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【王座戦】藤井聡太王座が快勝、「藤井曲線」描き押し切る 永瀬九段とのタイトル戦初の白星発進

日刊スポーツ / 2024年9月4日 21時40分

昨年の再戦となった王座戦は立場が入れ替わり藤井聡太王座(左)が永瀬拓矢九段(右)の挑戦を受ける(日本将棋連盟提供)

藤井聡太王座(竜王・名人・王位・棋王・王将・棋聖=22)が初防衛を目指して永瀬拓矢九段(32)の挑戦を受ける、将棋の第72期王座戦5番勝負第1局が4日、神奈川県秦野市「元湯陣屋」で行われた。午前9時から始まった対局は、角換わりからのねじり合いとなった。

緩急自在の指し回しで抜け出した後手の藤井が午後8時30分、124手で快勝。初防衛に向けて好スタートを切った。第2局は18日、名古屋市「名古屋マリオットアソシアホテル」で行われる。

藤井がうまく攻めの形を作った。午後5時30分の夕食休憩明け。9筋に手を付けて永瀬陣に襲いかかると、5筋、2筋と歩を活用して態勢を築く。最後は5筋に飛車を打ち、「詰めろ」を見せた。「藤井曲線」を描いて押し切った。

過去2回の永瀬とのタイトル戦第1局はいずれも黒星。今回、初の白星発進となった。初めての頂上対決となった21年棋聖戦は、2回にも及ぶ千日手指し直しの末に屈している。前期の王座戦は、攻めのスピードが鈍って詰めを誤った。

「1年間の取り組み、成長が問われるシリーズ」。3日に同所で行われた前日会見で、藤井はこう話した。内容的には押されながら、勝ちを拾って3勝1敗で王座を初めて獲得した昨年とは立場を入れ替えての再戦。前期王座戦で開幕黒星を喫した後、8大タイトル戦の開幕局(今年2月の棋王戦は第1局が持将棋引き分けで、第2局に勝利)はすべて相手に先勝している。これも立派な成長とみた。

「しっかり準備していい状態で臨めるようにしたいと思います」。初防衛に向け、抜かりはない。

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