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倉本聰氏35年ぶり映画脚本、本木雅弘31年ぶり小泉今日子と共演「海の沈黙」11・22公開

日刊スポーツ / 2024年8月9日 6時1分

映画「海の沈黙」に出演する、上段左から中井貴一、本木雅弘、小泉今日子、石坂浩二、清水美沙、仲村トオル、菅野恵(C)2024映画『海の沈黙』INUP CO.,LTD

脚本家の倉本聰氏(89)が、88年「海へ~See you~」以来35年ぶりに映画の脚本を手がけ、昨年6月に北海道小樽市などで撮影した「海の沈黙」(若松節朗監督)の公開日が11月22日に決定した。82年デビューの“花の82年組”の同期として15歳で出会い、公私ともに親交を深めてきた本木雅弘が主演、小泉今日子(ともに58)がヒロインを務め、92年1月期のフジテレビ系月9ドラマ「あなただけ見えない」以来、俳優として31年ぶりに共演。23年6月16日に撮影中の小樽市で行われた製作報告会見には、本木、小泉と中井貴一(62)と、倉本氏が期待を寄せる菅野恵(29)が出席し、北海道内外から多数のメディアが集結。その後、公開が決まらず、1日も早い公開が待たれていた。

本木は、画壇から追放され世界的な贋作(がんさく)事件の犯人と疑われる天才画家・津山竜次を演じた。本木は倉本氏とは当時、初対面だったが電話では何度も、それも1回に1時間半以上も語り合い、同氏が自身を当て書きしたという脚本への理解を深めてきた。製作報告会見時に「芸能活動においても、私生活においても、小泉さんはいつも、私にとっては一歩先を行く人という感じでした。今回はラブストーリーめいたものはあるんですけども、恋愛経験も私より非常に豊富で、奔放で、大胆なところがありますので、その辺については、ちょっと裏で事情を伺いながらいこうかな、というふうに思います」と言い、取材陣、そして小泉まで笑わせた。公開日が決定し、改めてコメントを発表した。

本木雅弘 初の倉本作品にして、黙する孤高の画家という難役にもがき苦しみましたが、40年来の同志である小泉さんとの共演にはリアルな感慨もあり、熟練の若松監督と中井さんの支えによって、不思議なアンサンブルが生まれました。観る者を突いてくる美への教訓、追憶という哀しいぬくもり、倉本先生が語る世界の奥深さを皆さまと共有できればうれしく思います。

小泉は、竜次を追って北海道を訪れる、かつての恋人でローソク作家の田村杏奈を演じた。製作報告会見の際は「本木さんと私は、出会った時は15歳くらいですよね。本当に同期で、歌手として活動をし始めた時から知っているので」と同期であることを強調。「いつも私が歩いている横の方を見ると、必ず本木さんが、いつもいるという感じで。時々、横を見ては、あっ、私も大丈夫、本木さんがそこにいる、と思えるような感じで40年間、私の中にあります。お芝居を一緒にやるのは20代の時だったから…30年以上、たっているのかな?」と、同期であり戦友であることを強調した。そして「お互い、歌手でしたけど…今、こうして俳優として、また同じ作品で力を合わせることができるのは、とてもうれしいこと」と感慨深げに語っていた。公開日が決定し、改めてコメントを発表した。

小泉今日子 美とはなにか。本物とはなにか。倉本聰さんが今、私たちに投げかけたテーマに姿勢を正されるような思いだった。その矜持(きょうじ)を私はきちんと受け取り、そして演じることができたのか今は自信がない。けれど、成熟した大人の映画が、この日本に誕生したことを心から祝福したい気持ちです。

中井は、竜次の後見人で贋作(がんさく)のシンジケートを操るスイケン、菅野は竜次のもう1つの顔である、彫師のモデルを務めるアザミを演じた。23年6月の製作報告会見に出席した本木、小泉、中井、菅野のほか石坂浩二(83)仲村トオル(58)清水美砂(53)萩原聖人(52)村田雄浩(64)佐野史郎(69)田中健(73)三船美佳(41)津嘉山正種(80)の出演も発表された。コメントは、以下の通り。

中井貴一 倉本作品に呼んでいただく時、いつも思うのです。私の本質を全て知られ、見透かされ、キャスティングされていると。というわけで、今回は謎多きフィクサーと相成りました。作品のテーマは、美。美ほど、観念的なものは無い。でも、人はそれにランクをつけ、金銭という数字をつける。資本主義経済の観点からすれば、至極当たり前のことなのかもしれないが…美とは、美の価値とは、何なのか…今回の映画は、それをじっくり考えさせられる。

石坂浩二(田村修三役)“今”は無意味なものが情報として拡散し、メディアもまた、右往左往、なにより金がすべてと思い込まされ、否応なく人々は区別されていく、それが“今”です。本当に美しい、本物の自分らしさを求めていた人間も、やがて生きている、生きていかなければならない“今”にのみこまれ、その“今”は昔からの自然の流れを思えて安心してしまう。私が演じるのは“今”だと思うのです。“今”は未来を思いやることはできるのか? “今”が未来に重なる時はないのでしょうか。

仲村トオル(清家役)僕はめったに断言しないのですが「脚本は倉本聰さん、監督は若松節朗さん、これを断る人はいないよ」と、家族に宣言して、いそいそと撮影現場に向かいました。この作品に参加できた

こと、数十年ぶりに小泉今日子さん、石坂浩二さん、中井貴一さんと同じ現場に立てたことはとてもうれしく、誇らしく感じました。

清水美砂(牡丹役)私は純粋に倉本聰作品のファンとして倉本先生の新しい作品を大スクリーンで観られる喜びに心が躍っています。今でも自分が先生が描いた1人の女性を演じたなんて信じられないくらいです。“牡丹”と云う名前のごとく咲いた花のまま朽ち落ちる悲しい女性。愛を込めて演じました。

菅野恵 美しさとは何か。世間の評価によらず、美しいものをただ美しいと見つめることはどうしてこんなに難しいのでしょうか。恩師・倉本先生が長年温めてきた作品に携われたこと、素晴らしいキャストの皆さま・スタッフの皆さまとご一緒できたことに感謝しつつ、1人でも多くの方に届きますように!と心から願うばかりです。ぜひ劇場で、この作品の美しさをご堪能ください。

原作・脚本の倉本氏は

<1>1960年(昭35)に起きた、永仁時代のつぼではなく加藤唐九郎という人が作った現代のつぼだったことが分かり、重要文化財から降ろされた「永仁の壺事件」

<2>洋画家の中川一政さんが師の岡本一平さんの絵を塗りつぶした上に絵を描いた1件

と、自身の印象に深く残った2つの実話をベースに物語を作り上げた。倉本氏と若松節朗監督(75)もコメントを発表した。

倉本聰氏 60年前から抱えこんできた僕にとっての大きなテーマがある。美術品の贋作というテーマである。美術作品の価値というものは社会的権威によって保証される。だがその価値基準は元々極めて主観的なものである。だから世の中には贋作が絶えない。過去に日本にもそういう事件があった。重要文化財として認定されていた一つの美術品が贋作と判明し国の指定から外されたのである。美とは何なのか。権威とは何なのか。これは、そうした矛盾に立ち向かった一人の天才画家の悲劇である。

若松節朗監督 老いてなお創作に情熱を燃やす脚本家、倉本聰さんの今回のテーマは「美とは何か?」この映画化にあたり僕にとって、いつにも増して大きなチャーンジとなりました。幸い本木雅弘、小泉今日子、中井貴一始め多くの芸達者な俳優陣が結集し見応えのある映画になったと自負しています。この作品は制作側から観客の皆さんへの問いでもあります。「美とは何か?」皆さん其々の美を見つけて頂きたいと思います。

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