【王位戦】渡辺明九段「先行できても勝ちきれず…無力さを嘆くよりありません」Ｘでシリーズ総括

終局後、感想戦を行う渡辺明九段（撮影・松浦隆司）

将棋の渡辺明九段（40）が29日までにX（旧ツイッター）を更新。伊藤園お～いお茶杯第65期王位戦で藤井聡太王位（竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖＝22）に敗れて1勝4敗となりタイトル奪取を逃したことについて言及した。

7番勝負第5局は28日、神戸市「中の坊瑞苑」で行われた。27日午前9時からの2日制で始まった対局は、28日午後6時21分、リードを奪って抜け出した先手の藤井に97手で押し切られた。これで藤井はシリーズ4勝1敗として5連覇を達成。今年7月の永世棋聖に続き、永世王位を獲得した。

王位戦初登場の渡辺はXを通じ「伊藤園お～いお茶杯王位戦、1勝4敗で敗退しました」と書き出した。続けて「第2局を終えたところでは今までの番勝負よりは戦えてる気もしましたが、そこから藤井王位のデキが尻上がりに良くなっていって、結局はいつもと同じ感じのスコアになりました」と記した。

さらに「4局目、5局目は序盤研究も含めて、いいところがなかったのは実力通りとはいえ、残念です」と本音を吐露。「3局目までは序中盤の分かれだけ見れば、今までよりもやれていたかもしれませんが、終盤力に差があるので多少、先行できても勝ちきれなかったです」とした上で「せめて1局目を勝ち切れる力があれば、もう少し番勝負が続いたかもしれないと思うと、無力さを嘆くよりありません」と記述。最後に「応援、ありがとうございました」と締めくくった。

渡辺の投稿に対し「渡辺先生、お疲れ様でした。反省されている第四局、第五局でもかなり藤井王位の神経を削る精度の高い将棋指されていたと思います」「対局お疲れ様でした。厳しい戦いの中で、ご自身の力を存分に発揮され、ファンとしてもその姿勢に心を動かされました」「渡辺先生、お疲れさまでした。今回の番勝負、見ごたえあって楽しめました。スコアほど差はなく、むしろ以前より差が縮まってたと感じました」などのコメントが寄せられていた。