渥美二郎&梶原あきら 50年ぶりの再会で生まれた「千住ブルース」秘話
日刊スポーツ / 2024年8月1日 18時9分
歌手の渥美二郎(71)梶原あきら(70)が1日、東京・日本コロムビアで、7月24日発売のデュエット曲「千住ブルース」の発売記念取材会に出席した。
同曲は03年に渥美が発売した「おそい春」に収録されているが今回、梶原とともにデュエットととしてセルフカバーした。
2人は同じ事務所に所属し、青春時代をともに北千住での“流し”で腕を磨いた。渥美は「“演歌師”時代の17、18歳の頃、彼は16歳で同じ寮に住み込み、同じ釜の飯を食って、4~5年一緒に勉強した」。
その後、梶原は故郷・石巻に帰ることになるが、2人を再び結び付けたのは昨年末、梶原からの1本の電話だった。渥美は「50年ぶりに電話をもらって感動した。50年間生きるだけでも大変な時代に、彼は石巻に帰っても歌い続けていた。それがうれしくてね」。
梶原は「40周年というのもあったし、近況を報告しようと思って電話をした」というが、「石川や石巻でチャリティーコンサートを考えていたので、心の奥底には一緒にできればという思いはあった」と明かした。
「会話の流れで『一緒にやりませんか』と話したら、『いいよ』って簡単に受けていただいたんです」というが、「自分で言ったものの、どうしていいんだか分からなくなって、『やっぱり、あれですから』と言うと、『あとはマネジャーと相談して』となってしまいました」という。
チャリティーコンサートは3月に開催された。その後、渥美は「千住ブルース」を見直す機会があった。「それが、彼のストーリーそのままだったんです。国を出たのが16の時で、花の都に憧れてたどり着いて、そこで僕と会ったり、一緒に寮で生活したりで、不思議だなと思った」という。「これをかなえない手はない」と思い、渥美からのオファーで「千住ブルース」のデュエットによるセルフカバーに至った。
渥美からの連絡を受けた梶原は「光栄だなと思いながらも『私でいいのか?』という思いもあった」と明かした。だが「渥美先輩の背中を見て追いかけてきたので、ご一緒させていただければ、もう思い残すことないと思いまして。こういう形で一緒にできて、本当に感謝しています」。
50年振りの再会からのレコーディング。渥美は「お客さんの前で50年間歌い続けていたので、聞き比べてもらえば分かると思いますが、自分にはない“味”がある」という。一方梶原は「ものすごい緊張の中で歌いました。初めて、あんなプレッシャーを受けました」と振り返った。
今月15日、渥美は72歳となるが、「千住ブルース」で「70歳を過ぎて燃えるものにぶつかった」という。「目標ができるとエネルギーが上がる」とし、「この曲をたくさん人が自分のレパートリーにして歌ってくれるようになるまで、頑張ってみたいなと思っています」と意気込んだ。
また、「年を取ると涙腺が緩むと言うけど、あれは本当だね」と切り出すと、話題はパリ五輪へ。「フェンシングなど燃えますね。やっぱり五輪は燃えますね」と言うと、「柔道の(阿部)詩さんで号泣しましたし、お兄ちゃんが勝っても泣いた。勝っても、負けても泣いています」とほほ笑んだ。
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