岸田文雄首相「決然たる誓いを世代を超えて継承」全国戦没者追悼式で式辞/全文
日刊スポーツ / 2024年8月15日 12時40分
政府主催の全国戦没者追悼式が15日、東京・千代田区の日本武道館で行われ、岸田文雄首相(67)は式の冒頭で、式辞を述べた。
▼以下、全文
天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、戦没者のご遺族、各界代表のご列席を得て、全国戦没者追悼式をここに挙行いたします。
先の大戦では300万余の同胞の命が失われました。祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら戦場に倒れた方々。戦後、遠い異郷の地で亡くなられた方々。広島や長崎での原爆投下、各都市での爆撃、沖縄での地上戦などにより犠牲となられた方々。今、全ての御霊(みたま)の御前にあって、御霊安かれと心より、お祈り申し上げます。
今日の我が国の平和と繁栄は、戦没者の皆さまの尊い命と、苦難の歴史の上に築かれたものであることを、私たちは片時たりとも忘れません。改めて、衷心より敬意と感謝の念をささげます。
いまだ帰還を果たされていない多くのご遺骨のことも、決して忘れません。1日も早くふるさとにお迎えできるよう、国の責務として、ご遺骨の収集を集中的に実施してまいります。戦後、我が国は一貫して平和国家としてその歩みを進めてまいりました。歴史の教訓を深く胸に刻み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてまいりました。
戦争の惨禍を二度と繰り返さない。戦後79年が経ちますが、歳月がいかに流れても、この決然たる誓いを世代を超えて継承し、貫いてまいります。
いまだ悲惨な争いが絶えることのない世界にあって、我が国は法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化を進め、人間の尊厳を中心に据えながら、世界が直面するさまざまな課題の解決に全力で取り組み、国の未来を切り開いてまいります。
終わりにいま一度、戦没者の御霊に平安を、ご遺族の皆さまにはご多幸を心よりお祈りし、式辞といたします。
令和6年8月15日 内閣総理大臣岸田文雄
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