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知られざるピアニスト…セッションマン、ローリング・ストーンズに愛された男

日刊スポーツ / 2024年9月2日 7時0分

(C)THE SESSION MAN LIMITED 2024

ローリング・ストーンズにはピアノソロのイントロが印象的な曲が多い。「悪魔を憐れむ歌」「モンキーマン」…。いずれも1人のセッション・ピアニストの手になるものと、この映画で知った。

「セッションマン ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男」(6日公開)は、ロック黄金期の30年間に250以上のアルバムに関わり、多くのミュージシャンが敬意を払ったピアニストの半生にスポットを当てたドキュメンタリーだ。

「背伸びをしてようやく鍵盤に手が届く」ような幼少時代からピアノに親しんだホプキンズは、16歳の時に通っていたロンドン王立音楽アカデミーを自主退学し、サヴェージズのピアニストとしてキャリアをスタートする。

早くから彼の才能に注目していたミック・ジャガーは「彼はクラシックでもブルースでも何でも弾きこなした。どれもが素晴らしかった」と振り返る。

キース・リチャーズは「ストーンズの曲を作る時も僕らが半分、残りは彼が加わって完成する感じだった」とそのアレンジの才能を絶賛する。

映画はホプキンズ自身の貴重なインタビューにストーンズのメンバーを始め、彼が関わったザ・フー、ザ・キンクス、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズらのメンバーの証言が挿入され、当時のアーカイブ映像とともに進行する。

細身でいかにも繊細な感じのホプキンズは63年に難病のクローン病と診断され、50歳で亡くなるまでの生涯は常にこの病との闘いでもあった。

登場するミュージシャンの何人かはピアノで彼のタッチをまねながら、その美しく、弾けるようなフレーズを再現して、いずれもうっとりとした顔になる。

私生活では2度結婚していたようで、1人の妻は「彼は自分がショパンの生まれ変わりだと信じていた」と証言する。彼女やそんな彼の思いを知る周囲の人たちも「彼のピアノを聴いていると、本当にそんな気がしてきた」と明かす。劇中の演奏は弾ける熱さの半面、確かに繊細でリリカルだ。

ジョン・レノン、エリック・クラプトン、ジェフ・ベックらがこぞって彼をレコーディングやツアーのメンバーに指名したのもうなずける。アート・ガーファンクルも彼がお気に入りで、テレビのトークショーに出演したときもわさわざ伴奏者としてホプキンズを呼んでいる。

試写を見てから、改めて「モンキーマン」を聞いてみて、そのピアノ演奏にゾクッとした。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)

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