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【悼む】「整理整頓して、旅立った」園まりさん、入院生活で変わった人生観

日刊スポーツ / 2024年8月1日 20時0分

初の本格的な映画に主演した園まりさん(東京・柿の木坂の東京スタジオ)=1968年8月26日撮影

園まりさんが亡くなった7月26日、まりさんの都内のマンションにガス業者らが訪れることになっていた。7月いっぱいでマンションを引き払う最後の手続きのためだった。入院中のまりさんの意向を受け、マネジャーが対応していた。関係者は「まるで整理整頓して、旅立ったように思えます…」と話した。

亡くなる数日前、見舞いに訪れた中尾と伊東に「もうドレス着ないから、持っていってね」と伝えたという。今から思えば“形見分け”にも思える。

まりさんの人生観が変わったのは、20年8月に転倒して膝下骨折で手術を受け、1カ月半入院したことだった。簡素な入院生活、親身な看護を経験し「今までの生活がいかに無駄だったか」に気づいたという。退院後、かつて家族と暮らし、空き家状態だった一軒家を売却。その後自分のマンションも手放した。家財道具も処分し、小さなマンションに引っ越した。衣装などはトランクルームに預けた。

かつてインタビューに「処分することで過去や未来へのこだわりが消え、自分の人生に何が必要であるか分かって、まるで生まれ変わったような気持ちになれる」と話した。

歌謡界全盛期、多忙だった。世間知らずで、電車の乗り方、お茶の入れ方も分からなかった。初恋は破談し、独身を通した。甘くささやくように歌う「逢いたくて逢いたくて」を歌いたくなくて、コンサートの選曲に入れず、ファンから苦情が出た。99歳で亡くなった母の介護で、芸能界から離れた時期もあった。それでも歌い続けてきた。

関係者は「かつてと同じように、(処分することで)生まれ変わろうと思っていたのかもしれません」とも話した。

7月31日の近親者の葬儀。ひつぎのまりさんはお人形のようで、中尾が「あんた、こんなにきれいだったのね」と語り掛けた。【笹森文彦】

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