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吉田美月喜、初声優「ルックバック」は代表作に「生きる上で背中押してくれる作品」58分の物語

日刊スポーツ / 2024年8月12日 7時0分

映画「ルックバック」で声優を務めエピソードを語った吉田美月喜(撮影・中島郁夫)

俳優の吉田美月喜(21)と河合優実(23)がダブル主演を務めたアニメ映画「ルックバック」(押山清高監督、公開中)が、クチコミやSNSで日増しに注目を集めている。6月28日の公開から累計同員数約89万人(※1)を突破。初日119館から169館までに上映が拡大し、16日からも全国各地の劇場での追加上映が決定している(※1)。今作で初声優を務めた吉田に、作品の魅力や今作での経験について聞いた。

   ◇   ◇   ◇

同作は人気漫画「チェンソーマン」などを生んだ漫画家藤本タツキさんによる同名長編読み切り漫画が原作。東北の田舎町に住む小学4年生の藤野(河合)と不登校の同級生京本(吉田)が漫画を通じて出会い、成長していく青春物語だ。 公開1カ月が過ぎた今でも反響は止まない。吉田に自身の代表作になったのか、と問うと「そう言えると思います」と自信が乗った声が返ってきた。緻密に表現された原作の世界観はもちろん、キャラクターを生き生きと動かす吉田と河合の声も、映画が好評を博す大きな一因となった。「大切な作品はいろいろありますが、作風も相まって声が良かったと言ってもらえたのは1個のステップアップにもなったと思いますし、自分の中でも大切な作品になりました」と、言葉には熱が宿る。

引っ込み思案な京本役はオーディションで勝ち取った。吉田自身は明るく朗らかな口調で話すが、同作の押山監督に「地声にひきこもりの要素がある」と見いだされた。「正直受かるとは思っていなかったです。声優のオーディションは何度か受けてましたが、受かってはいなくて。映画やドラマのナレーションもなかなかうまくいかなかった。私に声のお仕事は向いてないのかなって勝手に思ったので、『そうじゃないよ』と言ってくれる作品に出会えたなと感じています」と作品との巡り合いに感謝する。

吉田が劇中で見せる自然な東北なまり、京本が前向きに成長していく温度感の高い演技には、原作、映画ファンから好反応が寄せられている。役者業とは異なり、表情は映らず声のみで表現する声優業。その挑戦に加え、独特な発音やイントネーションを要する“東北なまり”という難解な課題にも向き合った。「ちゃんと指導を受けたのは1日です。その時に音源を取っていただいたり、口の動きの癖とかを教えてもらいました。自宅では割り箸を口にくわえてボソボソとせりふを言ってみたり。お風呂の中でもやったら箸がしなしなになってしまいました(笑い)」。準備期間は約2カ月。耳と口に東北なまりをなじませ、押井監督から「唯一無二の声」と評されるまでに仕上がった。

物語に登場する京本と藤野は、夢を追いながら成長していく。吉田自身も一人の観客として心揺さぶられたという。「『今自分がやりたいと一生懸命に思っていることだったら、全部を捨ててまでやってみないと結果がちゃんと返ってくることはないんじゃないか』という話を優実ちゃんとしました」と明かす。「この映画に出てくる、無我夢中になって絵を描いている姿というのは自分の演技に対する努力とも重なるというか。『頑張っていかないとな』って改めて感じる作品でした」。一人の俳優として、“作品”というモノ作りにより誠実に向き合う思いが芽生えた。

河合とはともに声優初挑戦。互いの背中が励みになった。「アフレコのブースは神聖な場所という感じがして、あまり多くを話したりしなかったんですけど、背中から感じるものがあるというか。私は優実ちゃんの背中を見て『優実ちゃんも頑張っている』というのが励みになっていた部分はありました。後から取材とかで話していると、優実ちゃんも同じように感じてくれていたみたいでうれしかったです」。収録の合間には「今のかわいかった」と互いが演じたキャラクターをめで合い。自身らが演じた京本と藤野のように、互いの存在に刺激されながら『ルックバック』を作り上げた。

同映画は日本だけでなく、国境を越え海外でも強い支持を受ける。58分間の尺の中に凝縮された魅力とは。吉田は「この映画で伝えたいことは映画が語っているのかなと思っています」と前置きしつつ、言葉にした。「私が見た感想なんですけど、生きていく上で背中を押してくれる作品かなと思っています。努力をしている姿勢に刺さるものがあったり、共感できるところが、皆さんの心に響いているんじゃないかなと思います。監督もおっしゃっていましたが、親子とかでも見に来て欲しいですね」。そう願いを込め、作品が持つ力を信じた。【望月千草】

(※1)数字は8月6日時点

◆吉田美月喜(よしだ・みづき)2003年(平15)3月10日生まれ、東京都出身。2017年にスカウトされ、芸能界入り。19年映画「町田くんの世界」でスクリーンデビュー。20年日本テレビ系「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」で連ドラ初出演。24年TBS系「マイストロベリーフィルム」で地上波連ドラ初主演。ほか、21年TBS系「ドラゴン桜」、23年映画「あつい胸さわぎ」で常盤貴子とダブル主演。同年映画「カムイのうた」でも主演を務めた。162センチ。

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