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【ひふみんEYE】84歳にして初めて見た新戦法から、最後は手も足も出させなかった藤井王位

日刊スポーツ / 2024年8月20日 20時24分

王位戦7番勝負第4局2日目に臨んだ渡辺明九段(左)、藤井聡太王位(日本将棋連盟提供)

<ひふみんEYE>

藤井聡太王位(竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖=22)が渡辺明九段(40)の挑戦を受ける、将棋の伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦7番勝負第4局が20日、佐賀県唐津市「洋々閣」で行われた。

19日午前9時からの2日制で始まった対局は、後手の藤井が2日目になって攻勢に出た。午後6時24分、100手で押し切り、シリーズ3勝1敗とした。5連覇と永世王位獲得を目指す第5局は27、28日、神戸市「中の坊瑞苑」で行われる。

本紙「ひふみんアイ」でおなじみ、加藤一二三・九段(84)が対局を振り返ります。

   ◇   ◇   ◇

藤井王位の鮮やかな勝ちっぷりでした。渡辺九段の矢倉に対し、早めに7筋の歩を突いたのは新戦法でしょう。6筋の銀を上がるのが常識でしたが、本局はこれが成立しましたから。深い研究に裏打ちされた指し手を、84歳にして初めて見ました。

さらに渡辺九段が2筋の歩を交換した後、角を4筋に引きました。この不備をとがめて、矢倉中飛車から急戦に持ち込みます。5筋に銀を繰り出し、1筋の端歩を突いて「いつでも角が上がります」と、攻撃の前段階で必要な手を見せます。準備を整え、戦力を増強させて中央突破を図りました。ここから先は一本道。最後の反撃も「安全第一」でうまく対応し、相手に手も足も出させない状態にしました。

渡辺九段にしてみれば、2枚の歩を持ち駒にした時、1~3筋でこれを使って反撃することはできなかったのでしょうか。序盤の角の位置が悪かった。藤井王位の攻めが分かっていても、対応できない陣形にしてしまったのが敗因です。

1~3局まで、渡辺九段が3連勝してもおかしくないほどいい指し回しでした。第4局の負け方はショックでしょう。先手で矢倉と、相当な意気込みで臨んだでしょうから。

藤井王位に流れが大きく傾き、王位5連覇と永世王位の獲得が、かなり濃厚とみました。(加藤一二三・九段)

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