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永瀬正敏、97年ドイツで撮影前日に頓挫「箱男」公開に「言葉にならない…感無量」と言葉詰まる

日刊スポーツ / 2024年8月24日 9時37分

映画「箱男」公開記念舞台さいさつで感無量の表情を浮かべる永瀬正敏(撮影・村上幸将)

永瀬正敏(58)が24日、東京・新宿ピカデリーで行われた主演映画「箱男」(石井岳龍監督)公開記念舞台あいさつで「言葉にならない…感無量です」と一瞬、言葉を詰まらせた。

「箱男」は、1993年(平5)に亡くなった芥川賞作家・安部公房さんが、73年に発表した代表作の映画化作品。幻惑的な手法と難解な内容で映像化が困難と言われ、ヨーロッパや米ハリウッドの著名な映画監督が映画化を試みたが、安部さんサイドが許諾を出さなかった。その中、石井岳龍監督(67、当時は聰亙)が安部さん本人から直接、映画化を託され、1997年(平9)に製作が決定。主演に永瀬、共演に佐藤浩市(63)をキャスティングし、万全の準備をしたが、ドイツのハンブルクでクランクインする前日に撮影が頓挫。幻の企画となっていた。

その中、23年5月に世界3大映画祭の1つで永瀬も縁の深い、カンヌ映画祭(フランス)で企画の再始動が発表され、同6月にクランクインと執念で撮影にこぎ着けた。そして、くしくも安部さん生誕100年にあたる今年2月に、最初の撮影が頓挫した“宿命の地”ドイツのベルリン映画祭のベルリナーレ・スペシャル部門でワールドプレミア上映された。日本では7月8日に、同じ新宿ピカデリーで開催されたジャパンプレミアで初上映。そして前日23日に、ついに公開初日を迎えた。

永瀬は劇中で、段ボールを頭からかぶり、のぞき窓から完全な匿名性の元で一方的に世界と人間をのぞき見る箱男と遭遇し、その1歩を踏み出すカメラマン“わたし”を演じた。その匿名性は、現代社会で誰もが持つスマートフォンと、匿名で意見を発信、主張できるX、インスタグラムなどのSNSに通じるものがある。永瀬は「役者として半分以上(のキャリアを)『箱男』歩んできた。原作が世の中に近づいてきて…安部さんは預言者だと思う」と驚きを口にした。その上で「必要だったのかな。今、このSNS…でしたっけね? の時代になり、ほぼ全員の方がスマートフォンをお持ちになっている。監督は『それこそ、箱じゃないか?』とおっしゃった。理解度…感じてくださる方が増えたのかな?」と、今だからこそ、映画化できた意義を強調した。

永瀬は舞台あいさつの最後に「昨日、公開になって…最後の最後に1つ、問いかけがありまして。そこにが分かっていただけるとありがたい。その後、今回に参加した俳優部、スタッフの何かが刻印されている。そこまで見ていただいたら感じていただけるんじゃないか」と観客に1つの投げかけをした。その上で、原作と映画の決定的な違いを明かした。

「原作で言うと(箱男になる主人公は)ぼくと書かれている。今回は、私。ぼくだと、男性に使われることが多い。私だと女性が使う。箱男だけでなく、箱女も、ちゃんとある。1つ、気付いたことがあって…監督が『わたしが』と話される。監督こそ箱男」

そして「監督、おめでとうございます」と、原作者の安部さんと32年前に対面もしている、石井監督に映画化を祝福。「最初に言いましたけど…やはり感無量です。皆さん、できれば劇場に何度も来ていただければ」と観客に呼びかけた。

この日は、浅野忠信(50)白本彩奈(22)佐藤浩市(63)も登壇した。

◆「箱男」段ボールを頭からすっぽりとかぶり、都市を徘徊(はいかい)し、のぞき窓から一方的に世界をのぞき、ひたすら妄想をノートに記述する「箱男」は、全てから完全に解き放たれた存在であり、人間が望む最終形態だった。そんな「箱男」を偶然、街で目にしたカメラマン“わたし”(永瀬正敏)が、その1歩を踏み出すが、本物の「箱男」になる道は険しく“わたし”をつけ狙い「箱男」の存在を乗っ取ろうとするニセ医者(浅野忠信)、全てを操り「箱男」を完全犯罪に利用しようとたくらむ軍医(佐藤浩市))“わたし”を誘惑する謎の女・葉子(白本彩奈)ら、数々の試練と危険が襲いかかる。果たして“わたし”は本物の「箱男」になれるのか?

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