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人気ドラマと同一世界で進行する異色サスペンス 見どころ盛りだくさんの「ラストマイル」

日刊スポーツ / 2024年8月26日 7時0分

(C)2024「ラストマイル」製作委員会

08年の「アイアンマン」からマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)がスタートして以来、その作品群では、スーパーヒーローの夢の共演が次々と実現した。「アベンジャーズ」(12年)のようなオールスターキャストの作品もあった。

ヒーローだらけのマーベルにくくられた同一世界観のたまものである。ライバルのDCユニバースでも同じで、スーパーマンとバットマンの対決や、他のヒーローの主演作にワンダーウーマンがチョイ役で顔を見せたりと、豪華キャスティングを印象づけた。

同一世界観で進行する、こうしたシェアード・ワールドの利点は豪華共演の実現と、人物設定などの基本的な説明を省いて、その先のストーリーが紡ぎやすいことだ。

23日に公開された「ラストマイル」は、ドラマ「アンナチュラル」(16年~)と「MIU404」(20年~)と同一世界で進行するオリジナル作品だ。

舞台は巨大物流倉庫。ブラックフライデーの前夜にそこから発送された段ボール箱の爆発事件が起こる。時間の経過とともに、それは日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展する。

着任したばかりの物流センター長エレナ(満島ひかり)と部下のチームマネジャー梨本(岡田将生)が事件の背景を探り、その謎に臨むが…。

塚原あゆ子監督=野木亜紀子脚本が「アンナチュラル」「MIU404」に続いてコンビを組み、勝手知ったる世界の中で密度の濃いサスペンスを練り上げた。

いかにも今風なハイテク管理の物流を舞台に、危険はわかっていても決して止められない現代の生命線というジレンマがミソになっている。背景として過剰労働や下請けいじめなどの社会問題がそこここに盛り込まれる。

難題に取り組むに従って、エレナや梨本の前歴が明らかになり、納得感がある。乃木脚本はその辺のタイミングを心得ている。満島と岡田が、それぞれエリート臭とキレ者感をさりげなく漂わせて、ともに地力を感じさせる。

今作のメインキャストだけでも阿部サダヲ、ディーン・フジオカ、火野正平…と個性派ぞろいだが、そこに「アンナチュラル」の石原さとみ、井浦新、窪田正孝…「MIU404」の綾野剛、星野源、橋本じゅん…がそれぞれの職場、機捜とラボで真相解明の一翼を担う。

単発作品では決して実現しない、シェアード・ワールドならでは豪華で幅広なキャスティング。ぜいたく気分を楽しめるエンタメ作品だ。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)

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