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【王位戦】渡辺明九段「何でいつもこうなっちゃうのかな」藤井聡太王位に逆転負けで1勝2敗に

日刊スポーツ / 2024年7月31日 19時18分

2日目の対局を開始した渡辺明九段(右)藤井聡太王位(日本将棋連盟提供)

藤井聡太王位(竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖=22)と挑戦者の渡辺明九段(40)が1勝1敗で迎えた、将棋のお~いお茶杯第65期王位戦7番勝負第3局が31日、徳島市「渭水苑(いすいえん)」で行われた。30日午前9時からの2日制で行われた対局は接戦の末、藤井が抜け出して111手で渡辺を振り切り、シリーズ2勝1敗とした。第4局は8月19、20日、佐賀県唐津市「洋々閣」で行われる。

渡辺は右手でほおづえを突き、顔を左に傾けてじっと盤を見つめた。見込みがないと判断して投了した。難解な終盤で、何度か勝ち筋があったかもしれない。「終盤、何かなかったかと思っているんです。いろんな手段があるんでしょうけど、分からなかったですね」。悔しさがにじみ出た。

藤井が得意とする角換わりから、前例のない形に誘導した。中盤は「(自分が)指せていると思ったが、考えていなかった手順になり、改めて練り直した」と言う。巧みな指し回しで持ち込んだ時間消耗戦は成功していた。

初日の封じ手の段階で持ち時間各8時間のうち、藤井が残り3時間21分しかなかったのに対し、渡辺は5時間6分。豊富な持ち時間は藤井の粘りの前に削られる。98手目で藤井は残り4分あったが、渡辺が先に1分将棋となった。

「何でいつもこうなっちゃうのかな。近くなったら作戦を練って臨みたいと思います」。先手番の第4局で追いつきたい。

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