ハリウッドからも「バイデン下ろし」バイデン米大統領の撤退求める大物俳優や監督たち

ジョージ・クルーニー（2015年5月25日撮影）

11月の米大統領選を前に「高齢不安」からバイデン米大統領の撤退論が強まる中、これまで大統領を支持してきたハリウッドの大物俳優や監督らが相次いで選挙戦からの撤退を求める事態となっています。

6月27日のテレビ討論会で悲惨なパフォーマンスを目のあたりにした民主党支持者らの間で81歳のバイデン大統領では選挙戦が戦えないとの不安が広がり、ついに最大の支援者だったハリウッドからも「バイデン下ろし」ののろしが上がったと話題になっています。

■ジョージ・クルーニー

民主党の有力支持者として知られるバイデン大統領の盟友ジョージ・クルーニーは10日、ニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で「高齢」を理由に大統領選から撤退すべきだと表明。クルーニーはテレビ討論会の数日前にロサンゼルスでバイデン大統領の政治資金集めパーティーを主催し、一夜で3000万ドル、日本円で48億円超えの献金を集めたばかりでした。

クルーニーは大統領を愛しているとした上で、資金集めパーティーのバイデン氏は2010年の“大物”とは違っていたと言及。さらに「2020年のジョー・バイデンすらなかった。私たち全員が討論会で見たのと同じ人物だった」とつづり、「時間との闘いには勝てない」と年齢の問題を指摘。「この大統領では11月の選挙に勝てない」と断じる手のひら返しで退陣を迫り、そのインパクトが今後の選挙戦にどう影響するのか注目されています。

■ロブ・ライナー監督

反トランプ派として知られる俳優で映画監督のロブ・ライナーは7日、X（旧ツイッター）を更新して「もうふざけるのはやめましょう。有罪評決を受けた犯罪者が勝てば、私たちは民主主義を失います。ジョー・バイデンは名誉、礼儀、尊厳を持って米国に奉仕してきました。ジョー・バイデンは退陣すべき時だ」と投稿。

さらにクルーニーが寄稿した論説を受け、「私の友人のジョージ・クルーニーが、私たちの多くが言っていることをはっきりと述べてくれた。私はジョー・バイデンを愛し、尊敬している。この国のために多くのことをやってくれた。だが、今、民主主義は存続の危機にさらされている。戦うためには、誰か若い人が必要だ。ジョー・バイデンは退陣すべきだ」と再度Xに投稿し、退陣を促しています。

■マイケル・ダグラス

バイデン大統領の長年の支持者で、4月にハリウッドで資金集めイベントを主催したマイケル・ダグラスも10日、出演したABCテレビのトーク番組で将来を「深く憂慮している」とコメント。クルーニーの論説についてコメントを求められると、「もっともな指摘だと思う」と同調。バイデン大統領のことはとても好きで、50年にわたって人々のために献身的に働いてきたと称賛しつつも、「今回の選挙は非常に重要。今日、明日のことは心配していないが、１年後のことが心配。懸念している」と語った。また、民主党には大物議員や才能豊かな人材が揃っているとも話し、間接的に新たな候補探しには困らないだろうとの見解も示しています。

■マイケル・ムーア

抗議デモに参加するなど反トランプ派として知られるドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーア氏は、自身のポッドキャスト番組でバイデン大統領の選挙戦継続は「最も残酷な形の高齢者虐待」とコメント。「81歳の老人を夜の9時にステージに送り出し、10時42分まで終わらない怪物と乱闘させる人がいるだろうか」「もし、私が今まで見せられた最も残酷な形の高齢者虐待から彼を守る唯一の人物であるなら、ジョー・バイデンのために立ち上がります」などと語った。「バイデンをほっておいてくれ。休ませてやってくれ。家に帰してやってくれ。彼は仕事をやり遂げた」と述べ、このまま選挙活動を継続させるべきではないとの考えを示しています。

■スティーブン・キング氏

「ホラー界の帝王」の異名を持つ作家のスティーブン・キング氏は8日、Xを更新して「ジョー・バイデンは素晴らしい大統領だったが、彼が明らかに愛するアメリカのために、再選に立候補しないことを発表する時がきた」と投稿しています。

【千歳香奈子】（ニッカンスポーツ・コム／芸能コラム「ハリウッド直送便」）