【王位戦】藤井聡太王位、“ダブル永世”獲得狙う対局始まる 渡辺明九段と対戦
日刊スポーツ / 2024年7月6日 10時0分
藤井聡太王位(竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖=21)に渡辺明九段(40)が挑む将棋の伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦7番勝負第1局が6日、名古屋市の「徳川園」で始まった。藤井は王位5連覇と「永世王位」の資格獲得(連続5期または通算10期)がかかるシリーズになる。
棋聖戦の「永世棋聖」に続き、“ダブル永世”を狙う。自身初となる王位挑戦を決めた渡辺はタイトル奪取を目指す。
振り駒の結果、藤井の先手に決まった。午前9時、立会人の藤井猛九段が定刻になったことを告げると、お互いに深々と一礼し、対局を始めた。先手の藤井はいつものようにお茶を一口飲み、飛車先の歩を伸ばした。渡辺は角道を開けた。戦型は雁木(がんぎ)に決まった。
渡辺が採用した「雁木」は江戸時代に編み出された戦型。玉の守りが薄いことなどから、長い間、指されなかったが、人工知能(AI)の将棋ソフトの研究が全盛となり、17年ごろからトップ棋士の間で流行した。
2人は過去に5回タイトル戦でぶつかったが、いずれも藤井が制している。両者の対戦成績は藤井の20勝4敗。
渡辺は04年に20歳で竜王を獲得して以来、常にタイトルホルダーとして君臨してきた。円熟期を迎えようという頃、藤井に棋聖、王将、棋王、名人と1つずつタイトルをもぎ取られ、無冠に転落。タイトル戦では昨年の名人戦7番勝負以来、約1年ぶりの対戦となる。前日会見で渡辺は「タイトルがなくなってからはもう次いつ出られるか分からないところだったが、自分が思っていたよりも早くタイトル戦の舞台に戻ってくることができた。次がいつか分からないので、この機会をすごい大事に指したいなという思いは以前より強い」と決意を語った。
対局は持ち時間が各8時間の2日制。1日目は夕方に封じ手をする。2日目は7日午前9時に再開し、夜までに決着する見込み。
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