浅野忠信「ニセ箱男」演じるも暑くてパンイチで段ボールかぶる「パンツ脱いでも気付かない」
日刊スポーツ / 2024年8月24日 10時50分
映画「箱男」(石井岳龍監督)公開記念舞台あいさつが24日、東京・新宿ピカデリーで行われた。席上で、俳優陣に作品を象徴するキャラクター「箱男」がかぶる、段ボールをかぶると、どうなるか、何を思うかなどの質問が飛んだ。
「箱男」は、1993年(平5)に亡くなった芥川賞作家・安部公房さんが73年に発表した代表作の映画化作品。箱男とは、段ボールを頭からすっぽりとかぶり、都市を徘徊(はいかい)し、のぞき窓から一方的に世界をのぞき、ひたすら妄想をノートに記述する。全てから完全に解き放たれた存在であり、人間が望む最終形態と位置付けられる。箱男と遭遇し、その1歩を踏み出すカメラマン“わたし”を永瀬、箱男の存在を乗っ取ろうとするニセ医者を浅野忠信(50)が演じた。
永瀬は、箱をかぶった際の思いを聞かれると「いろいろな気持ちになりますよ、そこに入ったら、違う風景が見えると思う。安心も恐怖感もある」と答えた。劇中には、箱男VSニセ箱男の闘いのシーンが描かれ、永瀬と浅野が芝居を交わした当該シーンは、23年7月に茨城県の友部で行われた。永瀬は撮影を振り返り「暑かったですよ。浅野君は、ほぼパンイチで、ずっとやっていた気持ちが分かるくらい、暑かった」と、浅野がパンツ一丁で演じていたと暴露した。
浅野は「(段ボールに)入ると、本当に皆さんが存在を忘れてくれる。箱男の気持ちを、すごく理解した」と、独特の感覚に陥ると吐露。「誰も相手にしてくれない。パンツ脱いでも意外と気付かない」と言い、場内を笑わせた。一方で「箱が2つあって、永瀬さんと僕が入ると…確かに、永瀬さんと僕だけ目が合ったりする」と、箱に入ったもの同士だけ互いに意識が向くという、特異な状況に陥ると吐露。永瀬も「僕は気付いた。何かが芽生える」と笑った。そして「街に、あまりかぶって出られると、アレなんで…でも、お気をつけて、かぶっていただきたい」と、観客にも1度、段ボールをかぶり、箱男になってみることを勧めた。
◆「箱男」 「箱男」を偶然、街で目にしたカメラマン“わたし”(永瀬正敏)が、その1歩を踏み出すが、本物の「箱男」になる道は険しく“わたし”をつけ狙い「箱男」の存在を乗っ取ろうとするニセ医者(浅野忠信)、全てを操り「箱男」を完全犯罪に利用しようとたくらむ軍医(佐藤浩市)、“わたし”を誘惑する謎の女・葉子(白本彩奈)ら、数々の試練と危険が襲いかかる。果たして“わたし”は本物の「箱男」になれるのか?
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