高畑充希、ウイカ・少納言は「何てかっこいい女なんだと思いました」“ソウルメイト”に感謝
日刊スポーツ / 2024年7月21日 21時6分
NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜午後8時)の合同取材会がこのほど行われ、藤原定子を演じた高畑充希(32)が出席した。撮影を振り返り、定子を支えた少納言を演じたファーストサマーウイカ(34)や夫となった一条天皇役の塩野瑛久の存在、出演を経て得た“財産”について語った。
-清少納言のファーストサマーウイカも定子を絶賛
ウイカちゃんは撮影の中でも外でも私を推してくださって、それに救われた部分大きかったですね。自分は(憧れを)持たれる役がほとんど初めてに近い経験だったんです。憧れの目で見てもらえる人物像にしなければならないというプレッシャーを感じていたので、ウイカちゃんが現場の中でも外でも中でも私を良い意味で上げてくれるというか、憧れの存在であると扱ってくれたことが現場において私をすごく楽にしてくれました。ウイカちゃんと一緒にソウルメイトというかこういう役柄を一緒にできて楽しかったですし、良かったなと思います
-現代でもそういったパブリックイメージ残っていることについて
当時、定子さんはそんなひどい人じゃないって叫ぶよりも文字の力というか、残すことはこんなにパワーがあることなのかと思いました。ウイカちゃんと一緒に『枕草子』が完成するくだりのシーンを撮影して、オンエアを見たときにこういう守り方があるんだなとやっとその時に実感として受け止めることができました。少納言に対して「何てかっこいい女なんだ」と思いました。「春はあけぼの」のくだりってわたしも学生時代に習っていたし、そらで言えるくらいのはずなのに、そういう意味を感覚として受け取ってもこなかった。学んだ時間から何年もたって、自分がこの役をやることで、本当に日本文学って素晴らしいなと身に染みて感じることができたのはすごく良い経験になったなと思います。
-『枕草子』が誕生するシーンや演技で心がけたこと
台本読んだ時点で一番好きなシーンだったんです。というのも、せりふがほんとにないところを情景だけで『枕草子』の誕生を大きな情景だけで描く。プラス、実際の四季の流れではなくて映像として四季を見せてくれて、というのがドラマでだから描けるやり方だなと思って。台本読んだ時点で「大石さんすてき」と思ったのは覚えています。あの時は情景になじめるように、というのを一番に考えてました。私はできるだけ感情的にならないように、ただいることを考えていました。
-実際に放送を見て感じたことは
語りの部分も、現場で当時の古い言葉で言うのか、現代語訳で言うのか、私が読むのか、少納言が読むのか、パターンを試行錯誤して作りました。実は、クランクアップした後に定子が読んだ方が伝わった感じになるんじゃないか? となって、クランクアップした後に朗読だけしに来たりしました。それくらい俳優陣と制作陣がどういう風にやるのがこの情景が一番すてきに伝わるんだろうって悩みながら作った結果、ワンフレーズ私が読ませて頂く形になりました。みんなで悩めたのがすごく良かったなと思います。
-「定子」は役者としてどんな経験に
いろんな役やらせていただく度に、それぞれの役でもらう物も大きいんですけど、今回は自分が学んできた物と自分の体感が一致した感覚がものすごく新鮮でした。『枕草子』という文字とか、この年になって本当に日本の文化の美しさを知れたなというか。そういうことを地上波のドラマが日本でやれるのってすごく幸せだなって思いましたし、こういう作品を海外の方に見てもらえたらいいのにってちょっと思ったりもしました。かつて、自分の中に染み込んでいた平安時代のなんとなくの知識と、自分の感覚がバシッとハマってぐっときた経験が初めてだったので、多少でも勉強していおいて良かったなと思いました。こういう作品に出ることができたのが幸せだったなと思います。
-定子は幸せな人生だったと思うか
難しいですね。特に後半は幸せだったとは言い切れないかなと思うんですけど、私が定子を好きなのは、どれだけ落ちた状態においても、幸せを見つけたりする気力みたいなものがある人かなと。その強さがすごくすてきだなと思っています。少納言が書いてくれた文面に幸せを見いだしたりとか、その中でも幸せだっていう語りをしたり、少納言と何でもなく話したりするシーンも出てきたりするので、最終的には穏やかに幸せなところも合ったのかなと思います。でも中盤は本当にしんどかったです。
-中盤しんどかった言う中で、どう演じるのか悩んだシーンは
自分の家族を守らなきゃいけない立場なので、兄や父が悪い方に行かないように力を使いたいっていうのは、定子の中ではものすごく芯の通っていることなんですけど、それと同時に、そこに夢中になると一条天皇への愛情もウソに見えるというそのシーソーがすごく難しかったです。ものすごくあざとく見えてしまうんじゃないか、というのは結構悩んでいたところです。絶対に家族のことも考えないと受けないし、一条天皇への愛もうそじゃない。お互いちゃんと本当に愛し合っていたという風に個人的にはしたくて。出家する前の何話かにわたって、政治的なことにも口を出しつつ、一条天皇への関係性も作っていくところが私は一番悩みました。ご覧になっているとサラッと流れているかも知れないんですが、一条さんとの関係性が政治のために仲良くしているという印象になると、そこから先が全部そうなるって言う恐怖があったのでそのあたりが疑問でした。
-周囲から「皇子を産め」と言われるつらいシーンもあった
全体を通して定子という人を演じるに当たって、たくさん泣きたくないと思っていました。というのも、すごく芯が強い人でいて欲しいと思っていたので。史実だけだともっとか弱いイメージも湧くし、策略家なイメージも湧くし、選択肢が無限にありました。でも、大石さんが描かれる定子は、どこかかっこいい人でいて欲しいというのが自分の中にあったので、毎回涙を流す人じゃないといいなという意識がありました。だからそのシーンも泣かなかったのかなと思います。
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