三浦瑠麗氏、パリ五輪開会式の一部演出への批判にXで私見「反発で初めて表現として成り立つ」
日刊スポーツ / 2024年7月28日 17時44分
国際政治学者の三浦瑠麗氏は28日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、26日夜(日本時間27日未明)に、パリ中心部のセーヌ川を舞台に行われたパリオリンピック(五輪)の開会式の演出をめぐり、一部で批判が出ていることを念頭に、私見をつづった。
開会式では、フランスが世界に誇るさまざまなコンテンツが随所に登場し、フランスらしさが強く打ち出された内容になった。一方で、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」をイメージしたパフォーマンスで、女装したドラヴァクイーンが登場したことをめぐり、キリスト教団体などから批判が出ているとされる。また、処刑された王妃マリー・アントワネットが投獄されていた「コンシェルジュリー」の建物を使った演出では、アントワネットをほうふつとさせるいくつもの女性の人形が「生首」を手にし、一部の人形は歌うシーンもあり、賛否両論が渦巻いている。
三浦氏はXに「パリ五輪の開会式演出が涜神的だと騒がれているが、キリスト教以前は多神だったし性的欲望も昔から多様だったんだぞという表現にすぎない。反発も相当強いのをみると、常識人にoffendするという近年のアートの目的に十分適っている。まだ1世紀くらいはアートはカソリックに反抗しつづけるんだろうね。むしろそこから脱却できないことが心配である」と、つづった。
別の投稿では「offend:怒らせる、不快感を与える、ルールを破る 『多様な性なる神々の饗宴』はそりゃ不快感を抱く人がいようけれども、別に大多数の日本人は文脈を共有していないので関係ない。ロシア人や福音派の人々の反発と、『饗宴』はセット。反発で初めて表現として成り立つ。そして両者は共に近代に属する」とも主張した。
さらに別の投稿では「蛇足としてもう一点」とした上で「アートの表現が近代への反発から抜けきれていないことは措くとして、ポリコレ旋風とそれへの反発によって言語そのものが貧しくなってきているのが問題。単に言語とアートでは表現体系が違うというだけでなく、もはや言語は『評論』すらできなくなってしまっているのではないかな」と指摘。「物事を正義/不正義でしか考えられなくなってしまった貧しい言葉には、そもそもアートを語ることはできないだろう。左右両極とも同様である」と、思いをつづった。
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