙(たいき)四段(25)、上野裕寿(ひろとし)四段(21)、宮嶋健太四段(24)、柵木幹太四段(26)と対戦予定。

◆棋士編入試験 05年、元奨励会三段の瀬川晶司アマ(当時35)の編入試験が特例で実施され、3勝2敗で合格。06年に制度化され、直近の公式戦で10勝以上、勝率6割5分以上の成績を収めると受験資格を得られることとなった。22年、現行制度の編入試験に福間5冠が女性で初めて受験したが不合格。これまで、男性も含めた受験者は今泉健司五段(51)、折田翔吾五段(34)、小山怜央四段(31)の4人。福間以外の3人はいずれも合格している。

◆西山朋佳(にしやま・ともか)1995年(平7)大阪府生まれ。伊藤博文七段門下。大阪学芸高卒。慶応大環境情報学部中退。6歳で将棋を始め、10年にプロ養成機関の奨励会に入会。15年に三段昇段。18年に初タイトルの女王。女流棋士転向後の21年10月に初代白玲となり、女流8タイトルの半分の4冠に。タイトル獲得通算16期。振り飛車党。

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