ヘンリー王子、妻メーガン妃を伴ってESPY賞授賞式「退役軍人を代表する声としてここに」

ヘンリー王子（左）とメーガン妃（2019年6月撮影）

英国のヘンリー王子（39）が11日、米ロサンゼルスのドルビー劇場で行われたスポーツ界のアカデミー賞とされるESPY賞授賞式に妻メーガン妃（42）を伴って出席。パット・ティルマン功労賞を受賞した。

授賞式で司会を務めた夫妻の友人で女子テニス界のスター選手セリーナ・ウィリアムズは、オープニングで「本物の王族と同じ空間にいるのはかなり稀なことですが、今夜も例外ではありません。ヘンリー王子とメーガン妃が、今日ここにいます。彼らのために拍手を」と述べ、夫妻を紹介。「でも、今夜はあまり息を吸い過ぎないようにしてください。今日は私が主役ですから、あなたたちが酸素を吸い過ぎているという非難で影を落とされたくないのです。いいですか？」とジョークで、会場を沸かせた。

ヘンリー王子は2014年に設立した負傷兵士らのための国際スポーツ大会インビクタス・ゲームの功績が認められ、アフガニスタンでの戦闘中に亡くなった元NFL選手で米陸軍の志願レンジャー部隊に入隊したパット・ティルマン氏の功績をたたえる功労賞を受賞した。受賞に際し、ティルマン氏の母メアリーさんが「他にふさわしい候補者がいる」と述べるなど批判や辞退を求める声が渦巻く中、登壇してトロフィーを受け取った。

ヘンリー王子は壇上で式典に出席してたメアリーさんやパット・ティルマン財団の関係者らに感謝の言葉を述べ、「パットの遺産に対する彼女の擁護は、とても個人的なものであり、私が尊敬するものです。母と息子の絆は永遠であり、どんな大きな喪失も超越します」とスピーチ。自身の受賞に反対していたメアリーさんに賛辞を送った。

続けて「私はヘンリー王子としてではなく、インビクタス・ゲーム財団とインビクタス・ゲームを実現させた20カ国以上の何千人もの退役軍人を代表する声としてここに立っています」と話し、「インビクタス・ゲームの精神は人種、時間、国境を超越します。スポーツを通じて人生を変えるような影響と癒やしを目のあたりにしてきた10年だった」と設立10周年を振り返った。その後はティルマン氏やメアリーさんについて触れることはなかった。最後は「これからどんな道があろうとも、私たちはあなた方のためにここにいます。私たちは誰一人取り残しません」と力強く話し、スピーチを締めくくった。

ヘンリー王子のスピーチをメアリーさんが神妙な面持ちで見つめる姿も見られ、受賞の波紋はまだまだ続きそうだ。（ロサンゼルス＝千歳香奈子）