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目指すは「お笑いの求道者」 令和ロマンM-1に続きABCお笑いグランプリも制覇

日刊スポーツ / 2024年7月7日 19時49分

ABCお笑いグランプリを制した令和ロマン、高比良くるま(左)と松井ケムリ(撮影・阪口孝志)

昨年のM-1グランプリ王者、令和ロマン(高比良くるま=29、松井ケムリ=31)が7日、大阪市のABCテレビで行われた「第45回ABCお笑いグランプリ」決勝で優勝した。過去2年連続準優勝のリベンジを果たし、優勝賞金100万円を獲得した。

同コンテストは、歴代優勝者にダウンタウン、ナインティナインらが名を連ね、若手の登竜門となっている。霜降り明星らがここをステップにM-1も制しているが、逆の形で、M-1王者が制したのは初パターンだった。

高比良は「準優勝、準優勝で終わるのもな」と出場を決断。漫才だけでなく、コント、ピン芸など何でもありの舞台設定にも意欲がわいた。松井も「勝ってないし、いっぱいトロフィーは欲しいので」と出場に異論はなかった。

若手漫才賞レースの最高峰とも位置づけられるM-1グランプリを制しての出場に、周囲からは当然、優勝の最有力候補と見られた。

勢いで突っ走れたM-1とは違い、高比良は「プレッシャーはありました」と話したが、「緊張はしたんですが、エバースの町田(和樹)さんが僕の3倍くらい緊張してて、緊張がほぐれました」と周りの様子を見る余裕があった。

松井も「ファーストラウンドが終わって、あとの2組がコントだった。ここで負けてもM-1チャンピオンの名は汚れない」と漫才とコントは別枠と気楽に臨んだことを明かすと、高比良は「頭は良いのに、心は弱いね」とツッコんだ。

そうした背景があっただけに、優勝を決めた瞬間、解放感に包まれた。高比良は「本当に出るのはどうなんだろうと思ったけど、優勝したらうれしい」、松井は「これでやっと成仏できる」と喜んだ。

M-1優勝時から宣言していたとおり、M-1の連覇も目標になるが、高比良の目線はもっと大きい。

「賞レースの、お笑いの求道者になりたいんですよ」。

この日、決戦の舞台に向かう際も「めっちゃテンション上がったんですよ」といい、「キングダムで言うと〓(マダレに龍)煖(ほうけん)。お笑いの戦いを常にし続ける存在。どうしても戦いんですよね。戦わないとつまらなくなっちゃうんじゃないかって怖い。だから、出れる大会がある限りは出たい」と、笑いの戦場に飢えている。

松井も「NGKのトリとかを目指して、伝説の漫才師になりたいですね」。

“笑いの求道者”としての2人の道は続く。【阪口孝志】

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