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歌舞伎界の現役最高齢・市川寿猿、俳優座代表の岩崎加根子ら…90歳を超えても舞台で活躍

日刊スポーツ / 2024年7月22日 10時43分

岩崎加根子

90歳の草笛光子が主演する映画「九十歳、何がめでたい」が6月21日に公開され、異例のロングヒットとなっています。昨年10月に90歳となった草笛ですが、スクリーンで見る草笛の美しさや若々しさには変わりはありません。

舞台でも90歳を超えても頑張っている人たちがいます。7月の歌舞伎座夜の部「裏表太閤記」には歌舞伎界の現役最高齢俳優である94歳の市川寿猿が出演しています。秀吉の水攻めに苦しむ備中高松城で秀吉の軍勢の様子を見張る老武者の出井寿太郎役ですが、何を聞かれても「今年で94歳」と答え、客席からは笑いと拍手が起こっています。ちなみに「裏表太閤記」は寿猿の師匠でもある3代目市川猿之助(2代目市川猿翁)が1981年に初演しており、今回は43年ぶりの再演ですが、寿猿は初演にも違う役で出演しています。

そして、21日に千秋楽を迎えた俳優座の特別公演「戦争とは…」シリーズの「被爆樹巡礼」「犬やねこが消えた」には90歳を超えた大ベテランが出演していました。俳優座代表の岩崎加根子(91)と中村たつ(96)です。ともに1952年に俳優座に入団し、70年以上も俳優座を支えてきました。この「戦争とは…」シリーズも戦争体験を風化させたくないとの思いから岩崎や中村らが企画して始めたもので、今年で30回目でした。中村は杖をつきながらの出演ですが、声はしっかりとしていて、特に冒頭の詩人茨木のりこの「わたしが一番きれいだったとき」の朗読は1つ1つの言葉が胸にしみわたりました。茨木とは2歳違いで、青春時代を戦争の中で過ごした同じ体験があるだけに、言葉に実感がこもったのでしょう。岩崎は11月の舞台「慟哭のリア」に主演予定で、こちらも楽しみです。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

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