1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

奈良公園のシカ蹴る動画拡散で担当者「警察とも協議中」外国籍との憶測には「特定できていない」

日刊スポーツ / 2024年7月24日 12時21分

奈良公園のシカ=2014年6月14日

奈良公園(奈良市)の鹿を蹴り上げるなどの暴力行為をする人物の動画が拡散されている問題を受け、公園を管理する奈良県奈良公園室が24日、取材に応じ「動画が真実であれば非常に不適切だ」と憤りをあらわにした。

動画では、白いTシャツにジーンズ姿の男性とみられる人物が、道をふさぐ形となっていた鹿のお尻部分を右足で蹴り上げている様子が映し出されていた。周囲の鹿は驚いて逃げたが、その人物はさらに鹿のお尻部分を蹴り、右手で首周辺をはたくような行為を行っていた。

この動画には「動物虐待」などと批判の声が相次いで寄せられた。奈良公園室の担当者は「動画の背景は分からないですが、真実であれば非常に不適切な行為です」と話した。その上で「場合によっては文化財保護法の第196条(毀損)と第197条(現状を変更または保存に影響)の違反に該当する」と指摘した。元の動画をアップしたとみられるアカウントでは、鹿を蹴り上げた人物について特定の外国籍を記されているなどしているが、同担当者は暴力行為をした人物や国籍について「警察とも法的な整理、協議を進めていますが、特定はできていないです」と述べた。

過去にも奈良公園の鹿を傷つける暴力行為があった。21年2月には、鹿の頭部をおので切りつけて殺した男が、文化財保護法違反の罪で逮捕される事件があった。担当者は「当時は明確に鹿の遺体が確認できましたが、今回はどの鹿が被害を受けたのか、動画では判断が難しい」と口にした。不適切行為をめぐる対応については「パトロールを行い、確認した後に注意をしている。聞き入れてもらえない場合に対しても、警察との連携を強化していきます」と話した。

奈良公園や周辺には約1300年前から野生のニホンジカが生息している。1957年(昭32)に「奈良のシカ」として国の天然記念物に指定された。奈良公園室によると、野生のシカは公園内に生えている芝や葉、ドングリなどを主食としており、観光客が減っても飢えるということはないという。奈良公園のシカは孤立した集団で、長期にわたる交配の結果、独自の遺伝子型をもっていると、福島大、山形大、奈良教育大の研究チームが発表していた。【澤田直人】

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください